PEACE BOATで世界一周の旅ーその32
PEACE BOATで世界一周の旅ーその34

PEACE BOATで世界一周の旅ーその33

冷涼明媚なスカンジナビア半島に接岸

ロンドンから北上してスカンジナビア半島随一のベルゲン港に接岸されました。ノルウェーの首都オスロに次ぐ第二の都市であり、昔はヴァイキングの拠点でもあり、その後は交易都市として栄えてきた港です。今回の旅では、最も寒い地域に上陸するので、防寒には気を遣いました。次の寄港地のアイスランドは、もっと寒くなりそうです。

ノルウェー人は背が高い。第一印象がそれでした。男女とも金髪・碧眼でプロポーション随一の民族です。有名なベルクマンの法則では「恒温動物は寒冷に生息するほど体重が重くなる」とありますが、人間もクマやシカ類も野鳥も同じです。動物はすべて北方にいくほど同じ種でも大型になります。筆者が札幌に転勤でいたころ、スズメ・カラスの類いからすべての生息動物は、同種でありながら本州のそれよりも大型であり、ベルクマンの法則を知ったことを思い出しました。

ベルゲンは、その昔はヴァイキングの拠点のひとつであったようで、その後は海洋商業都市として栄え、ドイツのハンザ商人で形成していたハンザ同盟都市となって、スカンジナビア半島地域の仲介交易を独占していました。港湾に面した地域に、その歴史をとどめる古い建物と独特の商圏都市の風景をいまなお残しており、ユネスコの世界遺産にも認定されています。

IMG_6739船の窓から見た最初の光景は息をのむほどきれいでした。

タラ料理を食べ歴史を知る

バスを降りるといきなり魚市場に案内されました。タラ、カニが山と積まれ、北方海域で採れた豊富な海産物は日本向けにも輸出されています。日本ではタラちり程度でしか食べていませんでしたが、こちらではタラのムニエル、スープ、フライなど豊富なレシピがあることを知り、いくつも食べましたがこれが例外なく美味しい。料理法によってこんなに違うことを知り、この魚を見直しました。帰国したら、タラ料理を習熟したいと思ったほどです。

IMG_6761街並みは清潔感があり、多くの観光客と一緒になりました。
ベルゲンの歴史は、火災の歴史そのものであることも知りました。商都として栄えた1000年ほど前から商圏を巡る紛争や略奪、海賊襲来などで火を放たれることも多く、のたびに教会はおろか木造建築物はあらかた焼失していたと言うことです。

IMG_6741日本の魚港とは違った風情がありました。

イギリス、オランダ、ドイツとの交易や大戦による敵対関係の戦争もありましたが、その後の復興で建てられた家屋は、やがて近代的でモダンな北欧文化を体現したような瀟洒な住宅や建築物になりました。世界遺産になるほどの美しい景観をつくったのです。

IMG_6744 (2)ケーブルカーで昇った山頂から見た雄大な景色は素晴らしいの一語で、しばらく見とれました。この景観を見に来る観光客が大勢来ており、写真撮影に追われましたが、絶景とはこういうものかと思いました。やはり実際に眼にする景観はとうてい写真などでは表現できないものでした。

山頂に、バカでかい奇妙な人形があり、大人気でした。筆者もちゃっかり子どものように握手してきました。

IMG_6757ノルウェー伝説・トロール人形と握手。怒らせるといたずらをするが、大切にすると幸せを運んでくる巨大なトロール人形でした。今もなお、ノルウェーに生き続けているそうです。

作曲家・グリークの家を訪問する

港街からバスで移動して、大作曲家エドヴァルド・グリークの家を訪問しました。グリークについては、筆者が中学生時代から姉の影響で、組曲・ペールギュント、ピアノ協奏曲などさまざまな名曲を聴いていたので、とりわけ親近感がありましたが、ノルウェー人とは知りませんでした。

IMG_6768

行って見ると丘の麓から始まるこんもりした森の中に、緑に包まれた瀟洒な家があり、小さな博物館になっていました。グリークが作曲していた部屋もそのまま保存されており、ピアノ演奏家としても名を残したグリークのピアノもありました。

この家の前方には湖が見え、緑の濃い森の中に息づく芸術家のたたずまいを感じました。あの爽やかなペールギュントの出だしの朝が、すぐに筆者の中で演奏が始まりました。誰でも一度は聴いたことがあるあの曲です。筆者は数え切れないほど聴いてきた曲なので、心の中でも自然と鳴り出しました。この名曲もこの森と湖の中で作曲されたのでしょうか。感動してしばらくたたずみました。

IMG_6766グリークが今、そこにいるような雰囲気の部屋でした。

コメント

フィード コメントフィードを購読すればディスカッションを追いかけることができます。

コメントの確認

コメントのプレビュー

プレビュー中です。コメントはまだ投稿されていません。

処理中...
コメントを投稿できませんでした。エラー:
コメントを投稿しました。 さらにコメントを投稿する

入力された文字と数字は画像と一致していません。再度入力してください。

最後に、下の画像の中に見える文字と数字を入力してください。これはプログラムを使ってコメントを自動的に投稿するのを防ぐために行われています。

画像を読み取れない場合は 別の画像を表示してください。

処理中...

コメントを投稿

アカウント情報

(名前とメールアドレスは必須です。メールアドレスは公開されません。)