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2015年7 月

宮川幸子・清水至「事業をサポートする知的財産実務マニュアル」(中央経済社)

 

知財本宮川・清水宮川幸子・清水至「事業をサポートする知的財産実務マニュアル」(中央経済社)

  知財の世界は高度・専門性が高く、一般の人は容易に入り込めない分野である。これまでの企業や各種機関の知財担当者は、一種の「ムラ社会」を作り、理解しあえる仲間が寄り集まって仕事をしていた面がある。

  経営者も紛争が起きれば知財ムラに解決策を一任し、聞きかじった知識だけで知財戦略を打ち出すような傾向があった。

  しかしIT産業革命が世界中に広がってきた今の時代には、知財戦略は時として企業の死命を制するツールになりかねない。パテント・トロール、パテント・オークション、パテント・プールなど新しい知財の業態が芽生え、知財戦略の中で大きなうねりを起こそうとしている。

  この本は、こうした現代の国際的な背景をとらえ、知財人材として本当に役立つ人を育てるためのいわばノウハウを提示したものである。特許を取り巻く課題だけではなく、意匠、商標、模倣品対策や税関対策、契約にまつわる留意点まで言及している意欲ある編集になっている。

  具体的なケースステディ風に、ある架空の企業とその研究開発と知財戦略、経営戦略まで漫画入りで分かりやすく説明しており、この種の本としては異例の工夫をしている。

  これは知財を教育する企業の研修などに使用できるいい教材になるし、大学などの教科書代わりにもなるものだ。何よりも、具体的なケースに対応する方法を示している点がユニークであり特長になっている。

  企業や各種機関の知財部門は、この本を参考に是非、実のある知財戦略を推進してほしい。また知財を担当してきた人にとっても、この本に書かれている事例を参考にしながらこれからの取り組みをたててほしいと思った。

 

 


立憲国家を否定する政権は「独裁亡国」国家である

国民主権を無視する政権運営は国家ではない

 日本経済、読売、毎日、朝日新聞、NHKの各世論調査で、「安保法案の今国会成立に反対」「国会審議は不十分」が圧倒的多数になっているのに、それを無視して法案を衆院で可決しようとしています。
 世論調査は、どの報道機関もランダムサンプリング理論に基づいて、偏りのない調査相手を選ぶようにしており、調査結果は国民の総意の反映と言って間違いありません。
 その証拠の一つに、選挙前の世論調査結果と選挙の結果はかなり高い相関関係になっていることがあげられます。
 そのような重要な国民の意向にお構いなしに、時の政治権力と議員の思惑だけで勝手に民意を無視して議員多数決で法案を成立させようとすることは、国民主権を無視したもので、もはや国家ではありません。
 歴史に残る暴挙と思います。

 

 世論調査にみる国民の総意

 上の二つの表は、日本を代表するメディアの世論調査の結果です。これを見れば一目瞭然、安保法案は憲法違反であり、今国会での成立に反対する意見が圧倒的多数を占めています。世論調査で 60パーセント以上の支持を集めることは圧倒的支持と言っていいでしょう。

 このように世論調査に示された国民の総意を無視して、国会議員、政府与党は多数決で可決成立させようとしています。これは憲法で保障している国民主権を無視したものであり、到底許されません。

 政治家は、世論調査結果が有権者の意向を反映していることをよく知っています。選挙のときの事前調査の支持率は、非常に重要視しており、過敏なほどに反応しています。それは、過去の選挙での事前の調査結果と選挙結果が高い相関関係で出ているからです。

 したがって、今回のメディアの世論調査結果に対しても、政権与党は民意を反映していることを十分に承知していることは間違いないでしょう。都合のいいときだけ世論調査結果を参考にしたり利用し、都合の悪いときには無視するその態度は、幼児性の成熟しない政治手法であり、民主主義国家とは程遠い政権運営と言わざるを得ません。

 


久慈直登「喧嘩の作法」(ウエッジ)

 

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  知的財産の武器は知財の権利にある。特許、実用新案、商標、意匠、著作権、ノウハウ・・・。その権利をめぐる争いを著者の久慈氏は「喧嘩」と名付けた。いい名称である。

 著者は、ホンダ(本田技研工業株式会社)知的財産部長を務め、日本知的財産協会(知財協)専務理事、日本知財学会副会長を務める知財の世界でのリーダーである。その著者が、ホンダの知財戦略や係争事件を織り込みながら知財現場の話を達者な語り口で語って聞かせてくれる。

 日本の代表的な企業の知財専門家が、具体的な事例をもとに書いた知財本として優れた啓発書であり、知財活動を目指す若い世代の人たちは是非、これを読んでほしいと思った。

 ホンダ育ちの著者が語るので、ホンダの知財戦略や研修の様子や創業者本田宗一郎氏が他人の知財権利を尊重するエピソードも出てくる。これを読んで筆者は、苦い経験を思い出した。

 本田宗一郎氏にインタビューしたとき、本田社長はマン島でのオートバイレースで勝ったメーカーのオートバイ部品をばらして日本に持ち帰った話をした。若かった筆者は「そうして真似をするのですね」とうかつにも口走った。

 すると本田社長の表情がみるみる険しくなった。「真似するんじゃねえよ!それ以上のものを作るために持ってきたんだ!」。

   あの迫力に震えあがった筆者の苦い思い出がよみがえった。

 示唆に富んだ話が満載であるが次作を期待したい

 この本のタイトルにある「作法」とは、国際的に展開するときの国別、地域別、技術レベル別に、いかに取り組むべきかその戦略についてであり、示唆に富んだ話で埋まっている。韓国、中国の儒教思想や朱子学の行動原理との交渉術など著者ならではの話はためになる。

 日本は知財訴訟が極端に少ない先進国だが、その原因は知財協などのネットワークを通じた人脈で、当事者間で話し合って解決するからだという。なるほどこれは「知財談合」とも言うべき日本の産業界に根付いた「悪しき伝統」ではないかと筆者は思った。

 その一方で著者は、国際的に知財紛争が増えており、アメリカでホンダは原告となって訴訟を仕掛ける企業になっていることを語っている。さらに中国では、将来日本企業を巻き込んだ知財訴訟が増加するとの予測のもとに、法廷闘争を含めた訴訟スキルを磨くべきだとの主張も展開している。

 世界同時訴訟や知財訴訟の勝率を上げるための戦略など「喧嘩の準備」にも踏み込んでおり、修羅場をくぐり抜けてきた内容は、たいへん参考になる。

 ほかにもノウハウの戦略、パテントトロールの現況、ブランドマネジメント戦略、知財と税務の話など実務に即した内容は読みごたえがあり、知財部門のスタッフは参考になるだろう。

 ただ、日本のすべての企業がホンダのようになれるわけではない。著者は日本の知財世界のリーダーとしてベンチャー企業、中小企業から大企業まで知財戦略を俯瞰する立場にいるはずだ。

 日本が知財立国として国際的な存在感を出すためには、ホンダのような一部の大企業が勝てばそれでいいとはならないと筆者は思う。そのような視点で著者にはもう一度語ってほしいと思った。次の著作に大いに期待したい。

 


毎日新聞でも同じような悲惨な世論調査の数字が掲載されました。

 毎日新聞 2015年7月6日付け 世論調査結果です。

毎日新聞世論調査

 毎日新聞の世論調査結果の数字も、政権与党の安保法制化に国民は明確に「ノー」を突き付けました。
 これで日本経済新聞、読売新聞、毎日新聞という全国3紙の世論調査結果が、ほとんど同じ割合で反対しています。


 憲法が規定している国民主権の立場に立てば、安保法制化への断念は当然であり、国会議員主権は許されません。

 

 

 

 

 

 


国民の考えと大きく違う安倍政権の安保法制化と国会運営

 読売新聞の世論調査でも惨憺たる数字

読売新聞世論調査

 上の表は、2015年7月6日付け、読売新聞に掲載された世論調査の結果を表にしたものである。この数字は、先に掲載された日本経済新聞の世論調査結果とほぼ同じである。

 この2つの世論調査によって、いま国会で論議されている安保関連法案対する国民の考えがはっきりと出ており、安倍政権が目指すものとは大きな違いがある。

 自民党・公明党の政権与党は、大幅な国会延長を決め、安保法制を何が何でも国会で成立させようとしている。一方で国民は、安保法制に反対であり、政府の説明は不十分であり、この国会で成立することにも反対だ。

 日本は国民主権であり国会議員は、正当な選挙で当選した代議員であるはずだ。しかし現行選挙制度は、少数の国民が過半数の議員を選出するようになっており、正当な代議員制度にはなっていない。

 憲法は、一人一票、つまり人口比例選挙を要請しており、今の選挙制度は「違憲状態」と最高裁は判決している。

 世論調査は、国民の声を凝縮した形で出ている数字であり、国会の議員は少数有権者が過半数議員を選出したいびつな選挙区で選出された人々である。国民総意ともいうべき世論調査結果と国会議員の思惑は、当然違うものになる。

 憲法は国民主権であるとしているが、現行の日本は議員主権になっている。メディアの報道が議員たちの思惑と違うものであったり、反対するものがあれば「懲らしめたやる」と吠えている政治家である。

 このような政治家を選出する有権者にも大いなる責任がある。日本は、立憲国家として真の民主主義を確立し、国民主権国家を実現しなければ、いつまでたっても後発国、途上国スタイルの国家運営から脱却できないだろう。

 そこから抜け出るのは、国民の自覚にかかっている。

 

 

 

 

 

 



正当性のない政治家が世論を無視する異常な政権与党

日経世論調査結果

 この表は、2015年6月29日付け、日本経済新聞の世論調査結果の報道である。

 いま国会で緊張状態になっている安保関連法案に関する国民の考えは、採決を強行しようとする政権与党の考えを真っ向から否定している数字が並んでいる。筆者は長年、読売新聞記者をしてきたが、世論調査でこんな数字が並んだことは見たことがない。

 しかもこれらの法制は憲法違反の中で進んでいることは、歴代の法制局長官が表明している。東京新聞の報道が次のサイトで閲覧できる。

 http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2015062002000118.html

  それではなぜ、この法案の成立に気が狂ったように熱心なのか。いま何か日本にとってどうしても必要な法案として迫られている事情があるのか。誰に聞いても「ない」という回答だ。それは、この世論調査結果の数字によく出ている。緊迫した状況があれば、数字は違うものになる。

 いまの政治家、政権に与えられているテーマは、経済回復、産業競争力、知財強化制度の取り組み、少子化対策、科学技術創造立国の取り組み、教育制度の課題解決など身近な問題が山積している。それらのテーマに必死に取り組まないで、なぜ緊迫していない安全保障法制に血道をあげているのか。

 同じ日経新聞の世論調査で、景気回復を「実感せず」という回答が75パーセントを占めている。これは絶望的な数字であり、これを受けて政治は必死に対応策に取り組むべきである。

 安保法制は、安倍晋三氏の個人的な思い入れを実現しようとする思惑にあるに違いないといういくつもの証拠が出ている。憲法改正の発言もよく聞くが、憲法問題を言うなら最高裁が「違憲状態」と判決している選挙制度を真っ先に解決して、日本に真の民主主義を導入し、正当な選挙による多数決で政策を目指すべきである。

 安倍氏は、若い人たちとの討論の場で「はっきりいってみっともない憲法だ」と明言している。当時の連合国から押し付けられた憲法という主張である。しかし現憲法を読むと国民主権の民主国家であるべき条文であり、不戦の誓いが条文として明確に出ているのは世界で例がない憲法である。これこそ日本国家の真髄であり誇るべきであって否定することはない。

 それを都合の悪いことには取り組まず、喫緊の国民的な仮題にも取り組まず、個人的な政治的思惑を最優先させて必死の形相で強行しようとしている。

 自民党、公明党の政権与党の大半の議員も情けない。安倍氏の歓心を買うように、自分たちに都合の悪い報道をする「メディアは懲らしめる」という発言が出ている。都合の悪いものには強権力で押さえつけようとする発想は政治家ではなく幼児の発想である。

 憲法で要請されているのは、一人一票実現による正当な国会議員であり、国民主権である。そのような根本的な問題を解決しないで政治ごっこをやっている場合ではない。政権をチェックするメディアの生ぬるい報道はどうしたことか。これにも大いなる責任がある。筆者から見てまともなのは、東京新聞、講談社などいくつかのメディアだけである。

 このような政権運営とメディアの態度を許すわけにいかない。一人一票実現運動を主導する升永英俊弁護士の言う市民になって断固として闘うよりない。

 

 

 


「知的財産推進計画2015」を読み解く

 発明通信社に連載中の私のコラム(http://www.hatsumei.co.jp/column/lists/2.html)を転載します。

今年の「知的財産推進計画2015」が先ごろ決定し、内閣官房知的財産戦略推進事務局から発表された。知財立国を宣言して小泉内閣から始まった知財戦略計画は、今年で10年を迎えた。大きな節目である。

さる7月1日、弁理士の日の祝賀会がホテルオークラで開催され、知財関係者が多数集まって懇親と情報交換の場となった。このとき内閣官房知的財産推進事務局長の横尾英博氏が祝辞を行い、今年の計画の柱を2点に絞って説明した。

四国TLOと川崎市の知財事業の実績を紹介

第1は地方における知財活用の推進であり、中小企業の知財戦略や産学連携の推進である。第2は、知財紛争の処理システムの活性化であり、端的に言えば侵害訴訟の見直しと知財の司法改革を提起したものだ。

第1の柱である地方の知財活用となれば、中小企業の活性化につながっていく。日本には約385万社の中小企業があり、産業競争力の源泉になっているが、 IT産業革命を迎えて旧態依然とした技術と経営では国際競争力を持たなくなり、多くの中小企業が苦戦している。これを活性化させるための知財戦略の強化策 をあげている。

 推進計画によると大学発の研究開発の成果を企業と結びつけるために作った技術移転機関であるTLOの承認数は、2008年の48機関から現在36機関まで減少した。一時のブームにのって作ったものの機能しないため、店じまいするTLOが12機関もあったことになる。

こうした中にあって推進計画では、徳島大学の特許権実施収入が、わずか1年で前年度の32.6倍、1億1486千万円まで増加させた株式会社テクノネットワーク四国(四国TLO)を紹介している。

同社の提携は、徳島大学・香川大学・愛媛大学・高知大学・高知工科大学など四国内にある20大学・高専となっている。工学・理学・医学・薬学・歯学・農学 など幅広い分野をカバーしており、四国だけにとどまらず山口・岡山・広島・長崎・鹿児島・宮崎・沖縄TLOとの連携協定をして活動の輪を広げている。

これまでの製品化事例として「子供から大人まで楽しめるピースを組み立てる遊具」、「内視鏡誘導補助具・エンド・レスキュー」、「ビワ種子由来エキスを応 用した製品」、「アフラトキシン検査キット」、「ヒドラジン分解技術による大量標準糖鎖調製」、「100%米粉パンの製造方法」など多彩な活動事例を発表 している。 (http://www.s-tlo.co.jp/club/markets/product/)

また川崎市では、大企業の保有する知的財産を中小企業に開放し、それを活用して中小企業が事業展開を行う支援を行っている。知財ビジネスマッチングであり、本格的に取り組んだ自治体として紹介している。

 


上の図は知財戦略推進計画から転載

社会起業家を育成するビジネススクールの社会起業大学(田中勇一理事長)が主催する『ソーシャルビジネスグランプリ 2014夏』において、川崎市経済労働局、公益財団法人川崎市産業振興財団、藤沢久美氏(シンクタンク・ソフィアバンク代表)などによる中小企業支援活動 が「政治起業家部門」においてグランプリを受賞している。 (http://www.city.kawasaki.jp/280/page/0000061040.html)

政府は、地方の中小企業が積極的に知財を活用した企業活動に乗り出すように支援を続けるとしており、地域の中小企業・大企業、地域の大学と産業界の連携を活性化させるための橋渡し支援基盤を整備していく方針を打ち出している。

知財紛争処理システムの活性化

これまでもたびたび指摘されているのは、特許侵害訴訟件数が日本は非常に少ないことだ。対GDP比で見ても、欧米の主要国に比べて少ないし、中国のほぼ 10分の1程度である。また権利者側の勝訴率もアメリカ、ドイツに比べて低いこともよく知られている。権利を持っていても保護されないなら、特許出願も登 録もしなくなる。

権利者の勝訴率が低いのは、国の知財体制が権利を守ってくれないということになり、外国企業は日本で特許権利を取得しても価値がないとしている。

先月、韓国に行った際に韓国特許事務所の所長と意見交換をしたが、韓国の企業の間でも日本に出願・登録しても正当に守ってくれないので出願することを躊躇している企業が出始めているという。特許出願件数の減少は、こうした事情も加担していることになるのではないか。

また権利者が中小企業の場合、大企業に比べて訴訟に勝てない傾向がはっきり出ている。中小企業は資金力が脆弱なために有名知財弁護士や一流法律事務所などに依頼することができず、法廷闘争では打ち負かされることが多い。

特許技術の内容ではなく、法理を駆使した文言・レトリック勝負になっていることも問題として指摘されている。

今年の戦略計画では、これまでタブー視されてきた司法の判断にまで踏み込み、次のような問題点を述べているので簡潔に整理してみた。

1.    日本の特許権侵害訴訟の件数は、先進国の中でも極めて少ない。

2.    権利者側の勝訴率もアメリカ、ドイツに比べて低い。

3.    中小企業の勝訴率は大企業のそれに比べて低い。

4.    権利者による侵害立証が困難である。(これでは「侵害し得」になる)

5.    裁判所で認める損害賠償額は、ビジネス実態ニーズを反映していない。

このような具体的な課題を列記して司法判断に改善を求めたのは画期的である。是非、関係機関は改善し、知財立国へのリスタートとしてもらいたい。

 

上の図は知財戦略推進計画から転載


日本弁理士会の日の記念祝賀会

  7月1日は弁理士の日である。筆者は、1990年代後半から日本弁理士会とはお付き合いがあり、多くの先生方から知財の基本をご教示受けた。

 弁理士の国家試験は、司法試験と並んで日本でもっとも難関国家試験とされている。特許が主体の分野なのでどうしても理系の人が多いが、意匠、商標になると文系の活躍の分野でもあり、最近は理系、文系関係なく多くの有意な人材が弁理士試験をパスして活動している。

 この日のパーティでは、どうしても年配の先生方との交流になってしまう。それでも多くの情報交流があった。中でも関口知財特許事務所の開口宗昭先生の話は、世界が国際化で大きな潮流になっている時代になっているのに、日本は立ち遅れているのではないかという話で盛り上がった。

 開口先生は、主として富山県砺波市のオフィスを拠点にしているようだが、最近、中東諸国での知財の動きを話していただき、非常に参考になった。

 弁理士はいま、世代交代の時期になっているというのが筆者の実感である。古い人たちから若い人たちへ、、その世代交代がうまくいっていない。70歳代の先生方はリタイアして次の世代にバトンを渡すことも重要ではないか。

 この日の懇談で、ある人が語った「私たちのライバルは、若い世代だ」という言葉はとても印象に残った。世代がライバルとは、あらゆる世界で通じる話である。がしかし、これが遅々として進まないのが日本である。楽しくも課題を再認識させたパーティでもあった。