イベルメクチンとコロナ感染症の世界の動向-7
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イベルメクチンとコロナ感染症の世界の動向-8

  インド発のデルタ株が東アジアを襲撃

  インドから出現したデルタ株がマレーシア、インドネシアを経てタイ、韓国、日本へと拡散している。コロナウイルスの特徴である変異株の猛威であり、これから何回も人類は変異株に襲撃されるかも知れない。

 ロイターによると、8月8日現在で感染者数がピークに向かっている東アジアの国は日本、韓国、マレーシア、タイであり、ピークに近い感染者数を出している国はベトナム、ラオス、メキシコなどである。

 インドから移入してきた変異株に汚染されたインドネシアは、7月上旬から地域別にロックダウンを実施し、8月になっても感染拡大に歯止めがかからない地域は厳しい外出制限や飲食店の営業規制を行っている。

 日本の人口の2倍以上のインドネシアの感染者数が、いま減少傾向にあるとはいえ平均1日、3万2000人をこえている。人口比で言えば、日本もほぼ同じだろう。

 コロナウイルスは、遺伝子が次々と変異を起こし、感染力を強くしているところが、人類との闘いの武器になっている。

 変異株ができる理屈

コロナウイルスがヒト細胞に侵入するとき、ウイルス表面にあるトゲ状の「スパイクたんぱく質」が、ヒトの細胞表面の受容体たんぱく質(アンジオテンシン変換酵素2=ACE2)に結合し、そこから細胞内へ侵入する。

細胞内では、ウイルスのRNAの情報に従って、ウイルス自身を作成するたんぱく質を合成する。RNAは大量に複製され、たんぱく質とともに組み立てが進んでいわゆるコピー・ウイルスが大量に作成され、それが細胞外へ放出されていく。この一連の過程のうち、RNA複製のときに一定の確率でミスが発生する。RNAを構成する塩基の配列が変わることがあり、この現象を「変異」と呼んでおり、変異した遺伝子を持っているウイルスを変異株と呼んでいる。

1981年、アメリカで最初に報告され、世界に拡大して人々を恐怖に陥れたエイズ(後天性免疫不全症候群)も、コロナと同じNRA型ウイルスで、次々と変異株を生み出し、欧米、アジア、アフリカなど地域によってさまざまな変異株が広がった。エイズの感染は、主として血液・体液を介するもだから予防方法もそれほど難しくなかった。

しかしコロナの場合は、空気感染であるためマスク着用、ソーシャル・ディスタンス厳守、三密厳禁など社会活動や生活に密接に関わることから、防御方法もエイズの比ではなくなった。

主な変異株は4つある

 厚労省など政府機関のこれまでの発表資料によると、国が監視を続けている主な変異株は、イギリス由来のアルファ株、南アフリカ由来のベータ株、ブラジル由来のガンマ株、インド由来のデルタ株がある。変異株が生まれると次々と従来株にとって代わるように感染をしていき、一般的に従来株よりも感染しやすく、罹患すると重症化しやすいと言われている。さらに免疫やワクチンの効果を低下させる可能性も指摘されている。

 2021年4月中旬ころから連日、1000人を越える感染者数を出した大阪府など関西地域の場合、感染力が強く致死率は従来型の1.6倍とされるアルファ株が主流になったと言われた。しかしそのころの東京・首都圏では、感染力が従来と変わらず、変異株の由来などは不明とされていた。

 このように変異株は、ある地域で広がり、別の地域ではそれほど広がらないなど感染拡大状況が変わってくる。2021年7月現在で、22個の変異株が報告されているが、この数は時間とともに増えていくことになる。海外では日本で変異をしたコロナウイルスとして「日本株」とされる変異株も報告されているが、医療関係者に聞いたところ影響は不明としている。

人種によって「弱点」があるのだろうか

  赤血球の血液型は主としてA、B、AB、O型に分けられる。これをABO血液型と呼んでいるが、白血球にもHLA(Human Leukocyte Antigen=ヒト白血球抗原)という血液型がある。白血球はいわば血液の工場である骨髄中で作られる血液細胞のことで、細菌、ウイルス、カビなどから身を守るために働いている。HLAは白血球だけでなく、ほぼすべての細胞と体液に分布していることも分かってきた。

 この白血球血液型のうちHLA-A24という血液型は、日本人のほぼ60%が持っている。変異株の中でもガンマ型のインド株に感染するとHLA-A24を認識する箇所が変異してウイルスへの攻撃力が低下してしまうとされている。

 インド株の変異を学術的に「L452R」と記述していることを各種報告資料でよく見かける。この記述の真ん中の数字の452は、たんぱく質の452番目のいみであり、アミノ酸がロイシン(L)からアルギニン(R)に変異したという意味になる。こうした変異が頻繁に起こっていると言われている。

HLA-A24は、アジア系の人種に多い白血球血液型であるため、ワクチンの効果の低下まで影響するようなら大きな問題になるとして専門家は注視している。

これとは逆に変異株の影響が確認されないものもある。今後もCOVID-19の感染が続く限り変異株と治療対応などの問題は避けられない。研究テーマとしても非常に興味深いものであり、今後の研究発展を見守りたい。

これまで確認された変異株は、イギリスの「アルファ株」が、173か国・地域で報告があった。南アフリカで確認された「ベータ株」122か国・地域に及んでいる。ブラジルで確認された「ガンマ株」は74か国・地域となっている。

そしてインドで確認された「デルタ株」は、2021年6月から世界中に急激に拡大しており、7月上旬には104か国・地域で確認されている。国立感染症研究所は、7月上旬には、関東地方ではすでに全体の30%以上をこの変異ウイルスが占めていると推定しており、世界の感染拡大が続くと予想している。

このように変異株の感染力とこれを阻止するワクチンの実施状況と関連しながら、終息に向かうのかコロナの盛り返しになるのか、うねりとなって地球を取り巻いているように見える。

 

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