NHK番組「クロ現(クローズアップ現代)」で旧統一教会と安倍元総理の「癒着」を実証的に報道
8月29日午後7時半からのNHKクロ現は、旧統一教会と自民党・安倍派との水面下での癒着ぶりを、実証的に報道しました。旧統一教会側にも釈明を語らせていますが、番組の意図・目的は、旧統一教会と安倍元総理、安倍派との「癒着」を語るためのものであることは、ジャーナリストの感覚からよくわかりました。
このほかの報道内容で重要な点は次の通りです
・安倍元総理が旧統一教会関連団体のUPFのイベントにビデオメッセージを送ったことについて、現教団トップの梶栗正義氏に次のように語らせました。
「安倍元総理と考えが同じなので様々な勉強会を各地で行い、安倍氏の考えに賛同し、各地で選挙応援をしてきた」
・安倍氏のビデオメッセージを見た元信者は「安倍元総理が教会を肯定したことに絶望した」「終わったなという気持ちになった」と語らせた映像を放映しました。
・旧統一教会周辺に、政治的ないくつかの団体があるが、そこに(霊感商法などで集めた)旧統一教会への献金が流れ、活動の原資になっていたことを梶栗氏に婉曲的に語らせて放映しました。
・安倍氏の8年弱の政権にあって6度の国政選挙で、旧統一教会が示した「誠意」を安倍氏が評価していたことを梶栗氏は語っていまた。
・水面下でつながっていた政治との関係が公になることや安倍氏との近さを教団内で心配する声がありました。教団の広告塔のように(安倍氏・自民党を)使っているのではないかとの声があったことを紹介しました。
・旧統一教会は急速に安倍元総理に近づき、選挙運動、秘書スタッフなどを通じて安倍派に浸透しました。その代表格が萩生田議員でした。萩生田氏が旧統一教会との関連を否定的に言うことを知った信者に「むなしいですね」と語らせ、萩生田氏の弁明が不正義である印象を実証的に示しました。
このほかにも次のような重要な事実を報道しました。
・政策に影響を出すためには、会員が地方議員になったり、国会議員の秘書になり中央政界へ波及する戦略をとりました。
・旧統一教会の思想に沿う政策が実現するように旧統一教会は地方政界を後押ししてきました。地方で条例が多数重なっていけばひとつの土台になると旧統一教会幹部に語らせました。
・「地方の動きを中央でもどうでしょうか」と働きかけることができたと旧統一教会側に語らせました。
・旧統一教会に汚染されていた富山県の県議38人のうち、6人が選挙支援を受けていました。
・旧統一教会のこれまでの活動が、安倍氏銃撃事件に結びついたのではないかとの質問に、梶栗正義氏はそのような受け止めがあったならば「重く受け止めたい」と語らせました。これこそ旧統一教会の真意だったのです。それを示すために、この場面を編集したのです。
たった30分の番組でしたが、旧統一教会と安倍氏・安倍派の親密な歴史的交流を実証的に映像化したもので、見方によっては安倍氏の銃撃をした容疑者の言い分に根拠があると言わんばかりの内容でした。
再放送があると思いますので、是非、そちらを見てもらいたいと思います。この番組を制作した取材記者と編集デスクに敬意を表します。