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PEACE BOATに乗船し世界一周の旅に出る その2

PEACE BOATに乗船し世界一周の旅に出る その1

Thumbnail ビルような巨船に乗船しました

 乗客2000人、平均年齢70歳代半ばの客船「パシフィック ワールド号」(PEACE BOAT117)に乗船して、105日間の世界一周の旅に出ました。

4月13日、土曜日、横浜港の大桟橋を出港したPEACE BOAT117(以下、PB117と表記)は、神戸港で乗船客を乗せ最初の寄港地、中国の深圳に向かいます。

航路は上の地図で見るように、アフリカ大陸の喜望峰をぐるりと回って北上し、イギリス、フランス沿岸からスカンジナ半島さらに、レイキャビクからニューヨークへ向かいます。北米大陸を南下してパナマ運河を経て太平洋へ。メキシコ沖から北上してカナダ、アラスカを経てアリューシャン列島沿いに日本へ向かい、7月27日に横浜港に帰ってきます。

船は7万9千トンと言いますから戦艦大和と同等以上の排水量です。15階建てのバカでかいホテルが海上を移動していく感じです。左右の舷に分かれて配置された船室は、ホテルと同じようにずらりと窓際に並んでいます。その廊下は一直線に200メートル以上のまっすぐで細い廊下ですから、一番向こうは人間が豆粒ほどのサイズでしか見えません。

船室、つまり乗船客の部屋の扉に、小さな白板で外出先(といっての船内のどこかですが)を書いたメモ用紙が張り出されていたり、簡単な連絡メモなどを張り出している部屋もあります。乗船客とクルーの身分はすべて把握され、しかも全員が「身柄拘束」されています。その上外からは誰も侵入できない船内ですから、セキュリティは万全というわけで、きわめてオープンムードになっています。

一晩かけて14日の日曜日に神戸港に接岸しました。ここで船客を拾って日本を離れ、いよいよ世界一周の旅に出ます。接岸すると手が届くような距離の向こう側に、見送りする人々が多数いるのでびっくりしました。お顔もはっきりと分かる距離ですから、お互いに目線が合うと手を振り合って出会いと出港の挨拶をします。

賑やかな出港のイベントが終わると間もなく、ボワーッと腹に響くような汽笛が何度か鳴り、巨船は静かに岸壁を離れていきます。すると双方が手を大きく振って、しばしの別れを惜しみます。筆者も知らない人々に向かって手を振り、それにこたえて岸壁の人たちも手を振ってきました。徐々に距離が開いていくだけで、例えようもない心細い感情が湧き上がってきます。

岸壁での別れは、誰もが感傷的になるのかもしれません。旅立つ人としばしの別れというのに、岸壁で涙を拭いている光景も見えます。そのとき筆者は、戦争に駆り出されていった人々の別れの有様を思いおこし、胸に突き上げてくるものがありました。死地への旅を送った人々と戦場に向かっていった人たちのことです。

岸壁を船が徐々に離れていったとき、兵隊さんとその恋人や肉親たちはどれほど別れを惜しんだことか。その別れを包むように、いま聞こえてくるむせび泣くような汽笛が流れていったのです。

複雑な感傷に浸りながら、神戸港を魅惑的に囲む美しい夜景を飽かずに眺めました。こうして筆者の旅路は始まりました。

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