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柳下裕紀先生の論文:「TPPは国内改革の触媒にするべきだ」

 柳下裕紀先生の論文
 「TPPは国内改革の触媒にするべきだ」をご紹介します。

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 最新の「ニューリーダー」9月号に掲載された柳下裕紀先生の論評は、TPP協定の効用を主として農業に焦点を合わせて簡潔明瞭に論評したもので、日本の農業現場の問題点を浮き彫りにしたものでした。

 PTT協定によって影響を受けるのは政府でなく民間資本であるという基本理念を示していますが、このような理念はうかつにも認識していませんでした。柳 下先生は「自由貿易協定は、国内改革の触媒として使うべきだ」という主張であり、実証的なデータを示しながら日本社会の護送船団方式と消費者にシワ寄せし ている農業政策とその仕組みを明解に解説しています。

 牛乳・乳製品や小麦など外国と国産とで大きな価格差がある食材は、様々なからくりと制度によって消費者に負担をかけていると具体的な仕組みをあげて指摘 しています。コメにしても高コスト体質を作り上げてきたのは農協であり、こちらの改革も進める必要があるというのです。

 コメの国際価格をみるとアメリカのカリフォルニア州産のコメのほうが、国内産米よりも高くなってきているという。カリフォルニア州の干ばつの影響もあるが、この逆価格差を利用しない手はないとも主張している。

 国際第2位のメガバンクとなったJA農協バンクは、「真剣に米作りを手がける主業農家に融資しているのはたったの1~2パーセント」という。あとは農家 でもない一般利用者に住宅ローンの貸し出しをしたり金融の運用をしている。「農業を弱体化し、自ら脱農化することで発展してきたのが農協なのだ」と指摘す る。

国産比率8割以上という野菜農家は、「コメ農家の2割以下しかないが、コメ農家の6倍の売り上げをあげている」という指摘にもびっくりした。コメ農家がいかに非効率な構図の中に放置され、国民の税金の補てんで生き延びてきているかを示したものである。

 また、「日本の単位面積当たりの農薬使用量は世界一」という指摘にも仰天した。アメリカの6倍、スウェーデンの25倍という。食品添加物として認可されている種類も世界一との指摘もさらに仰天だ。日本は250種類、アメリカ140種類、イギリスは14種類という。
  
アメリカで規制された物資が日本では野放しであり、「乳癌の最大の原因と特定され、米国では表示義務のある成長ホルモンが牛乳に入っている」と指摘している。

 かつて日本の農薬や食品添加物の利用を厳しくチェックしていた消費者グループや研究者は、今どうなっているのだろうか。新聞社などのメディアの機能もこ の方面にどのくらい影響力を持っているのか。いまや知らないところでやりたい放題という風景が見え隠れするように感じた。

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