主権者(国民)の見解と真逆の国会議員の多数決
2015/09/24
参院で可決した安保法に対する国民の見解は、恐ろしいほど政治の現場とかけ離れている。
可決直後に主なメディアは一斉に世論調査を行った。その回答をまとめて一覧表にしたものである。
これを見ると安倍内閣の評価は、どのメディアも支持しない方が多数に出ている。
安保法案の今国会成立、法案の説明も反対、不十分が圧倒的多数に上っている。このような世論調査結果は、法案が国会に提出されたときからほとんど変わっていない。世論調査は、言うまでもなく有権者の縮図である。だから実施する意味もあるし報道する意味もある。
特にこの数字で注目したいのは、法案の説明について80パーセント前後の国民が「不十分」と回答していることだ。80パーセントは、世論調査では、ほとんどの人ということだ。この数字も、以前からほぼ動かない数字で世論調査結果は推移してきた。
それでも自民・公明の政権与党は、国民の声を踏みつぶし、多数決で可決成立させた。これは一党独裁にも似ている政治運営であり、独り政治家だけが悦に入っていることになる。今回の場合は、ひとり安倍晋三氏の狂ったような法案成立への悪魔のような執念に引っ張られたということだ。その限りでは、安倍独裁国家と言っても間違いではないだろう。
言うまでもなく主権者は国民である。国会議員は単に、主権者を代表する代議員でしかない。選ばれたものが自覚するべきは、主権者からの付託を重んじ、謙譲の精神を持たねばならない。それが国会議員になったとたん、あたかも自分たちが主権者のごとき錯覚に陥り、やりたい放題するというのでは代議員制度が破たんし、多数決で物事を決する民主主義制度が破たんしていることになる。
国民の見解が国会の多数決に反映されないで、まったく逆のベクトルで政治が決まっていくのでは日本国民はバカを見ていることになる。国民の総意が国会の総意にするためには、政権与党を降りてもらわねばならない。国民は、選挙で仕返しをしなければ、このような未熟な政治風土はいつまでたっても変わらないだろう。
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