PEACE BOATで世界一周の旅ーその11
2024/05/03
イベルメクチンを知らない人が多い
2015年、大村智先生がノーベル生理学・医学賞を授与されたイベルメクチンについて、食事の際にテーブルが一緒になった方々に、それとなく聴いてみました。半分以上の方が「知らない」という反応でした。これにはびっくりしました。コロナ感染症がパンデミックに指定され世界が恐怖におののいていたころ、インドなど世界の多くの国々でイベルメクチンを投与して一時のピンチを切り抜けたなどのニュースを知っている方は、1人もいませんでした。
厚労省は、早い段階からイベルメクチンは、コロナに対して適応外で投与することを認めていました。世界各国で効いている証拠を重視したからです。副作用もほとんど報告がない。臨床試験はどの国でもやっていませんが、その時間がなかったから、緊急的に使ったものでした。
インドでは、連日、感染者と死亡者が爆発的に広がっていました。治療薬も予防薬もない。治療装置として人工心肺装置(ECMO)がありますが、これはほとんどの病院にない。コロナに感染して重症化していくことは、座して死を待つようなものだったのです。
途上国など多くの国で臨床治療にイベルメクチンを投与して改善したり、予防に有効だったという論文が多数でていたころです。国はイベルメクチンを治療薬として認めていないが、各国の医師たちはそれを破って投与を始めたのです。
イベルメクチンがコロナ予防・治療に効果があることをアメリカの臨床医たちのグループ(FLCCC)がネットで発信し、投与の仕方まで公表しました。こうして世界中でイベルメクチンがコロナ予防・治療、後遺症対応策に使われるようになったのです。
こうした世界の動きと日本の対応については、船に乗っている方々にそれとなく聞いても、ほぼ誰も知りません。そこで筆者は、日本でイベルメクチンのコロナ予防・治療に使われなかった実態を、事実だけ示して話をしました。50人ほどの方が会場に来てくれましたが、1時間20分の長時間を聞いていただき、終わった後も多くの人に囲まれて、質疑応答を行い、そのままランチへと流れ込んで行きました。
イベルメクチンのコロナ予防・治療について、世界で展開された事実と日本政府と厚労省がとってきた対応策について事実だけを講演で話をしました。聴者の皆さんは、ほぼ何も知らなかったことに大変びっくりされており、日本政府が国会で答弁していた内容も、単なるポーズであり、実際には何も行動を起こすことがなかったことにもびっくりされていました。
筆者の講演の狙いは、こうしたことを暴露するためではなく、過去の事実を総括して歴史的な事実を検証することをしなければ、史実は曖昧になり責任は誰もとらない国のままになっていくことを、みんなで考えるべきという課題を提起することでした。
講演の締めくくりでもこれを強調し、公文書管理のずさんさが行政の責任の所在を曖昧にし、進歩のない国の業態がいつまでも続いていくことを強調しました。これにも講演終了後にきちんと受け止めていただいた方々がおり、是非、次のテーマを聴きたいという希望までいただきました。
イベルメクチンとコロナについての世界的な総括は、まだ終了していません。この総括研究では、イベルメクチンを発見した日本が最も進んでいる国の一つであり、発見者の大村智先生とその共同研究者らの業績は、国際的にも高く評価されています。
帰国したらイベルメクチンについての総括討論を、認定NPO法人21世紀構想研究会でもしなければならないと強く思いました。
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