PEACE BOATで世界一周の旅ーその11
PEACE BOATで世界一周の旅ーその13

PEACE BOATで世界一周の旅ーその12

囲碁・将棋大会の参加

日本人の娯楽の中でも古くから伝統を引き継ぐ囲碁・将棋ですが、船内でも娯楽室に碁盤・将棋盤が並んでおり、いつでも相手さえいれば楽しめます。隣接して麻雀卓も9個も並んでいます。

5月3日の憲法記念日には、船内の囲碁・将棋大会が開催され、そこに参加しました。筆者はどちらもたしなみますが、この数十年、どちらもやったことがありません。多少、腕に自信のある将棋の方に参加することにしました。

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将棋1

将棋大会に参加してきた6人の女性

行ってみて驚きました。囲碁の参加者は、たった8人、それに対し将棋は22人もいました。将棋界のヒーロー、藤井聡太8冠ブームを見た思いですが、さらに驚いたのは囲碁の女性参加者が1人に対し、将棋には6人もの女性参加者がおり、その中に外国人の若い女性がいたことでした。

昔から囲碁は女性向き、将棋は女性には無理という話が言われてきました。理由は、将棋は切ったはったのあげくの勝ち負けなので、激しい闘いになり女性には向かないというもので、筆者もてっきりそう思っていました。

将棋2女性観戦者が目立った将棋大会

しかし将棋のプロの世界では女流プロの活躍はめざましく、近年は女流プロのトップクラスは、男性棋士と同格で闘える女性が出ています。ブームとは恐ろしいと思いました。勝負はトーナメント方式ですが、筆者は問題なく準決勝まで進みました。2回戦で女性とぶつかりましたが、これもなんなく退けての準決勝進出であり、ま、優勝も可能かなと自信らしいものがでていました。それが問題でした。

あまり考えずにすいすいと指し始めた準決勝ですが、序盤を過ぎたところで明らかに不利な局面になっていることに気がつきました。お相手は後期高齢者かなと思えるいわば「同輩」に見えたのも緊張感を生まなかったのです。振り飛車戦法の定番でしたが、久しぶりに指したので、途中で昔習った定石を思い出してみると、明らかに術中にはまっています。作戦負けです。お相手はやにわにスマホを持ち出し、盤面の写真を撮っています。

ははーん、敵の投了譜面の撮影か。こうなると一気に戦意失墜です。潔く「負けました」と言って投了しました。取り囲んでいた人たちがあっと驚き、一斉に声が上がりました。勝負はこれからと思っていたのにいきなり投了です。普通に指せば、不利が拡大するので、どこか勝負どころで仕掛けて逆転を狙えば戦えないこともありません。得意の逆転劇かあと心の中で苦笑し、しかしお相手の方に花束を投げるのもいいかなと思って投げました。

局後の感想戦になれば、講評するプロ棋士の解説が目に見えていますので、別のセッションに参加するふりをして早々に退散しました。悔しさがあったのです。翌朝、偶然に朝食のテーブルに将棋大会を主催したプロの高田尚平・棋士と同席となりました。「昨日はどうも・・・」と曖昧な笑みで挨拶すると、高田先生も覚えていて「あれは相当の棋力がないと投げません。お強いですねえ」とヘンな褒められ方をされました。「観戦していた方々は、なんで投げたのか分からなかったでしょうが・・・」と言ってくれました。その言葉で、なんだか勝負に勝ったような気分になったのですからおかしなものです。

若者が夢と希望も持つこととは何か

将棋大会を早々に退散して「若者が夢と希望を持てる社会とは」というセッションに参加しました。タイトルから若者が多いだろうと思っていたら、シニア階層が多いので意外感がしましたが、乗船客はほとんどがシニアなので当たり前の現象です。5人の若者がそれぞれ夢を実現する体験を語り、フロアのシニア層からコメントや体験談が出てきました。

若者1

若者は、自由に学びたくて外国へ行った体験話、女性のジュニア層といっても30歳代ですが、苦労しながらもやりがいのある保健教師や留学体験者の話が続きました。フロアからのシニア発言者は、男女とも教師OB、OGであり、教師という職業に誇りを持ちそれなりに評価され、リタイア後も社会貢献で活動している方であり、改めて教師というのは聖職とよばれるにふさわしい職業だと感じました。

 そこで感じたことを端的に一つだけ言うと、若者の夢と言っても、夢は与えるものではなく自ら行動を起こして自ら摘み取るものだと気がつきました。つまり、自ら判断して行動力を培うように教育することが教師の役割ではないか。教えるのではなく、気づかせる。その気にさせる。判断力を磨かせる。これが教師の本務の重要な部分ではないかと思いました。

若者2

そんなことは当たり前と言われそうですが、門外漢が感じた素朴な感想なのだろうか。このテーマについて、船には多数の教員経験者がいるので、これから話題が尽きないなと思いながら構想研究会でのテーマになると思い始めていました。

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