守りに入った安倍政権は国民不在に傾斜か
主権者(国民)の見解と真逆の国会議員の多数決

国民主権を踏みにじった与党の強行採決

 国民主権を踏みにじった与党の強行採決

 自民・公明の政権与党による安保法案の強行採決と法案成立は、世界の政治史に残る恥ずかしい政治行為でした。NHKの世論調査によると、採決直前で国民の58パーセントが「安保法案の議論は尽くされていない」とし、「議論が尽くされた」という国民はたった6パーセントでした。

 この世論調査が、強行採決直前のとかく「安倍寄り」と言われているNHKの世論調査ということに注目したいと思います。

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  このような」調査結果を無視し、国会議員だけの多数決で法案を成立させるのは、国民主権ではなく議員主権にほかなりません。これは日本が民主主義国家になっていないことを世界に知らしめたことになるのです。

 慶応義塾大学の小林節・名誉教授は、「これは憲法の解釈を超えているもので、憲法破棄、憲法違反の何物でもない」とNHKテレビで憤っていました。

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 NHKの世論調査では、安保法案が憲法違反とした人が32パーセントもあり、違反でないと回答した人のちょうど2倍になっています。

 

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 安倍氏の思惑と選挙対策で急いだ暴挙

 日本はいま、経済活性化、少子高齢化、地方の建て直しと活性化、年金、科学技術振興政策など国家的に取り組むべき重大な課題を抱えています。ところがこのような課題を棚上げし、いま緊急の事態になっていない安保法案を長時間かけ最優先で国会にかけ、エネルギーを使い果たしている政権は、馬鹿げた政権ではないでしょうか。

 これでは安倍氏の思惑を単に実現している途上国型の国家と言わざるを得ません。なぜ、こんなに急いでやるのでしょうか。筆者の分析では次の2点に集約できるでしょう。

 第1は安倍氏の未熟な政治思想と政治思惑です。裕福な家庭で育ち、苦労もなく国会議員になり、日本人の多くが艱難辛苦の体験で生き残ってきたその状況を骨身にしみて理解していないことでしょう。

 そのような成育史のなかで、苦労を知らない偏った環境と裕福な家庭環境の中で出来上がった政治信条と思惑は、戦後日本社会の中では右傾化されたものとして残るのです。なぜなら、苦労を知らない人々、歴史認識をきちんとしていない人々が単純に考えると、戦後の日本は正しい道を歩いているし謝罪のしすぎだという客観的な右傾化思想、右傾化人間になるのです。だから本人は右傾化とは思っていないのです。

  憲法違反とする国民を無視した政権与党

 前述したように、強行採決直前のNHKの世論調査では、安保法案を憲法違反とする人が32パーセントであり、違反でないとする人のちょうど2倍もあるのに、それでも強行採決することは国民の考えを無視する代議員ということになります。これ自体もはや国家の体裁をしていないことになります。

  では、なぜ強行採決を急いだのか。それは来年7月の参院選挙を控え、国会審議に時間をかけていると政権与党の体制が不利になり、野党を勢いづかせて参院選挙も負けると思ったからです。ここにも国民主権ではなく議員主権という考えが露骨に出ています。

 解説したNHKの政治部デスクは、大変、的確な見解を述べていました。

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 法案は憲法違反でありこれから訴訟が提起される

 成立した安保法は、明らかに憲法違反です。安保法を国会に上程して成立を図るなら、まず憲法改正をし、法律を整備したうえで安保法を成立させるべきです。

 ところが、憲法改正が極めて難しいと判断した安倍氏らは、憲法の解釈を内閣で行うという法治国家にあるまじき行為を行い、前のめりに安保改正に執念を燃やす安倍氏の意向通りに安保法案を成立させました。これは独裁者の国家に等しいものであり、国際社会では恥ずかしい政治行為でした。

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 このような政治家を選んだのは有権者です。恥ずべきは国会議員ではなく、このような人物を有り難がって選んだ国民ということになるでしょう。

 

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