2022年9 月
これが国民感情の実態です
毎日新聞社と社会調査研究センターの世論調査(9月17、18日)の結果を見ると、旧統一教会問題と自民党・政権に対する不信感はますます強まり、内閣支持率も3割を切ってきました。年齢層が上に行くにしたがって支持しない人が増えています。筆者の周囲の人たちの意見を聞いてきましたが同様の意向を明確に示しており、この調査結果は国民感情の偽らざる実態と理解しました。
ちなみに私は反自民でもなく反岸田でもありません。客観的にものを見るように修練を積んできたジャーナリストであり一市民です。
小学校教育現場の危機シンポジウム
2022/09/15
小学校教育現場が、教員不足と教員資質の劣化などを理由に疲弊していると言われています。ゆとり教育後の弊害がやり玉に挙がってもいますが、それだけではないようです。
国家の危機と言う方もいます。将来の科学技術国家は遠のくばかりという指摘もあります。
初等教育の問題点をあげ、これからの教育の在り方を討論するシンポジウムをご案内します。
是非さなかして討論の場に加わってご意見を出してください。
参加の要項は、添付資料にあります。
参加申し込みは、https://kosoken.org/ こちらからどうぞ。
立憲民主党(立憲)執行部は国葬欠席へ NHKの報道で流れを作るか
2022/09/15
2022年9月15日、朝7時のNHKニュースより
野党第一党の立憲の出欠が注目されていましたが、15日朝7時のNHKニュースで、執行部が欠席で詰めの調整に入ったと報道しました。政府見解について改めて質問した回答が不十分だったことから欠席へ傾いたことを報道したもので、立憲の「決断」に流れを作るように聞こえました。
NHKは世論調査で、国葬の政府説明を72%が不十分としていること、国葬反対が57%になっていることを繰り返し報道しており、国民世論の大勢が「後ろ向き」であることを受けて報道しているものでしょう。メディアとして正しい報道姿勢を評価します
国葬の説明不十分が72%。国葬反対が57%で賛成を大幅に上回る-9月13日(火)午後7時のNHKニュース
2022/09/13
NHKは、国葬に対する国民感情を世論調査に基づいて客観的に報道しています。ニュースでは、国葬に対する政府の説明は不十分とした人がなんと72%。説明十分の15%をはるかに上回っており、国葬実施に評価しない(反対)は57%、賛成の32%をこれまたはるかに上回っていることを報道しました。
野党各党は、国葬に出席するのかどうか。現時点での各党の出欠方針を示しながら、野党第一党の立憲民主党の態度がどうなるのか。世論調査の結果を踏まえながら、野党各党の国葬出欠判断を迫るかのようなニュース報道でした。NHKの報道を評価したいと思います。
岸田総理が説明すればするほど国葬反対に傾いていきます
2022/09/09
9月8日の国会審議で野党代表と岸田総理のやり取りで次のようなことが明確になりました。
* 国葬を定めた法制度はない。これで佐藤栄作元総理も国葬を見送った。当時の内閣法制局長官は、法制度がないので国葬とするには、立法・行政・司法の了承が必要だとの見解だった。
9月9日朝のテレ朝・羽鳥モーニングショーより
* 今回の国葬は、国会に相談もなく総理と内閣だけで決めた。国会に相談なく国葬を決めたのは戦後初めて。
* 国葬を決めた4つの理由(①最長の任期、②経済と外交で大きな実績、③世界が弔意、④参院選中の非業の死)を繰り返し岸田総理が言明し、これ以上の説明はなかった。しかし②についての安倍政権の評価は、否定する意見も強くまだ評価は固まっていない。
* 岸田総理は、国葬儀は行政権によるものであると「新見解」を披歴。内閣府設置法と閣議決定だけで決めたと言明した。
* 全額税金で実施することに総理は「世界各国からの弔意を受け止め、国の行事として葬儀を行うことが適切」と答弁した。
* 安倍元総理と旧統一教会との関係を問われると「お亡くなりになっているので限界がある(ので調査はできない)」と表明。
岸田総理がこのような見解を、何度も何度も繰り返せばするほど、国葬は賛成できない方へ傾いていきます。
国葬に反対する国民感情をあなどる政治センス
2022/09/07
国を挙げて取り組む国葬という祭事に、過半数の国民が反対するのは、世界でも多分初めての珍事ではないでしょうか。各種世論調査結果は、みなそう出ています。筆者は7月15日のフェイスブックにアップした「歴史に刻まれた4つの汚点」の一つとして国葬反対を主張しました。「数々の反社会的な行動を繰り返し、問題を起こしていた団体とかかわってきた元総理を国葬として執り行うことに筆者は反対します。これこそ歴史に残る汚点と断じます」と表明しました。
8月5-7日調査の読売新聞世論調査では、国葬を評価する(賛成)49%、評価しない(反対)46%でしたが、9月2-4日の同世論調査では、賛成38%に対し反対派56%に大逆転しています。
日増しに明らかになっていく旧統一教会の反社会的活動と政治の癒着が次々と明らかになり、国民は不信感を募らせていきました。
それに拍車をかけたのが自民党の有力議員の「言い訳」でした。一見明白に虚言と見える言い訳を言ったり、世論動向を見ながら小出しに言い方を変えながら、最後の最後に「今後関りを持たない」という表現に変えました。国民をあなどる変転です。
国葬経費の説明も、岸田総理は当初の閣議決定では2億5千万円と発表していましたが、その数字は信用できないとの指摘が相次ぎ、6日には総額16億6千万と変えてきました。
極め付きは自民党・二階俊博・元幹事長の講演会での発言です。旧統一教会との関係で批判を浴びていることに対し「自民党はびくともしないよ」と発言し、国葬については「やらなかったらバカだ」と発言しました。この程度の語彙力でしか語れない人物が政界で幅を利かせているのです。国葬に反対する国民が増えていくのは当然ではないでしょうか。
「私がまるで安倍元総理を殺してしまったような錯覚に陥った」
2022/09/05
NHKクローズアップ現代(クロ現、9月5日夜7時半から放映)は、息子からの心の叫びを受け、苦しみを語った旧統一教会信者の苦悩をこう語らせました。安倍総理銃撃事件を受けたジャーナリズムの問題意識を凝縮した、すごい番組でした。
銃撃事件のよってきたる背景を語っており、高額献金に応じて一家が自己破産した実例など多くの悲惨な信者の話と信者同士の間に生まれた信者二世の苦悩を余すところなく報告した番組でした。
これまでテレビ局各社のワイドショーや特番、さらに出版社の週刊誌・月刊誌なども特集記事で埋めてきました。どの報告も旧統一教会の反社会的活動、財産収奪、人権侵害などを報告してきました。
新聞を除くジャーナリズムが、これほど一致した姿勢と視点で問題を指摘し、政治との関りで国家の危機を訴えてきた例は歴史的になかったことです。全国紙(東京新聞を除く)は、いったいどのような編集方針で旧統一教会の問題点を読者に伝えてきたのでしょうか。
この日のクロ現では、安倍元総理の銃撃事件のあと、両親が旧統一教会信者同士の間で生まれた信者二世が孤立を深めていた現実を報告しました。韓国の教団関係者は「いまだ多額の献金をするのは日本くらいだ。日本の信徒は、日本よりも韓国の協会運営を助けるために献金している」と語っていました。
二世信者になった人々の苦しみと、旧統一教会の理不尽で許しがたい教義と献金強要の有様を様々な証言で報告しました。
多額の献金、信仰や霊感商法の強要。そして2009年に、教団がコンプライアンス宣言したあとでも、困窮した家庭に対し高額献金を強要してきた現実を実証的に放映しました。献金による経済的な損害だけでなく、二世は人権も侵害されてきたと訴えました。苦しむ宗教二世の子を持つ一世信者のなかで、安倍銃撃事件をきっかけに脱会した一世の苦しみも語らせました。
見なかった方は、是非、見逃し配信から見てください。歴史に残る番組です。
統一教会は収益事業が中心のビジネス宗教だ
2022/09/05
「統一教会は収益事業が中心のビジネス宗教だ」
2年間、信者になりすまして潜入取材した韓国人女性ジャーナリストが証言
旧統一教会の反社会的活動とその被害者に焦点を当て、衝撃的な「反社実証番組」を制作・報道しているTBSの報道特集。さる8月27日に放映された「元信者5人の人妻たちが語る旧統一教会の実態」を見逃し配信で見て仰天しました。
5人の元信者妻たちが、合同結婚式で韓国人と強制的に「結婚」させられた後の信じがたい「人生」を赤裸々に語りました。これは人権侵害であり、犯罪であることは明らかです。
後半で2012年から2年間、信者を装って統一教会に潜入取材した韓国人ジャーナリスト、オ・ミョンオクさん(「宗教と真理」代表)が語ったこの教団の実態は、次のようなものでした。
そして収益事業が中心であり、所有している企業が多岐にわたっていると証言。
「教団の収益のために家庭と人生を破壊された被害者が多数いる」ことを証言し、さらに重大な発言がありました。
「自らの利益と名声のために、反社会的な集団と裏で関係を持つ。正体を知っていながら手を組み、成功のためなら何でもする人たちのせいで旧統一教会の被害者は消えない」
元信者は選挙のとき「投票はこの人にしてくださいと連絡がきた」と語り「(教団の)正義のためには嘘をついてもいいのが旧統一教会だ」と証言しました。
TBS報道特集の一連の旧統一教会特番には、反社に立ち向かうジャーナリス魂を見ました。是非、見逃し配信から見ることをお勧めします。
自民党は旧統一教会と関係断つとは思わないが72%
2022/09/05
自民党は旧統一教会と関係断つとは思わないが72%
読売新聞の世論調査結果は深刻な政治不信
読売新聞が9月2-4日に実施した世論調査結果は、深刻な政治不信を露呈しています。自民党が旧統一教会と「関係を断つことを自民党の基本方針とする」ことの表明に「評価する」とした人が76%ありました。ところが、自民党が旧統一教会と関係を断つことができるかどうか質問したところ、断つとは思わないが72%、思うが21%でした。
つまり関係を断つことは「評価する」が、実際には「断つことはできないでしょうね」という世論の「本音」表明です。これこそ政治(政党)不信の表れでしょう。自民党が旧統一教会と関係を断つことに反対する人はいないでしょうから、設問自体に意味がなかったということかも知れません。
安倍元総理の国葬を評価する(賛成)、評価しない(反対)では、反対が56%で賛成38%を大きく上回りました。前回8月10、11日調査では賛成がわずかに上回っていましたが、今回は若年層でも大幅に反対に傾きました。政府の説明不足のせいなどではないでしょう。説明すればするほど反対が増えると思います。これが国民感情であり、国葬反対の国民世論は、もはや動かしようがないでしょう。
写真のグラフはいずれも、8月5日付け読売新聞朝刊に掲載されたものです。