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「第8回学校給食甲子園大会」の地区代表表彰式の開催

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 今年の学校給食甲子園大会は第8回目を迎えるが、西日本の地区代表表彰式が、10月12日、大阪市内のホテルで開かれた。西日本の県代表となった30人 (2人が欠場)が出席し、ブロック代表12校(学校給食センター)と、さらにそこから絞られた決勝戦大会出場校の6校(同)が発表された。

 決勝大会は12月7日(土)、8日(日)の両日、東京・豊島区駒込の女子栄養大学駒込キャンパスで開催される。決勝戦に出場する西日本代表6校(同)は次のとおりである。

 岐阜県大垣市北部学校給食センター(山崎香代先生)

 大阪府泉大津市立上条小学校(武田綾先生)

 香川県高松市立国分寺北部小学校(下岡純子先生)

 愛媛県新居浜市立大生院小学校(武方和宏先生)

 長崎県平戸市立中南部学校給食共同調理場(石田美穂先生)

 鹿児島県屋久島町学校給食東部地区共同調理場(西野間かおり先生)

 今年も公正厳正な第4次審査までで絞り込まれたもので、いずれの代表も素晴らしい献立である。東京で開催される決勝大会では激戦になるのは間違いない。

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 発表と表彰式のあと、代表6人はゼッケンを身に着け、写真のように健闘する決意をポーズで表現した。写真は右から岐阜県→鹿児島県までの代表順である。

 

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 発表後に話題となったのは、写真の2人である。愛媛県代表となった愛媛県西条市立神拝小学校の武方美由紀先生と新居浜市立大生院小学校の武方和宏先生が母子であることが分かったことだ。

 決勝大会には、ご子息が出場することになるが、甲子園大会では初めての嬉しい母子代表だった。決勝大会出場の選手たちは、それぞれ決意表明を行ったが、これから大会開催までに研鑽することを誓ってこの日の表彰式は終了した。

 東日本代表の発表と表彰式は、10月14日に行われる。この発表で第8回大会の決勝戦代表12が決定する。

第4回食育の在り方に関する有識者会議

                                                

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 日本の食の文化を引き継ぎ、教育現場での食の在り方を検討する第4回「今後の学校における食育の在り方に関する有識者会議」が、10月3日、文部科学省 で開催され、先に策定された中間まとめをもとに、スーパー食育スクール(SSS)事業の展開や食育推進について意見を出し合い討論を行った。

 これまでの3回の会議で討論した内容は「中間まとめ」として発表しており、第4回会議ではSSS実施についての内容や方向性について各委員から提案を出しあった。さらに食育推進について指導内容や学校給食の充実、食育教科書の内容などについて具体的な提案をし討論した。 

 文部科学省が来年度から実施する予定のSSSの事業内容については、ファイルにある通り、全国32か所で展開するものである。

<SSS事業について="http://babarensei.coolblog.jp/blog/%EF%BC%B3%EF%BC%B3%EF%BC%B3%E4%BA%8B%E6%A5%AD%E6%A1%88.pdf">

  目的は、食育のモデル実践プログラムを構築することで、全国の学校における食育の底上げを図る事業としている。小中高校が大学や研究機関、企業など各種外部機関と連携し、科学的な視点を加味したプログラムを開発することを目標にしている。

 SSSに指定されるには、次ような要件が課せられる。

 小中高校を対象に、実践中心校を指定する。原則として栄養教諭が配置されており、栄養教諭を中核とした食育推進事業を策定して申請するように求めてい る。たとえば、食と健康、食とスポーツ、食と学力、給食の充実などの事業プランがあげられており、1か所あたり上限1000万円程度を予定している。 指定期間は1年としているが、最長3年まで延長も可能としている。

 こうしたモデル事業を実現し実施する過程で、食育の理解度を高め、質の高い食と教育と文化を実現することが狙いになる。どのような世界でも10年経てば それなりの進展がある。それは日本人の知恵でもある。このような事業を通じて、食育、学校給食、学校教育でも必然的にレベルアップになることは間違いな い。

 SSS事業を実施することで、全国の栄養教諭、学校給食関係者、教育関係の人々だけでなく、一般の人々にも啓発していくことができるだろう。

 

学校における食の安全に関する実態調査委員会の開催

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 安全でおいしい学校給食を提供するには万全の体制で臨まなければならない。そのためには調理場の整備はもちろん、日常的な衛生管理、食材の検収など多く の課題がある。そのような実態を調査して現場の栄養教諭、学校栄養職員、調理員に役立つ報告書を作成する委員会が、3月27日に開かれ、今年度の実態調査 報告書の内容を討議した。

 この日の検討テーマは、カジキマグロなどのヒスタミン中毒と、外部の委託パン製造業者から感染していったノロウイルス中毒事件のケースである。

 ヒスタミン中毒は、赤身のマグロ類の鮮度の問題から発生することが大半であり、学校給食ではこの食材はほとんど使用されていない。それにも関わらず、全国の学校給食現場のごく一部では、いまだに食材として使用し、中毒事件を起こすことがある。

 マグロ類を食べないと学校給食が立ち行かないというならこれを使用することは仕方ないが、あえてリスクのある食材を採用する必要性が感じられない。そのような視点で学校給食のレシピを作成する必要があるのではないか。

 また、ノロウイルスに感染した人が焼き上げたパンに触れ、それが学校に運ばれてノロウイルス中毒事件を発生させる。これは学校給食の調理場ではなく、外部の施設による感染源であり、学校給食設置者の責務の問題でもある。

 そのような課題について、多くの意見が出され、今後の安全でおいしい学校給食について意見を交換した。

                   

総括:第7回学校給食甲子園大会を振り返る

     第7回学校給食甲子園大会が終了した。毎回、大会終了後に感じることは、「今年もまた多くの感銘と感動を残した大会だった」という感慨である。

 調理が終了し、食味審査を経て審査委員会が開かれるが、その舞台裏は毎年、悩ましい評価の現場である。正に紙一重で優勝、準優勝、2つの特別賞が決まる。これがベスト4になるが、残された8チームもまた、ほぼ同レベルでひしめくことになる。

 審査委員として感じたことは、毎年レベルが上がっているという実感である。調理をする現場を評価する審査委員は、衛生管理を重点にして細かく厳しい評点 をしている。その見る目は毎年厳しくなっているようにも感じる。その一方で食味や見た目を評点する筆者にとっては、毎年出場校の実力があがっているという 感慨である。

 代表校のレシピを見ると、地場産物をいかに活用しておいしい給食を提供するか、その目標に向かって献立を吟味していることである。子どもたちに喜ばれる給食を提供しようとする熱意が、レシピと出来上がった給食によく表れている。

 また今年とくに感じたことは、見た目がどの代表もよくできていたことである。児童・生徒の食欲をそそる給食は非常に重要である。その目的に向かって給食を作る意欲が完成品であるトレイの中に息づいていた。

 回を追うごとにメディアの取り上げも多くなり、特に各地の地域報道は熱を帯びている。それだけ地域の注目度が大きくなっているということである。学校給食の意義と重要性は、このような注目度によって多くの国民に認識されるだろう。

 最近、日本の学校給食が国際的に注目を浴びている。中国では日本の学校給食を見習うとするインターネット記事が発信され、ドイツでも日本の学校給食を評 価する記事が出ている。日本列島がほぼ均一に衛生管理と栄養管理をしている日本の学校給食は世界に冠たるものとしてこれからも存在感を示してほしいと思っ た。

 

学校給食甲子園 優勝は愛知県代表に

                               

                 

 

 

 第7回学校給食甲子園大会の優勝の栄冠は、愛知県西尾市立西尾中学校の学校栄養職員、富田直美さん、調理員の三浦康子さんの頭上に輝いた。

 全国2271施設の応募の頂点に立ったお二人に拍手喝さいを送ります。栄冠を勝ち取った献立は、地場産物の抹茶を活用した料理でした。「てん茶しらす 飯」は、ほんのりとした彩りを称えたご飯であり、地元野菜の照り焼つくね、レンコンサラダ、人参ニギス団子すまし汁は絶品でした。ニギスとは三河湾で捕れ るニギスをすり身にし、地元産人参を練り込んで蒲鉾屋さんと共同開発した食材でした。

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 準優勝に輝いたのは、和歌山県和歌山市立名草小学校の学校栄養職員、土井登世先生と調理員の山中恭子さんでした。

 名草小学校は昨年の優勝校です。果たして史上初の2連覇が実現できるかどうか注目を集めていましたが、最後の詰めの差で2連覇の栄光を阻まれました。 しかし素晴らしいレシピと成熟した調理法は多くの人に感銘を与えました。

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 優勝、準優勝の栄冠を勝ち取った代表選手のお顔は輝いていました。

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 多くの報道陣に囲まれて優勝インタビューを受ける愛知県代表チーム

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 21世紀構想研究会特別賞に輝いたのは、栃木県代表で宇都宮市立田原中学校の学校栄養職員、塚原治子先生と調理員の木村雅恵さんでした。

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 女子栄養大学特別賞を勝ち取ったのは、岩手県代表、岩手大学教育学部附属特別支援学校の学校栄養職員、斎藤洋子先生、調理員の目黒沙織さんでした。

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 決勝戦に進出した全員との記念写真。どのチームも優勝、準優勝、特別賞とは紙一重であり、郷土の代表として誇りある闘いでした。

第7回学校給食甲子園大会始まる

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 第7 回学校給食甲子園大会が、12月2日、東京・駒込の女子栄養大学駒込キャンパスで始まった。全国6ブロック12代表の24選手が調理服装に着替えて開会式 に臨み、銭谷眞美大会実行委員長が挨拶に立ち、続いて埼玉県代表の所沢市立第1学校給食センターの栄養教諭、小林洋介さんが選手宣誓を行った。

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選手宣誓を行う小林洋介さん 

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 調理場に移動した選手は、直ちに手洗いを行い、洗浄が合格かどうかのテストを受けた。2次洗浄までに全選手が合格となり、いよいよ調理に入った。1時間で6食を作るもので、各選手はレシピを見ながら手順よく調理を進めた。

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 この大会の決勝戦に3回出場を果たした福島県代表の福島県鮫川村学校給食センターの芳賀公美さんら2人の選手は、初優勝をかけて調理に取り組んだ。

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 昨年の第6回大会で優勝した和歌山県代表の和歌山市立名草小学校の土井登世さん、山中恭子さんのコンビは、大会初の2連覇にかけて調理に取り組んだ。

 

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 1時間後に出来上がり。直ちに食味審査にはいった。

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第7回学校給食甲子園大会の前夜祭の開催

    第7回学校給食甲子園大会が12月2日に開催されるが、その前夜祭が1日の夜、東京・駒込の女子栄養大学駒込キャンパスで開催され、決勝大会に進出してきた12代表、24選手が大会での健闘を誓った。

 この日は、決勝戦に出場する6ブロック12代表の栄養教諭、学校栄養職員、調理員が一同に集まり、大会に臨む決意表明と代表施設としてのアピールを発表 する場でもある。各代表は、趣向を凝らしたポスターや資料を掲げながら、地場産物の説明や給食レシピへの工夫などを披露した。

 最大の関心は、明日の選手宣誓は誰がやるかである。くじ引きで引き当てた人が晴れの宣誓を行うものだが、第1回と2回大会では、選手宣誓したチームが優勝するというジンクスを作っただけに、毎年この抽選には注目が集まる。

 今年は、埼玉県代表の所沢市立第1学校給食センターの栄養教諭の小林洋介さんが引き当てた。小林さんは、この大会の決勝戦では初めての男性の栄養教諭である。またこのチームは調理員も男性であり、異色のコンビで大会に挑むことになる。

 前夜祭には学校給食関係者が多数参加し、選手たちを励ましながら各地の学校給食や地場産物の話で楽しいひと時を過ごした。

 

地場産物を学校給食に活用する分科会の開催

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 第63回全国学校給食研究協議大会2日目は、学校給食のさまざまな課題をテーマに8分科会が開かれ、熱心な討論が行われた。

 学校給食で地場産物を活用するための3つの要点

1.      地場産物が学校給食調理場に確実に納入されるシステムを確立することである。そのためには、いくつかの課題がある。

  ①   行政、流通業者、生産者などを組み込んだ組織ができているかどうか

  ②   その組織が機能するかどうか

  ③   流通業者、生産者が喜んで協力できる条件になっているかどうか

 2.      次に食材の活用方法がうまくできているかどうかである

  ①   いい食材を生かす献立を作っているかどうか

  ②   郷土料理、おふくろの味の伝承者になっているかどうか

  ③   子どもたちの喜ぶ給食になっているかどうか 

3.      成果と課題がきちんと回っているかどうかも重要だ

  ①   成果が出ているかどうか検証しているか

  ②   流通業者・生産者・子供たちがそれぞれ喜んでいるかどうか

  ③   その成果をもとに次の目標が立てられているかどうか

  筆者は以上の視点でこの日の発表についてコメントをした。

 そのうえで「学校給食で地場産物を活用するための名案、決め手は、1にも2にも地場産物が学校に確実に入荷するかどうかにかかている」ことを強調した。 

 地場産物さえ入れば、おいしい給食も実現できる。学校も栄養士も保護者や生産者、地域の人々と一体になっていろいろなイベントができる。献立内容も行事もいろいろアイデアを出すことができる。 残量も少なくなるし、子どもの感謝の気持ちも出てくる。 

 そこで2点について提示した。

 1つは、栄養士の役割である。これを再認識したい。学校で最も対外渉外のおおい教員である。地場産物を利用するには、生産者、流通業者、子どもの3者が喜んでくれる体制を作ることが重要だ。

  ウイン・ウインの関係がなければだめだ。業者が利益を出すだけでなく、次世代の子供の健康、栄養を支援するという気持ちを持ってもらうことが重要だ。生産者が無理したり、流通業者が泣くようなら、継続性がない。

 2つめは、学校給食の地場産物を推進するバックアップ体制が重要だ。ひとり学校給食栄養士が頑張っても実現しない。市町村の行政、教育関係者、地元のJA、保護者らの協力体制がなければ成功しない。

 栄養教諭、学校栄養職員だけでは無理だ。その体制をどう作るか。校長はじめ多くの人を支援者にすることが大事だ。 世界で日本はダントツの学校給食を実施している。地場産物活用などという学校給食は日本だけである。これからも学校給食を支援していきたい。

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第2分科会の先生方と記念撮影。前列左から司会者の森脇郷子先生(佐伯市教委指導主事)、江口陽子・文部科学省学校給食調査官、市村百合子・栄養教諭(千葉県佐倉市立臼井小)、後列左から筆者、上杉玲子・栄養教諭(新潟市立大形小)、山本桃子・栄養教諭(佐伯市立佐伯小)

 

第63回全国学校給食研究協議大会の開催

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 全国の学校給食、教育関係者が集まって学校給食の活動を通じた食育推進について講演、討論を行う大会が、大分市で始まった。栄養教諭をはじめ多く関係者が集まり、食育推進について日常の活動報告が行われた。

 日本では学校給食は教育の一環の中で確立されたものであり、国民の間では当たり前の制度になっている。しかし世界の中では、これほどすぐれた制度は見ら れない。 ドイツの教育関係者が日本の学校給食現場を視察したときに「信じられないような非効率的な調理現場」という感想を漏らしたという。

 大量食事を食材の加工から出来上がりまで調理する日本の学校給食調理場は、家庭のキッチンと同じことをする。大勢の昼食を作るといっても工場でやる大量 生産とは違う。この調理方法こそ、日本の食の文化を伝承し、きめ細かい食の伝統を守る現場になっていることが、にわかに理解できなかったようだ。

 しかし、最近になってドイツは日本の学校給食をべた褒めである。日本と同じことはとうてい真似ができないという。アメリカの学校給食も、日本から考えると信じられないくらいずさんな栄養管理である。フランスの学校給食も同じような状況だ。

 外国の場合は、たまたま見たり体験した学校給食だけということがあるかもしれないが、日本ほど衛生管理と栄養管理を完璧に行っている国はないのではないか。日本の誇るべき食育の現場を支えている学校給食の栄養教諭らの研究発表は年を追って進化している。

 明日の分科会の様子も報告したい。

 

 

 

               

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