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驚異的に進化する中国社会

 家族付き合いの中国人の友人 

 今から15年前に知り合った中国北京の旅行業者の邢鋼さんとは、親戚付き合いである。北京に行けば私の大好きな水餃子のお店でゆっくりと懇談し、東京へ来れば居酒屋へ繰り出して楽しい懇談になる。

 15年前、北京に行ったときは、道路建設、ビル建設が始まったばかりであり、街中が混とんとしていた。世界のブランド品のデッドコピーが、これ見よがしに店頭に積みあげられ、観光客はニセモノ買いを楽しんでいた。筆者もニセモノツアーなるものを企画して、30人ばかり引き連れて北京を歩き回った。

 混とんとしていた中国は、あっという間に追いついてきた。進展したものでもっとも顕著なのはIT関連のツールと手段の使用である。インターネットモールは、世界トップの規模に成長し、携帯、スマホ、メールが驚くほど進化した。

 中国版ラインの威力を実感

 本日、邢鋼さんと懇談したが、中国のラインと言われているWeChatアプリを教えてもらい、すぐに交信した。ラインとまったく同じ機能をもったインターネット交信ツールである。アプリをダウンロードしたらすぐに、東京理科大学知財専門職大学院当時の教え子で中国と台湾、日本にいる中国人、台湾人らから多数のメールが来た。

 これには本当に驚いた。邢鋼さんの解説によると、中国人の多くがこのアプリで日常的に交信しているそうで、中国に行ったらこれで不自由なく情報交換できるという。中国でラインはつながらないが、その代わりWeChatはつながる。中国の国策に違いないが、その戦略には舌を巻く。

 このようにIT関連技術の普及は、中国社会をあっという間に先進国を追跡し、追いつき、追い越そうとしている。中国社会が成熟し、生活レベルが上がっていくことは、日本にとってもいいことである。

 

 1週間で一人平均100万円の爆買い

 邢鋼さんは今回、30人ほどの中国人ツアー客を引き連れて来日し、日本の観光を先導しているのだが、今年中に中国から300万人を超える観光客が来日するという。邢鋼さんが引き連れている中国人観光客はかなりの裕福層だが、1週間の滞在中に一人平均100万円を日本で使っているという。驚きである。

 経済的に成功した裕福層は、中国社会の進化の側面になっている。科学技術も大学の産学連携も知的財産制度も中国はあっという間に追いついてきた。筆者は15年前から60回ほど中国に渡航して中国社会の変転ぶりを見てきたが、過去を振り返って今を見ても驚きの一語である。

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 写真は、邢鋼さんからのお土産である。このようなお菓子類も、甘さ控えめになり日本の味に近づいてきている。中国の空港で売っている高くてまずいお菓子類、お土産類は、間もなく売れなくなるだろう。空港の免税店は利権とワイロの巣窟と聞いたことがある。日本人観光客が最大のカモとも聞いている。だから筆者は、空港では買ったことがない。

 

 日本の実態を知らない中国人の若い世代

 もう一つ、中国側の課題は、若い世代が日本を理解していないと邢鋼さんは嘆いていた。中国で垂れ流されている反日ドラマを信じ込んだ若い世代は、日本嫌いになっている。しかし来日して様々な体験をすると日本を見直し、たちまち日本ファンになっていくという。

 これは日中間の政治的な摩擦が生み出しているひずみだろう。それを超えていくのは民間交流である。そんなことを邢鋼さんと話し合い有意義な飲み会だった。

 

 

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