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荒井寿光、馬場錬成「知財立国が危ない」(日本経済新聞出版社)

                                       

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  荒井寿光氏との共著とはいえ、自分の著書をブログで取り上げるのは、いささか気が引ける。だからしばらくは迷っていたが、思い切って掲載することにした。

したがって論評はできないので、著書として世に出した動機を語った「まえがき」だけを示すにとどめたい。

 まえがき

  知 的財産が重要だという言葉が掛け声のように叫ばれてから久しい。1990年代後半から2000年代前半にかけて、日本が官民あげて取り組んだ「知財立国運 動」は世界のモデルとまで言われた。それから10年余を経てプロパテント(特許重視)の先導役として期待された知財高裁の役割、産学連携の活性化や起業家 の輩出、特許行政の進展と知財戦略を柱とした企業経営などはどのように変革しただろうか。

  こ の本はそれらの現状を検証し、日本の知財現場に横たわる課題を整理して洗い出し、その解決策を提起するために荒井寿光と馬場錬成が対談形式でまとめたもの である。著者らが精査したところ、日本の知財戦略はこの10年停滞しており、かつての知財立国への取り組みは掛け声倒れに陥っているとの結論になった。

  日本の知財戦略に何も進展がなかったというわけではなく、世界の潮流が日本の進展よりもはるかに速く進行しているため、相対的に日本が立ち遅れているというのが実感であった。

  荒井は1996年に特許庁長官、2001年8月に民間団体の知的財産国家戦略フォーラム代表、2003年3月から内閣官房知的財産戦略推進事務局長などを歴任して、日本の第一次知財改革を先導した。現在は知財評論家の肩書を使って評論活動を行っている。

  馬場は2000年11月まで読売新聞論説委員として知的財産、産業技術、研究開発などのテーマについて取材・論評し、その後東京理科大学知財専門職大学院教授となり、中国の模倣品問題や日中の知財動向について現場取材を続けてきた。

  二 人は他の仲間とともに知的財産国家戦略フォーラムでまとめた「知財改革100の提言」を2002年1月に小泉内閣に提出し、第一次知財改革のきっかけを 作った。その後も、特定非営利活動法人21世紀構想研究会の活動を通じて、知的財産の諸問題を検証して政策提言する活動に取り組んでいる。

  この本で語るテーマは目次に示した通りだが、冒頭から順次読み進むようにはしないで、読者が関心あるテーマを選んで読むように編集したものである。したがってどこから読み始めてもいい。

  知 的財産の問題は、専門的で多岐にわたる分野であるため、論議してもときとして迷路に入り込み、容易に理解できないことがしばしばである。しかしこの本は、 専門的な論議は極力避けて、大きな課題のありかとその解決策を大づかみ示そうと試みたものである。したがって専門的な知識を要求する読者には、やや物足り ないものが残るだろう。

  し かし著者は、政治家や行政官、企業経営者や一般の企業人、大学人と研究者など多くの人々に知財の現状を大づかみに認識してもらうことが、今の日本にとって 重要であると考えた。そのためには啓発書が必要であり、このような対談形式で語り合ってわかりやすく示すことで目的を達成できるのではないかと考えた。

  専門的な見解や論述は他の専門書にゆだねることにし、とりあえず知的財産の現場の課題と解決策を示唆する啓発書として世に問うことにした。

 2015年1月

荒井寿光 馬場錬成

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