PEACE BOATで世界一周の旅ーその34
2024/06/07
ヨーロッパ最大級の氷河が作るフィヨルドを船上から見学
今回はスエズ運河航海を断念してアフリカ大陸最南端を回った航海になったため、ヨーロッパの魅力ある国への寄港が出来ませんでした。そのためもあって、フィヨルドの船上見学は楽しみの一つに浮上していました。ノルウェーのベルゲン港を出港した後、船は観光の拠点になっているフィヨルドに入り込み、船上から360度迂回して景観を見せるというのです。その様子は、12階のプールを囲んだ空間に乗船客が集まり、集合記念写真を撮るという趣向です。
甲板に出てみると寒い寒い。前日、購入したフード付きウインドブレーカーで凌ぎました。背景に見えるのがフィヨルドで露出した陸地ですが、曇り空でやや霧もかかり、よく見えません。甲板の天井には、スクリュー付きの大型救命ボートが設置されているのが見えます。
フィヨルドに船が入り込んだころ、船の7階の1周500メートル強の甲板廊下に出て、フィヨルドで出来た陸地の景観を見て歩きました。途中で、乗船している日本将棋連盟の棋士、高田尚平七段と出会い、甲板で記念写真を撮影しました。
この地域の天候は、晴れたり曇ったり、雨が降ったりやんだりと山の天気と似ています。気温は日本の冬並みで風も強い。冬支度をしてこなかった筆者は、ベルゲンでフード付きウインドブレーカーを購入しました。厳しい冬をしのいでいる国の製品ですから、日本で見るウインドブレーカーとは全く違ったもので、流石によく出来ています。購入と同時にスーツの上から着てみたら、別天地のように保温効果がありました。
船はフィヨルドの名所へと入っていきました。ノルウェー南西部にあるフィヨルドで、全長113キロメートル、最大水深564メートル。ヨーロッパ最大級の氷河から出来たノールフィヨルドです。午後6時半から、12階の広場に行って見ると乗船客が集まっていました。
モヤにけぶるフィヨルドの景観です。天気(自然現象)次第の景観というのもオーロラに似ています。
薄日の差す天気と思いきや、5分後には曇りになり数分後には雨から氷雨になり震え上がりました。船が旋回を始めた時に合わせての記念写真でした。海上に開放された空間です。風があるし体感温度は5、6度ですから、前日、ベルゲンで買い込んだフード付きウインドブレーカーにマフラーを巻いて参加しました。
船の12階広場に集まって集合写真の撮影です。船が旋回して360度の景観を見せるという趣向でしたが氷雨の中で震え上がりました。
フィヨルドは、数万年もの時間をかけてつくられた氷河が自身の重みで斜面を滑り落ちながら地面を深く鋭く削り取り、深い谷を形成するのです。氷期の終わりごろ(約1万2000〜1万5000年前)に氷が溶けて海面が上がったため、深い谷の一部が海に沈むことでフィヨルドができたという説明でした。
急に気温が低下してきたので、早々に集合写真を撮影すると、退散する人が続出してきたので筆者も早々に帰宅(部屋に戻ることを帰宅と言うようになってきました)。部屋の窓からフィヨルドに別れを告げていると、空は明るくなり、なんと薄日も差してきました。向こうに見える陸地では、色とりどりの家が見え、どこもかしこも緑の山と稜線がきれいな景観を作っていました。
この日の日の入りは23時19分ですから、まだまだ日は高いのです。いよいよスカンジナ半島から離れてアイスランドへの航海が始まりました。