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 アフリカ諸国の感染状況集計表に仰天

 今年の4月に入って間もなく、北里大学大村智記念研究所所長の花木秀明教授から、一枚の集計表が送られてきた。COVID -19のアフリカでの感染状況を調べた集計表であり、一般の方から研究所に送られてきたものだという。

アフリカの国・地域の全てについて人口、COVID -19の感染者累計、その10万人当りの数、死亡者の累計、その10万人当りの数を一覧にしたものだ。

 2021年4月1日時点の調査によるとした数字が並んでいる。国別の各項目別数字は、①各国当局、②現地メディア、③オックスフォード・コロナウイルス政府対策トラッカー、④ロイターなどにある数字を、一個ずつ拾って書き込んでいったことが後日、本人から聞いて分かった。

 ともかくもこの集計表を見た瞬間、筆者はやられたと思った。イベルメクチンを投与されてきた31か国と投与されてこなかった22か国の感染者数、死亡者数が明らかに投与された国の方が一見明白に少ない数字になっていたからだ。

 そのころ筆者も、北里大学客員教授の八木澤守正先生からご教示をいただきながら、アフリカ諸国がなぜCOVID -19感染者数が少なく、死亡者数も少ないかに興味を持って調べ始めていたからだ。

 データ分析技術者が丹念に書き写した数字

 作成したのは東京の末吉榮三さん(77)で、NPO法人まちづくり・建物なんでも相談室の理事をされている方だった。武蔵工業大学土木工学科を卒業され、仲間と一緒に立ち上げた株式会社応用技術試験所で、建築技術のデータ分析などに取り組み、後に代表取締役社長をなさった方であった。

0末吉さん

 応力、たわみ、振動、騒音測定、データ分析などを手がけてきた方と聞いて、なるほどと思った。オンラインに散見している目的のデータを検索して蓄積し、それを分析することは得意だったのである。

 なぜ、イベルメクチン投与国と不投与国とでは、COVID -19感染状況が違うのか。アフリカ諸国は、COVID -19の感染者数が少ないことが各種メディアなどでも報道されるようになったとき、イベルメクチンの投与と何か関係があるのではないかと思い始めていた。

末吉さんは拙著「大村智ものがたり」(毎日新聞出版社)を読んだとき、赤道熱帯地方の重篤な感染症で盲目になるオンコセルカ症の感染予防に、WHOから無償でイベルメクチンが投与されてきたことが書かれてあったことを思い出していた。

1回のイベルメクチン投与でオンコセルカ症の感染予防に効いている。もしかしたらCOVID -19の感染予防にも有効に働いているのかもしれない。まるでワクチンによって抗体を獲得したように、イベルメクチンが長期間効き目を持続すれば、COVID -19感染者数も少なくなるはずだ。

その仮説を証明するため、2021年4月1日現在のアフリカ諸国のCOVID -19感染状況を調べ、熱帯病治療・予防のためにWHOからイベルメクチンを投与された国と不投与国の2つのグループに分けて調べてみた。

イベルメクチンが感染予防に効いている!?

末吉さんは、苦労して自分が調べた結果を見て驚いた。投与された国は、不投与の国に比べて明らかに感染率が少なく、死亡者数も少なくなっていたからだ。

0アフリカの感染状況末吉さんがアフリカ諸国のCOVID -19感染状況を調べると、イベルメクチン投与国は不投与国に比べて顕著に少なく出ていることに驚いた。

2021-06-24 (4)

 こんなにきれいなデータになって出てくるのは、何か因果関係があるに違いない。COVID -19とイベルメクチンの研究に積極的に取り組んでいる北里大学に参考資料として送った。

 筆者がこの「末吉集計表」を知ったとき、P教授論文、アメリカ論文、コロンビア論文を調べていたときだったの、本当にびっくりした。

 正確な集計表の作成

 筆者が調べていた3本の学術論文は、いずれも国際的に知られている学術サイトに投稿された論文だが、アメリカ論文とコロンビア論文には投与・不投与の2つの母集団に明らかな間違いがあり論文の価値を失っていると感じていた。

 P医師の論文は学術的に価値の高い内容であることが分かり、重要な知見を示していたが、筆者が調べた投与・不投与の国と一部で合わないことが分かった。論文の結論にはほとんど影響がない程度であり、査読論文として掲出されるときは修正すれば済むようなことだった。また、「末吉集計表」でも筆者のリストとは一致しない国が出てきた。

 ここに至って、正確な投与・不投与母集団を確定した集計表を作成する必要がある。そう考えて、八木澤先生の助言を受けながらWHOの資料検索から追跡し、ついに目的の母集団確定までこぎつけていった。

次回に続く

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