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2024年2 月

男性諸君だけ読んでください(女性には無関係の話なので読むだけ時間の無駄になるからです。男性は読む価値があります)

 右股関節の痛みはダンスレッスンのせい?

 歩くたびに右の股関節が痛いなあと感じながら2,3日過ごしていました。椅子から立ち上がるとき、座るときにも右の股関節が痛む。ああ、あれのせいだという思い当りがありました。

 2月下旬に、社交ダンスの発表会があり、そこでやや動きの激しいクイックステップを踊るため、レッスンを続けていたのです。その無理がたたって、股関節を痛めたかなとも思っていました。

 こういう時は、お風呂に入って、股関節辺りをモミモミすれば快方に向かうのではないか。午後の早い時間に、温泉気分でお風呂を沸かし、ゆったりと湯船につかって、さて、右の股関節マッサージをと始めました。

 すると股関節の痛みはない。痛いのは股関節と至近距離に存在するあれです。そう、英語でscrotumという器官です。中には大事なtestesという器官が収納されています。湯船の中を覗き込みました。お湯の中で揺れるものを3秒間、凝視しました。

 見た瞬間、慄然とした光景

 その時、襲ってきた戦慄感はたとえようもないほどのショックでした。Scrotumくんが異様に膨れているのです。右側にいびつに膨れ、まるで洋梨(そう、用ナシともいう)のように揺れているのです。洋梨くらいに大きく膨れており、恐る恐る触ってみると痛い。触った感じは、明らかに中にあるものが腫れている感じで、ちょっと力を入れると痛い!

 ああ、ついにこやつが命取りに来たんだ。私の寿命もこれまでか。これはただ事ではない。湯船から飛び出ました。鏡に映った光景は、この世のものとも思えないような恐ろしい光景が眼前にありました。

 ネットで早速調べてみると日本泌尿器学会のHPにあるガイドラインに、筆者の症状とそっくりの病状を解説しているページが出てきました。

    https://www.urol.or.jp/public/symptom/11.html

 図解入りだからよくわかります。自己診断では、右の精巣が何らなの原因で腫れて痛くなっている。この解説から、感染症の疑いがある。つまり尿道辺りから何らかの細菌が入り込んで精巣に巣食い、そこで繁殖して炎症を起こしているのではないか。

 そこまで考えて、早速、都心部のときたま通院しているS病院泌尿器科のS医師の外来に、急患として診察をお願いしました。なぜ。泌尿器科にときたま通院していたかは、この後で話をします。

 一目見たS医師は「ああ、大丈夫です」

 男性諸君!とまあ、偉そうに言って見ましたが、S病院に行ったときは、意気消沈してもはやこれまでと言う沈んだ気分でいました。だからS医師もその表情から、すぐにベッドに寝かせて診察に入りました。

 服は着たまま、靴は履いたままでいいと看護師さんが笑顔で言います。下着まですべて下におろしてベッドに仰向けに寝ます。つまり服は着たまま、靴は履いたまま、下半身だけ露出させて仰向けに寝るのです。男性諸君、我が身を想像してみてください。

 なんだか自分でもおかしくなって、笑ったかもしれません。カーテンを開けて入ってきたS医師は、患部をしげしげと診て、それから触って「痛いですか?」と言うので「痛い!」とやや大げさに言うと「大丈夫です! 感染症科に回しますから治してもらいましょう」と言います。

 感染症と聞いて、筆者は「ああ、やっぱり、ネット情報のように雑菌がおふくろさんの中まで入ってきて、飲めや歌えの大盤振る舞いをして痛みと腫れを引き起こしているんだ。

 見るからに頼りになりそうなごつい感じの感染症科のI医師も、診て触ってすぐに「抗生剤の点滴をします」と言います。そして紙に図解入りで説明をしてくれます。

 それが患者の疑問点を先回りして解説するような名講義なのです。思わず筆者は「分かりやすいですね」と褒めたかも知れません。

 するとI医師は「ここは外国人の患者さんが多いので、説明をきちんとやるのですよ」と言います。

「多分、大腸菌が入り込んで繁殖し、悪さをしていると思いますので、これをたたきます。3日間、通院して、点滴をしましょう」といいます。

 「ま、心配いりません。たたいて終わりです」とも言います。それだけでなんだか、半分治ったような気分でした。

 普通は入院ですが元気だから通院です

 最後の診察の際に語った感染症科のI医師は、「普通は入院して点滴をしますが、あなたは元気そうだし通院で十分と思ったのですよ。本日で全快です。後は泌尿器科のS医師の診察を受けてください」と言う。

 泌尿器科のS医師にかかったのは、数年前に夥しい血尿を出し、この時もびっくりして泌尿器科に駆け込んだものでした。いろいろ診察を受けましたが、結果的には原因不明で、前立腺からの出血と言うものでした。精密検査でも血液検査でも、がんなどの悪性病状の気配はなく、偶然の出血らしいということでした。

 そのとき、前立腺が老人特性で肥大しており、世に言う「おしっこが近くなっている」症状もあり、しばらく肥大症を抑えるお薬を処方するので、3か月おきくらいに通院していました。そのS医師から、今度は「右精巣上体炎」(この診断名は、感染症科のI医師によるものです)という診断名で診てもらうことになったのです。

 若者とご老体と両極端に出る感染症

 一体全体、こんな感染症になぜかかったのか。感染症科のI医師に訊いても判然とはしませんでした。ただ、「最近は若者とご老体の両極端に分かれて多い」と言います。

 若者は、性行動が元気なので淋菌などが尿道から入り込んで炎症を起こすことがあるそうです。淋菌と聞いて、風俗などで感染するのだろうかと想像しました。

 ご老体はというと「大腸菌が入って来ることが多いのですが、菌株までは特定できません」と言います。大腸菌と聞いて、腸内細菌の一大勢力ですが、大体は無害と思い込んでいました。ところが高齢者になると免疫力も低下するので、大腸菌が紛れ込むとこれを叩く免疫力が負けてしまい、炎症を起こすということでした。

 

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 ということで、高齢者になると思わぬ疾患、病に見舞われるということでしょうか。誰にも言えない話ですが、ここまで読んでいただきありがとうございました。

 この炎症が鎮まるまで、PCにとりついて仕事を続けていましたが、それはいけないと思いながら、おりしもNHK・BSの連続シリーズで放映していた黒澤明監督の映画を堪能しました。

 七人の侍  椿三十郎  隠し砦の三悪人  蜘蛛の素城 

 筆者の青年時代に夢中になって観た名画ばかりでした。 

 テーブルの上で咲き誇っているボケの花に水やりしながら、楽しみました。

 ボケの花は、意外と水飲みです。水が途切れるとしぼんでいく。似ています。

 お粗末の一席でした。