決断と実行できない政治は無能である
2020/12/13
「GO TOトラベルキャンペーン」を続行するかどうか、限定的にするのか、はたまたやめるのかどうか。小手先の施策検討をめぐって連日、メディアが官邸の動きを報道している。一方でメディアは、国民にインタビューして政府施策の賛否の意見を言わせるだけであり、国民は何の対応策もできないまま、毎日感染症者の数を見て暗澹たる気持ちになるだけである。
ドイツのメルケル首相が、この難局を越えようと絞り出す声で国民を説得する演説をネットで見て、感心しているだけの日本人は情けない国民である。隣国・地域の台湾、韓国、中国はどうなっているのか。感染者数を見ると中国9万弱、韓国4万強、台湾千人以下に対し日本は18万人弱。いつの間にか日本だけが突出している。信じられないことだが、日本は中国の2倍、韓国の4倍強の感染者数になっている。
日本の感染防御態勢が、隣国の対応とは違うことがこれでわかる。でなければ日本人はこの地域では、突出して新型コロナウイルス感染に弱い民族であることになる。感染対応策と経済活動との調整というのが政府の言い分だが、毎日増え続ける重症患者数が医療崩壊につながった場合、どうするのか。
「医療崩壊につながった場合は、明確に責任の所在を明らかにする」と政府が明言し、確信をもって政策を進めることを国民に求めるなら、それも政治的決断であるが、そう言うこともしないまま、ただ、国民の自粛期待と一方で経済活動の名のもとに中途半端な政策を遂行するのは、単に決断と実行ができない政府ではないのか。
小手先で中途半端な施策をしないで、決然と政策実行の内容を首相が国民に示し、理解と忍従を求めなければ、単に権力に唯々諾々と従うしかない戦前の日本人と変わらないことになる。
歴史的事実から検証すると、決断も実行もできない政府は無能である。日本はいま、その瀬戸際に立たされている。
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