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2009年04月30日

08年度馬場研諸君の修士論文が高い評価を受ける

 08年度の修士論文のうち優れた論文22編をCD化して各界などに配布するMIP叢書の選定結果が発表された。

 馬場研からは5人の論文が選定された。研究室単位ではたぶん、トップと思われる。このような成果は、1年間の努力と研鑽の結果であり、大変素晴らしいことである。

 この余勢をかって09年度の諸君も是非、いい論文を書いてほしい。ただ、論文執筆の前に立ちはだかっているのが就職活動である。いま経済不況の嵐の中にあるだけに、試練の就職活動が当分続くだろう。頑張ってほしい。

 

4月30日 自民党立国調査会の開催

 本日4月30日、自民党本部で「研究開発成果実用化促進法案プロジェクトチーム」および「世界最先端研究支援強化プログラム・プロジェクトチーム」の合同会議が開催された。

 前者は、総合科学技術会議議員であった井村裕夫先生が言い出したもので、これから法制化するものであり、議員立法になるだろう。どのような施策内容にするか、いまネタ探しをしているところだ。

 後者は、4月27日に閣議決定された景気対策の補正予算の中で、文部科学省所管分の中にあるものであり、研究者最優先の研究システムを構築するとして総額2700億円、30人にそれぞれ90億円を付けるというかつてない大胆なプロジェクトである。90億円の予算をもらった研究者は、いったい何に使うの?

 

 これまでのような、ハコものに使うことは禁止するので、純粋な真水の研究費になるという。

 このようなドタバタ予算は思い付きが多くなるので、大半は失敗するのではないか。つまり、さしたる成果が上がらないように危惧する。

 

 大体、1プロジェクト3~5年で90億円使うのは大変である。ハコもの消費に近い発想で使うことになるのではないか。ということになると、結局は失敗してもしょうがないと思わせる、東大など有名大学、有名研究者に予算を重点的につけるのではないか。

 

 

 最初から悲観的で批判めたことを言いたくはないが、この危惧を吹き飛ばすような成功例が2つや3つほしいところである。すべて成功するのは不可能なので、30人に予算をつけたらその1割、つまり3つくらいの成功例を出してほしい。

 

 

 この日の調査会では、橋本和仁東大教授、金澤一郎・日本学術会議会長、丸山瑛一・理研特別顧問の3人が提言した。

 5月中も各界の大物を呼んで提言をしてもらう予定であり、論議を吸い取った形で立法化と政策が推進される。

 

 

 この大型プロジェクトは、政権が民主党に代わった場合はどうなるのか。自民党の論議だけにこの仮定の発言はタブーではあるが、政権が交代してもこのような施策は是非、実現してほしい。

 

2009年04月27日

松下昭博士との会見

 

 

 

 

 JR東日本とソニーを相手取り、特許侵害による損害賠償請求訴訟を提起していた松下昭・神奈川大学名誉教授と4月26日、久しぶりに会見した。

 すでに一部の報道などで知られているが、松下博士が1985年に出願した非接触伝送装置の特許を侵害しているかどうかで争われていた訴訟は、一審、二審ともに松下博士が敗訴となり上告を断念したためこの紛争は確定した形となった。

 本件訴訟の詳細は、いずれ論文として発表する予定だが、概略報告は、ビズプラスの「知財戦略で勝つ」のコラムで近々紹介する予定である。

 松下博士の発明した特許は、非接触ICカードの基本特許であることは間違いなく、今回 の訴訟でもソニーの開発したスイカの技術の根幹部分はこの発明に充足することがわかった。ただ、スイカはカードと固定装置側との交信の信号の処理で特許明 細書に記述されている権利内容に充足しないと判断され、侵害ではないとの判決となった。

 松下博士の発明のきっかけは、缶詰工場の生産ラインの非接触伝送装置化から始まったものであり、1985年当時すでに松下博士の頭の中ではICカードへの応用という構図が描かれていた。

 訴訟で負けたということは、特許が否定されたことではない。特許明細書に記述されてい る技術的思想が、スイカの技術に合致しなかったという意味である。松下博士は、侵害しているとする実験結果をいくつか出しているが、それが実証的な証拠と して裁判所に取り上げられなかったため、侵害として認定されなかっただけである。

 日本では、ディスカバリー制度が導入されていない。しかし高度専門的な技術内容について特許侵害かどうかの争いになった場合、文言解釈による争いよりも実証的なデータによる決着が必要である。

 今回の訴訟では、日本でもディスカバリー制度の導入が必要であることを強く感じさせた。 松下博士は訴訟で負けたとは思えないほどお元気であり、今後は技術者の発明と特許化への啓発に尽力したいとの決意を語ってくれた。

 

 

2009年04月26日

「劇場政治の誤算」 加藤紘一著 角川書店

  

 元自民党幹事長の加藤紘一先生が、小泉内閣を検証した本を出版し、4月23日に全日空コンチネンタルホテルで出版パーティが行われた。

 加藤先生は、若い時から自民党のプリンスとして将来を嘱望されていた政治家だが、森内閣のときに「加藤の乱」といわれる政局を巻き起こし、その後、政治資金の在り方で秘書が逮捕されるなど、不運がつきまとった。

 科学技術に疎い政治家の中では、科学技術に対する理解度が深い方であり、元外務官僚らしくアメリカ、中国にも太いパイプを持っている。グローバルに展開される科学技術に対する視点は、日本の政治家の中ではトップクラスである。

 本の中身は、自民党政権の歴史的な役割を検証しながら、小泉政権から現政権までのさまざまな政策を政治家の立場から論評している。

 

黒木登志夫・前岐阜大学長が講演

 

 
 

 

 

 「落下傘学長奮闘記」(中公新書ラクレ)を書いた黒木登志夫・前岐阜大学学長が、第72回特定非営利活動法人21世紀構想研究会で講演した。

 黒木先生は、基礎医学研究者として40年間、がん細胞の研究に専念してきた先生で、日 本癌学会の会長も務めた方である。それが知っている教授は4人だけという岐阜大学の学長になってしまった。東大医科研の教授を長い間務めたが、そのときも 医科研所長になることを固辞してきた先生である。

 大学の運営経験ゼロの「落下傘学長」を待ち受けていたのは、法人化前の地方の国立大学であった。文部官僚が牛耳る大学運営の中で、法人化の準備をし、大学を個性化し、生き残りをかけた孤軍奮闘ぶりは、このブログの本の紹介でも書いたとおりである。

 この日の講演は、地方大学の生き残りだけではなく、日本の高等教育の在り方、財務省の考え、経済界や政界に根強い「選択と集中」という考えを高等教育に持ち込む愚かな考えなど、大学の現場に横たわる課題を余すことなく示し、感銘を与えた。

 黒木先生は、現在日本学術振興会・学術システム研究センター副所長として活動を続けており、今後も大学教育に対し遠慮なく発言していく意向だという。

 

2009年04月25日

知財戦略論の講義始まる

 

2008年度知財戦略論オムニバス授業予定(敬称略)  
  授業日 授業1 休憩 授業2 担当 授業のテーマ
1 4月8日(水) 16:10-17:40 50分 18:30-20:00 馬場錬成 ガイダンス、時代認識と知財立国
2 15日(水) 16:10-17:40 50分 18:30-20:00 糸賀道也 技術デザインと知財戦略
3 22日(水) 16:10-17:40 50分 18:30-20:00 中嶋 隆 企業の知的能力の活用と管理
4 5月13日(水) 16:10-17:40 50分 18:30-20:00 秋元 浩 製薬企業の知財戦略
5 20日(水) 16:10-17:40 50分 18:30-20:00 下坂スミ子 知財戦略と弁理士の役割
6 27日(水) 16:10-17:40 50分 18:30-20:00 荒井寿光 知財立国への課題と実行
7 6月3日(水) 16:10-17:40 50分 18:30-20:00 酒井一弘 企業の知財戦略
8 10日(水) 16:10-17:40 50分 18:30-20:00 馬場錬成 島津製作所はなぜ世界制覇に失敗したか
9 17日(水) 16:10-17:40 50分 18:30-20:00 山本貴史 TLO活動と産学連携
10 24日(水) 16:10-17:40 50分 18:30-20:00 大津山秀樹 知的資産と知財マネジメント
11 7月1日(水) 16:10-17:40 50分 18:30-20:00 矢口太郎 日米の研究連携と技術移転
12 8日(水) 16:10-17:40 50分 18:30-20:00 渡部俊也 産学連携と知的財産
13 15日(水) 16:10-17:40 50分 18:30-20:00 馬場錬成 ベンチャー企業の知財戦略
14 22日(水) 16:10-17:40 50分 18:30-20:00 林崎良英 研究現場の知財戦略
15 29日(水) 16:10-17:40 50分 18:30-20:00 馬場錬成 まとめ
 

 

 今年度の知財戦略論オムニバス授業が始まった。

 今年もスケジュール表に見るように、毎週水曜日に日本を代表する知財リーダーが次々と登場して講義を行う。8日のスタートアップは、筆者が「日本の知財戦略に提起されている課題」とのタイトルで、さまざまな課題の提起と解決法を探る授業を行った。

 2回目は、糸賀道也氏が「技術デザインを知財戦略を、3回目は中嶋隆氏が「人間の知的能力活用と管理」と題してそれぞれ非常に魅力的な講義を行った。

 この講義では、毎回、授業の最後に10分間論文を書かせており、受講者に大きな刺激を与えている。

 

 

六本木エグゼクティブ・コミュニティ

 

 

 

 

 政策研究大学院大学の隅蔵康一准教授が主宰する集まりであり、毎回、各界の有識者や研究者を呼んで講演と討論を行っている。

 4月21日に開催された第11回の会合には、国際標準化機構(ISO)の会長を3年間 務めた田中正躬・財団法人建材試験センター理事長が「ISO会長の3年間を振り返って」と題して講演を行った。田中氏は、通産省工業技術院標準部長を最後 に官界から日本化学協会専務理事に転出、ISO理事から2005年に会長選出された。

 この日の講演では、157カ国・地域の加入するISOの運営の苦労を語りながら、財政 問題、ISO規格の著作権の利用のルール、アメリカのSDO(規格作成団体)との協定問題などを解説した。また持続可能な世界のための標準を目指した 「ISO戦略計画2005-2010」策定のためのテーマの設定や課題解決などについて解説を行った。

 また、会長を務めた経験からの提言として、日本の技術や考え方を世界標準にするために ISOの仕組みをうまく使うこと、多様な価値観を持つ人たちとコミュニケーションをよくすることが大事であること、世界中の国々にある国家標準機関を含め て認証ビジネスと一体化が重要であることなどを述べた。

 

全ての国民のための科学リテラシー

 日本学術会議の機関誌である「学術の動向」の2009年4月号は、「科学技術の智」プロジェクトの目指すものとして「全ての国民のための科学リテラシー」の特集をしている。

 北原和夫・国際基督教大学教授をはじめ、「科学技術の智」プロジェクトで活動している川勝博、星元紀、長谷川寿一、丹羽富士雄、中川尚志、佐々義子、渡邊政隆、毛利衛、永山国昭、佐藤年緒、鈴木晶子氏ら各界の代表者が執筆している。

 筆者は、科学ジャーナリストの立場から、「日本社会の科学リテラシー」と題して、日本 国の政官界、実業界の科学リテラシーの不足を書いた。これは科学技術に関する的確な情報がさまざまなリーダーに届かず、理系文化が社会の中で育っていない 現状を実例を挙げながら書いたものだ。

 特に官界では、技術官僚のポストが極端に少なく、出世も遅くなる。昔は技術官僚と事務 官僚の間には、初任給から格差があったという。戦後、日本は科学技術立国を目指すとして科学技術行政を一元的にまとめる科学技術庁の設置を目指したが、 霞ヶ関の行政官庁はほとんどが反対し、結局、議員立法で科学技術庁を設立した。

 しかし2001年からの省庁再編のときには、この役所をとりつぶし、文部省に吸収させて文部科学省となった。今回の特集記事には、このときのいきさつは書かずに、脳死問題、フッ素水道水の問題など筆者が体験した実態を踏まえた提言をしている。

2009年04月22日

建築行政共用データベースの開発

 建築行政共用データベースシステムは、不完全施工で問題になったマンション建築の「アネハ事件」以来、国土交通省の支援で構築しているシステムである。

 建築士・事務所登録閲覧システム、台帳・帳簿登録閲覧システム、通知・報告配信システム、建築基準法令データベース、道路情報登録閲覧システムなどの情報データベースである。

 このシステムが動き出すと、建築現場の情報の透明性が確保され、建築業者にとっても重要な情報源になる。システムの内容も重要だが、作成したシステムを何時でも誰でも安価に利用できる実務的な面での課題も壊滅する必要がある。

 開発委員会では、こうした内容について討議し、各界の識者から意見を出してもらい、シ ステム構築に反映していくものだ。この日は道路情報登録閲覧システムの内容について説明があったが、衛星通信とインターネット機能をフルに使ったシステム は素晴らしい。これを安価に使い勝手よく提供できるかどうか。

 建築技術については、日本は世界トップの水準にあるとされているが、制度については評価されているわけではない。国民の期待をいかに実現していくか。これは建築行政の大きな課題である。

 

 

2009年04月16日

第13回東大薬学部の研究倫理委員会の開催

 ヒトを対象とする研究倫理審査委員会が4月16日、東大薬学部で開催され、数件の研究テーマについて論議された。

 最近の研究テーマは、遺伝子解析や生体内のたんぱく質の振る舞いを追跡する研究が多くなっているが、その材料となるのは多くは、患者は健常人の血液である。もちろん、ヒト胎盤を必要とするような他の臓器を材料とした研究もある。

 このような研究には、多くの人が血液や臓器を提供しなければ研究は進まないが、その場合、問題となるのは個人情報の管理や提供者の不利益の防除などである。

 研究者は誰でも、いい加減にやったり不利益を承知していながら被験者や提供者に告知し ないという人はいない。問題が生じるのは大体、不注意や思い込みによる欠落から出てくることが多い。その意味では倫理上の問題点も一皮むけば、工程の管理 と似ているところもあるし、ある意味では危機管理の範疇であるかもしれない。

 研究倫理は、社会と科学技術の接点でもある。そういう視点で論議を聞いていると、非常にためになる。

2009年04月14日

「猿橋勝子という生き方」 米沢富美子著 岩波科学ライブラリー

 

 地球科学者・猿橋勝子先生の凛とした生き方を描き出したすぐれた科学書である。「猿橋賞」の創設者としても知られている先生であり、女性研究者として一生を捧げた先生の在りし日が物理学者の米沢先生らによって生き生きとつづられている。

 猿橋賞は、50歳未満の女性科学者を対象とした顕彰であるが、その審査委員を委嘱され た筆者は、猿橋先生からこの賞の持っている社会的意義を強く叩き込まれた。それは先生が言葉で語ったものではなく、女性科学者たちの置かれている立場を理 解し、そして励まそうとするその心根が先生の態度からいつもほとばしっていた。

 猿橋先生の業績と珍しい写真を見て、先生の在りし日をしのんだ。

 

「知的財産物語 枝豆戦争」 松村直幹著 文栄社

 

 知財分野では、近来まれにみる傑作である。著者は、元ニチロ専務を務めた方で、食品業界ではよく知られた方である。筆者はたまたま、食品業界の集まりにでたところ、この著者の松村さんは、「有名人」であることがわかった。

 枝豆を塩ゆでして冷凍する。その豆が特許になった。取得したのは日水である。日水は、冷凍塩ゆで枝豆を販売している同業他社に対し、特許使用料を要求した。知財の現場では、当然の権利であるから、この要求は間違っていない。

 しかし要求された企業はびっくりした。支払いに応じようとする企業と特許の無効審判を申し立てて闘う企業。特許庁と裁判所を舞台にした知財紛争の顛末をすべて実名で書いたものであり、特筆に値する内容である。

 

 

2009年04月11日

2009年度馬場研のスタート

 

 

 

 

 2009年度の馬場研の精鋭8人が勢ぞろいして、今年のスタートを切った。

 今年は、新卒で就職活動をする院生が5人おり、経済不況で求人数が少なくなっているた め、緒戦から苦戦を強いられている。企業側も必死で人材確保に動いており、不況が永遠に続くわけではないのでこの機会にいい人材を是非とも確保したいとし てむしろ積極的に取り組んでいるとも聞く。

 4月10日の第1回プロジェクト研究会では、まず、全員発表の日本知財学会での発表内容とスケジュールを確認し、修士論文のテーマと完成までの日程を確認した。また夏期合宿についても打ち合わせをし、9月第2週の土日に仮日程を決めた。

 就職戦線が落ち着くのは5月連休前であるが、今年は厳しい状況なので、内定者がそれまでどのくらい出るか全く予想できない。しかし、一生、職が見つからないわけではなく、これまでのMIPの就職でも最後にはどこかに就職が決まるし、内定先も例外なく大企業になっている。

 とはいうものの、全力をあげてがんばるよりない。院生諸君と歩調をとりながら支援できる面では動くこともあるが、これまでの経験からあまり影響力を発揮できないのが課題ではある。就職活動はいつでも難しいものであり、誰に相談しても誰も解決できない。

 ともかくも全力でぶつかるよりない。

 

 

2009年04月01日

知財専門職大学院スタート

 

  5期生の精鋭が入学

   4月1日、東京理科大学知財専門職大学院(MIP)の第5期生89人がめでたく入学した。この日は、ガイダンスが行われ、専攻教員の紹介や授業の日程、授業内容やテキストなどについて説明が行われた。

  また、ガイダンスに先立ち、新入生の相談会が開催され、授業の履修科目の相談や将来の進路を見ながらどのような科目を選択し、修士論文は何を書くべきかなどについて、担任になる教員と話し合った。

  毎年感じることだが、新入生と言っても3分の2は社会人であり、企業などの第一線で活動している人材なので社会人大学という趣である。知財知識や実務についてのスキルアップを目指して入学した院生なので取り組むテーマはかなり絞り込まれている人が多い。

  これに対し、学部の学生から進学してきた院生は、まだ進路もはっきりと決めかねてお り、社会人としてどのような人材になるのか模索している学生が多い。  今週の土曜日からは授業も開始されるが、4月の授業は毎年、新鮮な空気が教室一杯にみなぎり緊張感にあふれている。今年もまた、こうして新しい世代の知 財研究が始まった。

 

               
                               
               
             

                           

                   
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2009年03月20日

MIPさよなら懇親会

 

 
2年前に入学してからあっという間に過ぎ去った。IT産業革命の中で最も
戦略的に重要視されてきた知的財産権の研究をよく取り組んだメンバー
の顔は、門出を迎えてとても輝いて見えた。  

 

 

 
原田さんは家族で東京に出てきたが都合でパーティには欠席。
駱ちゃんと健ちゃんも欠席したのが寂しかったが、清水君は
パーティの幹事として最後のお勤めを無事果たした。

 

馬場研メンバーの晴れ姿

 

 日本武道館で修了式を終わった後、MIPで学位記の授与式が行われた。式の直前に研究室に集まったメンバーとの記念撮影。原田さんと健ちゃんが折悪しくいなかったのが残念だった。

               
                               
               
             

                           

                   
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2009年02月19日

上海の知財・経済事情

 2月16日から19日まで上海に行き、知財と直近の経済事情を聞いてきた。知財は主として、模倣品調査会社として多くの実績を重ねてきたQCAC駿麒国際諮詢有限公司に最近の中国での模倣品実態と今後の動向などを聞いてきた。

 同 社の副総経理で国際業務部ディレクターをしている王煒氏らによると、日本企業からの調査依頼は、多数の分野にわたっており、依然として中国で被害を受けて いる企業が多いという。業種では、自動車部品、農薬、文具、食品、アパレル関連、化粧品、スポーツ用品、釣り具、医療器具などであり、デッドコピーから類 似商標などによる被害は後を絶たないという。

 同社は国際業務部、行政部、調査部、法律部の組織で活動しており、法律部には専門の弁護士が3人いる。中国全土に情報提供組織を持っており、市場に出回る模倣品調査の結果などから被害にあっている企業に情報を提供し、最終的には中国政府機関の摘発まで行う。行政摘発をしても、罰金や模倣品の押収だけで済むことがほとんどだが、これでは根絶できない。製造者がまた行うケースが多いからだ。

 最近はこうした歯止め策として公安当局に摘発を訴えて、関係者の拘束に持ち込むことを目指しているという。被害にあっている企業も、こうした刑事罰を望むようになってきた。具体的な報告はいずれ、コラムなどで紹介したい。

 上 海と中国の経済状況だが、今回は専門家には会えなかったが、社会活動をしている人々から様々な状況を聞いた。日本よりも経済活動の落ち込みは軽いようだ が、もちろん影響は大である。しかしインフラ整備の社会資本建設は相変わらず活発であり、高級レストランの賑わいも以前と変わりないように見えた。

 中国の株式市場は日本同様に低迷しているが、上海の実業家の中には為替の売り買いに乗り出している人が出ていると聞いた。円高は相対的に円、つまり日本が強いという証拠であり、絶好のチャンスが巡ってきたと受け止められる。

 上海の一部の実業家の話を聞いていると、株を購入することは「リスクを買う」ことであり、為替に乗り出すことは「お金でお金を買う」ことではないか。日本円で安くなった外国通貨を買うのが一番確実だという話が結論だった。 

 

 

2009年02月08日

差止請求権をめぐる論議

 差止請求権をめぐる論議

  2012年の施行を目指した特許法改正の論議が始まっている。2月5日に開かれた経産省のソフトIP研究会に臨時委員として委嘱され、「日本の知財戦略に提起されている課題」をタイトルにした提言を行った。 

 筆者は中小・ベンチャー企業の代弁者という立場で提言したものだ。この研究会のメンバーは大企業の知財関係者、知財法律学者が大半であり、特許法改正に対しても主として法理論からの論議が主となっているように感じた。 

 特許権は、法制度が基盤になっていることは間違いないが、実態は技術の競争力の場で展開される戦略の話である。米国の連邦最高裁で出たeBay判例などを基盤にして差止請求に制限を加えようとする考えがにわかに高まっている。本当にそれでいいのだろうか。

  特に特許権利の不実施機関に対する制限が視野に入っているようだが、パテントトロールを意識したものだとしても、藤野仁三東京理科大学知財専門職大学院教授によると、米国のパテントトローラーは、90パーセントがビジネスモデル特許の関連だという。日本にはパテントトロールによる係争はほとんど聞いたことがない。

 大体、パテントトロラーとは何か。ある大学の研究者は、「日本のパテントトローラーは大企業ではないでしょうか。アメリカのような実態はないですね」と言う。 一方で大企業に5回も無効審判を起こされてほとほと困っている研究開発型の小企業の役員は、「日本では差止請求権を武器にするようなパテントトローラーは必要だ」とまで言っている。

  こ うした意見もまた特異なものだとしても、論議は行政主導で一方的に米国追随型の制度に走っているように見える。産業構造はもとより社会構造も司法制度も価 値観もモノ作りの技術も全く違う米国の知財制度を後追いするようなことになれば、また制度の歪を招きかねないことになる。

  これから大いなる論議が必要だ。

 

 

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2009年02月03日

中国特許法改正の解説セミナー

 

 

 

 改正された中国特許法の解説セミナー 

 (株)エイバックズームが主催する中国の特許法(専利法)の解説セミナーが2月3日開催された。中国特許法は昨年末に改正されたもので、法的な解説と実務上の運用について特許庁職員と中国弁護士・弁理士らが解説したもので、大変、有意義なセミナーだった。

 その一部を紹介したい。中国では従来から発明と実用新案は同時に出願可能だったが、今回の改正で明確に条文にした。これで初めて分かったことは、これまでは運用で行っていたもので、法制度ではなかったことだ。 実用新案の審査は特許審査に比べて1,2年早いという。早く保護を受けたい場合は、先に実用新案で登録し、後でこの権利を放棄して特許に切り替えることが出来るという。

   また、外国へ出願する場合は、従来はまず中国に出願しなければならなかったがこれが改正された。これからは外国に出願する際には、国務院専利行政部門の秘 密保持審査を受ければいいことになる。しかし、この制度の運用については全く白紙であり、今後の実務にかかっている。審査・運用のあり方によっては、骨抜 きの制度になりかねないので今後の実務を注目したい。

  意匠権に関する法制度も実態に即したものに改正した。原則として商品陳列、広告、展示会での陳列広告も意匠権を侵害してはならないとしたものだ。今後は公 証購買で証拠を入手するという面倒なことをやらないでも、広告、商品陳列でも公証証拠になるので権利侵害を確認することは非常に楽になったという。

 日本企業にとっても、運用面で活用できる改正内容はかなりあるだろう。 

 

2009年02月02日

山梨大学で産学官連携シンポジウムを開催


 

 1月27日開催された山梨産学官連携シンポジウム 

 「産 学官で考える環境・エネルギー」をテーマに掲げた「山梨産学官連携シンポジウム」がこのほど甲府市で開かれ、①知財の創生と活用、②環境とクリーンエネル ギー、③流域の水環境・水災害と健康の3つのテーマ別フォーラムで講演と活気あふれるパネルディスカッションが行われた。

 この産学官シンポジウムは今年で3回目だが、地域の人々を中心に多くの分野の研究者、企業人、行政マンなどが集まるもので、この種のシンポジウムではモデルと言っていいだろう。主催は山梨県、山梨大学であり、共催に甲府、山梨、北杜、都留、岡谷市、やまなし産業支援機構、日本弁理士会関東支部、甲府商工会議所、山梨中央銀行など多彩な機関が入っている。

 さ らに後援は文部科学省、独立行政法人科学技術振興機構(JST)など国の機関から新聞社、テレビ局など山梨に拠点のあるマスコミがすべて後援しており、開 会式の時にはマスコミ各社の支社長、支局長らが知事や山梨大学長らと一緒になってステージに並び、紹介されるというのも珍しい。つまり、山梨県の各界が一 体となって共通認識に立ち、産学官連携を盛り上げていこうという気概を感じさせる点でも素晴らしい。

 山梨大の燃料電池、太陽電池・環境計測に関する研究は、全国の大学でもひときわ光っている。平成19年度からクリーンエネルギー特別教育として基礎から応用研究まで俯瞰した課程を新設し、エネルギー関連で即戦力になる人材を教育する大学としても知られている。 

               
                               
               
             

                           

                   
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2009年01月27日

知的クラスター創生事業

 地域の活性化と知的創生を振興する「第2期知的クラスター創生事業」が今年度からスタートすることになった。

 1月22日に開催された産学官連携推進委員会で論議された内容によると、文部科学省と経済産業省とが共同で支援する政策であり、2つの省が同じ目的で予算を出し合い、支援する事業は珍しい。

 21年度の予算は文部科学省が135億円、経産省が129億円で総額264億円になる。全国を9つのブロックに分け、産学官連携のネットワークを作り、大学発事業の振興などを支援する。

 この事業そのものはいいことだが、課題もある。両省の予算をどのように配分するのか。ユーザーの使い勝手のいい制度を作らないと、手続きに手間取り事業内容も形式的なものになって実効性が疑問だということになりかねない。

 コーディネーターなどの育成事業もあるが、結果的に期限付きの失対事業になりかねない ようにするべきという意見も出されている。評価方法もどうするのか。9か所の地域が全てうまくいくとは思えない。成功する地域には重点的に予算を配分し て、確実に事業がうまく回るようにするなど柔軟な施策もとるべきではないか。

 是非、成功物語を作ってほしいと思う。

 

 

スイカ訴訟の控訴審が結審

 松下昭神奈川大学工学部名誉教授が、ソニー、JR東日本を相手取って特許侵害訴訟を提起していた裁判の控訴審(飯村敏明裁判長)は、27日に最初の口頭弁論で結審となり、3月末に判決言い渡しとなった。

 この訴訟の根拠となった2本の特許請求の技術を、スイカ技術が侵害しているかどうかが争われているものだが、一審の東京地裁では侵害をしていないと認定されて原告側敗訴。それを不服として原告が控訴していた。

 争点になっている技術的な内容については、別途、解説を試みたい。

 

 

2009年01月12日

日本弁理士会新年賀詞交歓会

 2009年の新年の知財関係者の顔合わせ会でもある日本弁理士会の新年賀詞交歓会が、8日、霞ヶ関の霞山会館で開催された。

 交歓会には、日本の知財各界のリーダーのなっている関係者が一堂に集まり、懇談する場でもあり、筆者も多くの関係者と意見を交換した。

 特許庁は2012年度の施行を目標に特許法の大改正をスケジュールに載せており、今年から改正に向けた本格的な論議がさまざまな審議会で開催される。

 最近の知財侵害訴訟は、原告不利の流れというのが一般的な感想であるが、この流れについて司法関係者に率直にぶつけて質問したところ、その傾向を認めた上で、原告不利という流れはあまり良くないのではないかという感想を漏らしていた。

 また、侵害訴訟で被告側が特許権利の無効を主張し、それが司法判断で認められるケース も出ていることについても、特許庁審査と司法判断が乖離することはユーザーを困惑させることにつながるので、これも好ましい流れではないという意見もでて いた。何らかの形で原告の権利を救済する方策が考えられてもいいのではないかという意見もあった。

 

2009年01月07日

特許法大改正への年

 特許法を2011年改正へ

 日本経済新聞の1月5日付け朝刊の1面トップの報道によると、特許法大改正のスケジュールが今年から始まる。

 報道によると、新特許法は2011年の通常国会で成立させ、2012年からの施行を目指すとしている。問題はその改正内容である。

 報道されている主な検討項目は7つ挙げられている。

1.保護の対象となる「発明」の定義の見直し

2.「差止請求権」の放棄など技術革新の促進に向けた制度作り

3.職務発明の見直し

4.審査基準の法制化に向けた検討

5.迅速で効率的な紛争解決方法の検討

6.審査の迅速化と出願者のニーズへの対応

7.分かりやすい条文作り

 この中で注目されるのは、2と3の差止請求権、職務発明のあり方だ。どのような検討と議論がされるのか。法改正の狙いは何か。

 産業競争力の確保には大企業の知財強化は欠かせないが、と言って大企業優先の知財法制度を作れば、創造意欲が削がれ日本のベンチャーと個人発明家の活動は沈滞するだろう。

 大企業の活動を促進しさらにベンチャー、個人発明家の活動を促進するような知財文化を作る必要がある。その点を間違えると日本は「知財途上国」に転落し、日本のモノ作り国家は衰退するだろう。

 このテーマから今後目が離せない。 

               
                               
               
             

                           

                   
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2008年11月20日

20年度第2回日本弁理士会アドバイザリーボードの開催

 弁理士活動の充実と拡大を課題に

 

 アドバイザリーボードの開催にあたり、中島会長から次期日本弁理士会会長選挙の結果が発表された。筒井大和執行理事が選出され正林副会長が異例の3期連続で副会長に就任することも明らかになった。

 

 会務の進捗状況では、次の5本柱の活動について報告があった。

1.弁理士業務の高度化・広域化の推進と研修・人材育成事業の拡充 2.知財立国の実現に向けた社会貢献」活動の展開と社会の期待への対応3.便利士法改正への対応及び弁理士制度の基盤整備と充実4.特許事務所の基盤整備の支援及びビジネス環境の変化への対応支援5.会務運営の基盤強化と会員サービスの向上  平成20年10月1日に施行された改正弁理士法によって、弁理士試験合格者は指定を受けた修習期間で実務修習を義務付けられており、これを修了しないと弁理士登録を受けられない。 実務修習は今後の弁理士活動にも非常に重要な位置づけになるものであり、社会貢献、知財基盤の強化に一層の努力が期待されている。

 

 また、弁理士会は、顧客の経営戦略にも関与できる総合アドバイザー型の弁理士育成を実現するために知財専門シンクタンクの構築を目指している。ワーキンググループを設置して具体的に検討を進めるという。

 

 これに関して筆者から特に「個人起業や中小企業の経営戦略に関与しながら、経営コンサルテイィングやブランド確立、知財権利確保、権利を実施する場合に本当に強い特許なのかどうかの評価、無効審判や侵害訴訟にも耐えられる知財権利なのかを評価したり、技術評価、マーケティング、資金運用まで幅広い弁理士業務が期待されている。是非、実現するように取り組んでほしい」と発言した。

 

 

 

2008年11月15日

馬場研の最近の動向

 修士論文の執筆に追い込み

 そろそろ修論の追い込みに入ってきました。例年、この時期を迎えると論文の骨格が出来上がり、執筆に拍車がかかる時期です。

 今年のM2院生は7人おり、うち3人が日中の弁理士です。今年の日本知財学界では、全員が発表に名前を出し、うち5人が口演者として演壇に立って発表しました。その時の演題をそのまま拡張して修論にした院生もいますが、まったく別のテーマに変更した院生もいます。

 またアメリカ、中国に研修に出た院生もおり、それぞれのテーマで格闘を続けています。いずれその内容の詳細は、このサイトでも報告します。

 

 

2008年11月09日

全国学校給食甲子園大会の栄冠は岐阜県代表に

  

 宣誓校が優勝のジンクス破れる

 第3回全国学校給食甲子園大会が、9日午前10時から東京の女子栄養大学駒込キャンパ スで開催され、岐阜県代表の多治見市共栄調理場(松原恵子栄養士、水野はるみ調理員)が優勝し、参加1329校の頂点に立った。準優勝は香川県代表の高松 市立国分寺北部小学校(下岡純子栄養士、間嶋みどり調理員)だった。

 特別賞の非営利活動法人21世紀構想研究会賞には、鹿児島県代表の出水市立米ノ津東小学校、女子栄養大学賞には秋田県代表の横手市立平鹿学校給食センターに授与された。

 第1回、2回と続いていた選手宣誓した学校が優勝するというジンクスは今回は破れたが、今回宣誓した島根県代表松江市立八雲学校給食センターの長島美保子栄養士、宇山宏文調理員には、特別に財団法人学校給食栄養改善研究会賞が授与された。

 今年もまた多くの感動を残して、大会の幕を閉じた。

2008年11月08日

学校給食甲子園大会の前夜祭

 

  選手宣誓を引き当てたのは鳥取県代表 

  全国学校給食甲子園大会(給食甲子園大会)の前夜祭が、8日午後7時から女子栄養大学駒込キャンパスで開催された。今年の代表12校(給食センター)が一堂に集まり、学校紹介と明日への決意表明を行った。

 冒頭に文部科学省の銭谷事務次官が「日頃の研鑽結果を明日の試合で存分に発揮してほしい」と挨拶した。 

  各代表とも、趣向を凝らしたポスターや地場産物の現物を持ち込み、給食に生かしている素材の話や学校での食育活動について報告を行った。 そのあと、注目の選手宣誓のくじ引き。第1回、2回とも、選手宣誓を行った選手の学校が優勝旗を手にしている。2回連続のジンクスが今年もそのまま生きていいるのかそれともこのジンクスが崩れるのか。

 全員が注目する中、引き当てたのは中国・四国ブロック代表の鳥取県松江市八雲学校給食センターの中島美保子栄養士だった。長島さんは「ジンクスが崩れないように頑張ります」と力強く決意表明し、満場の喝さいを浴びた。

 大会は9日午前10時から開催される。

 

全国学校給食甲子園が開幕

 2008年度の全国学校給食甲子園大会が、11月8日、9日に東京・駒込の女子栄養大学駒込キャンパスで開催された。今年の応募校は、全国から約1200校となり、予選を通過したブロック代表の12校が決勝戦に残って優勝を争った。

               
                               
               
             

                           

                   
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2008年08月06日

アジアの産学官連携についての研究会

 中国を始めアジア地域の産学官連携に関する研究会が、産業技術総合研究所で開催された。 

 

第1回研究会:「アジア産学官連携と研究者能力に関して」
日時:2008年8月5日 午後2時~4時
場所:(独)産業技術総合研究所 東京本部秋葉原事業所11階大会議室
発表者:
新藤晴臣氏(明星大学経済学部経営学科准教授、当プロジェクト分担者)
     「中国・台湾・香港における研究機関の産学官連携について」
本多克也氏(三菱総合研究所 科学・安全政策研究本部先端科学研究グループ 主任研究員)
     「中国における研究者能力について」
コメンテータ:元橋一之氏(東京大学大学院工学系研究科教授)
司会:木村行雄(産総研ベンチャー追跡評価チームチーム長、当プロジェクト代表

 

 

 

2008年08月05日

中国総合研究センターの第10回研究会を開催

 

 中国総合研究センターの第10回研究会が、7月29日に中国総合研究センターで開催された。

 今回の研究会には、北京徳琦知識産権代理有限公司の総裁である弁理士の王琦女史、副総裁の王継文弁理士、パテントエンジニアの鞠文軍氏、弁護士、弁理士、商標弁理士の杜少輝氏を講師として迎え、セミナー方式の開催となった。

 研究会のテーマは、  「中国知財実務上の課題と戦略」。まず最初に、鞠文軍氏が 「特許出願と審査について」講演し、続いて 杜少輝氏が「特許侵害訴訟について」ケーススタディを行った。

 このあと会場との質疑応答となり、実務上の様々な問題について日中の知財制度の違いも入れながら討論を行った。なお、研究会の詳細については、後日、中国総合研究センターのHPに掲載される。

 

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2008年08月04日

8月4日 理研・林崎研究室を訪問

 

 たった30分で遺伝子診断法「SMAP」を開発して世界の生物・医学界に衝撃を与えた 林崎研究室を訪問した。目的は、いま調理現場でその防疫対策で大きな課題になっているノロウイルスの検出方法を見学するためである。ノロウイルスを30分 で検出することができると、調理現場にとっては大きな福音となる。

 見学に同行したのは、文部科学省・学校健康教育課の田中延子・学校給食調査官、慶応義塾大学の中村明子客員教授、文部科学省科学技術政策研究所・科学技術動向研究センターの重茂浩美研究官との4人。

 ノロウイルスは、新型の食中毒原因ウイルスとして調理現場を悩ませており、特に冬の寒 い時期に中毒事件を発生させることが多い。田中調査官はその対応策で全校の学校給食調理現場の学校栄養職員や栄養教諭らと腐心しており、感染症学が専門の 中村明子教授は、専門の立場からアドバイスを行ってきた。また、重茂研究官は、先ごろノロウイルスのすべてを解説する論文を書き上げ、関係者の間で評価さ れており、この日の見学会の実現となった。

 ノロウイルス検出のキットは、理研発のベンチャー企業であるダナフォームと荏原実業が開発し来月中にも販売する予定という。

 

2008年08月02日

科学技術動向研究センターの全体ミーティング

 文部科学省 科学技術政策研究所の科学技術動向研究センターの全体ミーティングは、論文執筆者たちのピア・レビューの場であり、毎回、非常に活発な論議が展開されている。

 筆者は、同研究所の客員研究官の立場で出席して論議に加わるが、非常に勉強になっている。ここで論議された論文の内容は、毎月発行されている「科学技術動向」という雑誌に掲載されるが、最新の研究動向と政策提言が盛り込んであるので多くの読者をかかえている。

 先月号の掲載内容は、こちらのサイトから見ることができる。http://www.nistep.go.jp/achiev/ftx/jpn/stfc/stt088j/index.html

               
                               
               
             

                           

                   
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2008年08月06日

アジアの産学官連携についての研究会

 中国を始めアジア地域の産学官連携に関する研究会が、産業技術総合研究所で開催された。 

 

第1回研究会:「アジア産学官連携と研究者能力に関して」
日時:2008年8月5日 午後2時~4時
場所:(独)産業技術総合研究所 東京本部秋葉原事業所11階大会議室
発表者:
新藤晴臣氏(明星大学経済学部経営学科准教授、当プロジェクト分担者)
     「中国・台湾・香港における研究機関の産学官連携について」
本多克也氏(三菱総合研究所 科学・安全政策研究本部先端科学研究グループ 主任研究員)
     「中国における研究者能力について」
コメンテータ:元橋一之氏(東京大学大学院工学系研究科教授)
司会:木村行雄(産総研ベンチャー追跡評価チームチーム長、当プロジェクト代表

 

 

 

2008年08月05日

中国総合研究センターの第10回研究会を開催

 

 中国総合研究センターの第10回研究会が、7月29日に中国総合研究センターで開催された。

 今回の研究会には、北京徳琦知識産権代理有限公司の総裁である弁理士の王琦女史、副総裁の王継文弁理士、パテントエンジニアの鞠文軍氏、弁護士、弁理士、商標弁理士の杜少輝氏を講師として迎え、セミナー方式の開催となった。

 研究会のテーマは、  「中国知財実務上の課題と戦略」。まず最初に、鞠文軍氏が 「特許出願と審査について」講演し、続いて 杜少輝氏が「特許侵害訴訟について」ケーススタディを行った。

 このあと会場との質疑応答となり、実務上の様々な問題について日中の知財制度の違いも入れながら討論を行った。なお、研究会の詳細については、後日、中国総合研究センターのHPに掲載される。

 

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2008年08月04日

8月4日 理研・林崎研究室を訪問

 

 たった30分で遺伝子診断法「SMAP」を開発して世界の生物・医学界に衝撃を与えた 林崎研究室を訪問した。目的は、いま調理現場でその防疫対策で大きな課題になっているノロウイルスの検出方法を見学するためである。ノロウイルスを30分 で検出することができると、調理現場にとっては大きな福音となる。

 見学に同行したのは、文部科学省・学校健康教育課の田中延子・学校給食調査官、慶応義塾大学の中村明子客員教授、文部科学省科学技術政策研究所・科学技術動向研究センターの重茂浩美研究官との4人。

 ノロウイルスは、新型の食中毒原因ウイルスとして調理現場を悩ませており、特に冬の寒 い時期に中毒事件を発生させることが多い。田中調査官はその対応策で全校の学校給食調理現場の学校栄養職員や栄養教諭らと腐心しており、感染症学が専門の 中村明子教授は、専門の立場からアドバイスを行ってきた。また、重茂研究官は、先ごろノロウイルスのすべてを解説する論文を書き上げ、関係者の間で評価さ れており、この日の見学会の実現となった。

 ノロウイルス検出のキットは、理研発のベンチャー企業であるダナフォームと荏原実業が開発し来月中にも販売する予定という。

 

2008年08月02日

科学技術動向研究センターの全体ミーティング

 文部科学省 科学技術政策研究所の科学技術動向研究センターの全体ミーティングは、論文執筆者たちのピア・レビューの場であり、毎回、非常に活発な論議が展開されている。

 筆者は、同研究所の客員研究官の立場で出席して論議に加わるが、非常に勉強になっている。ここで論議された論文の内容は、毎月発行されている「科学技術動向」という雑誌に掲載されるが、最新の研究動向と政策提言が盛り込んであるので多くの読者をかかえている。

 先月号の掲載内容は、こちらのサイトから見ることができる。http://www.nistep.go.jp/achiev/ftx/jpn/stfc/stt088j/index.html

               
                               
               
             

                           

                   
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2008年07月18日

本日からブログを再開  7月18日

 長い間、PCの事情で更新ができませんした。
 本日からまた、再会します。

 全国学校給食甲子園大会実行委員会の開催

 今年の学校給食甲子園大会は、11月8日(土)、9日(日)の
2日間にわたって、東京の女子栄養大学駒込キャンパスで
開催される。
 その実施内容、審査内容を決める実行委員会(工藤智規委員長)が
7月16日に開催された。
 審査の内容については、学校給食甲子園大会の公式ホームページで
公表する予定である。

               
                               
               
             

                           

                   
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2008年05月10日

5月9日(土)埼玉県知財センター・シンポジウム

 

 埼玉県知財センター・シンポジウムが開催される  

 埼玉県の知財支援センター開設3周年を記念して、「知的財産立県の実現に向けて」とテーマとするシンポジウムが、9日午後1時半から、大宮ソニックシティビル10階の埼玉県中小企業振興公社の研修室で開かれた。

 筆者は、「知的財産立県の実現に向けて」をタイトルにした基調講演を行い、このあと「中小企業に求められる知財経営の取り組みと今後の支援のあり方」をテーマにパネルディスカッションが行われた。

 プログラムと実施内容は大略次の通りである。

 第1部 基調講演(70分)

「知的財産立県の実現に向けて」 馬場錬成 

 講演のあらまし

1.  世界はいま、第3次産業革命にあるという時代認識を持つことが重要である。

2.   日本の戦後の経済成長に果たした特許の役割を概観し、日本の「特許文化」を検証。

3.   1990年代後半から世界的に始まったIT産業革命によるプロパテント時代の産業技術と知財について検証。

4.   特許に中小企業の中で、知財戦略ですぐれた実績を残しているケースを具体的に紹介し、何が重要であったのか分析。

5.   オープン・イノベーション時代を迎えて囲い込みではなく、相互に知財を活用する時代に入っていることを紹介して将来展望を提示。

 第2部 パネルディスカッション

「中小企業に求められる知財経営の取組と(知的財産総合支援センター埼玉)の今後の支援のあり方」

 

パネリスト(敬称略)   

コーディネーター 東京理科大学知財専門職大学院教授     馬場 錬成 

パネラー  ユアサハラ法律特許事務所 弁護士・弁理士 矢部 耕三 

      高田国際特許事務所所長  弁理士     高田 修治 

      彩都総合特許事務所    弁理士     佐原 雅史  

知財総合支援センター埼玉知財アドバイザー野口 満 

 パネリストからのプレゼン(各10分)

1.野口 満さんプレゼン

・知財センター埼玉が開設されて以来3年間の活動内容の紹介・多くの支援事例を紹介 

2.佐原雅史さんプレゼン   

・お仕事の内容と知財センターとの関わりについて説明

・株式会社アキムの知財支援事例について具体的な取り組みと課題を提起した。特に中小企業の知財管理の問題について具体案を提起。

3.髙田修治さんプレゼン  

・これまでの専門相談や知財センターがらみの支援事例について紹介。特に商号と商標との権利化の仕組みとトラブルについて紹介

・地域団体商標、各地域興し事業、インターネットの影響などについて報告 

4.矢部耕三さんプレゼン  

・日ごろの仕事と活動内容とセンターでの役割を紹介  

・センターでの経験事例から、企業間のクロスライセンスに関する契約交渉をアドバイスすることで展望が開けた事例を紹介・中小企業はこれから知的財産権とどう取り組むべきかを提言  

5.このあと、パネラー間で活発な論議が展開され、中小企業に求められる知財経営の取組と知的財産総合支援センター埼玉の今後の支援のあり方について提言が行われた。    

この日の内容の詳細は、後日、センターのHPで報告される。 

               
                               
               
             

                           

                   
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2007年プロジェクト研究総括

 努力を結実させた若き日のエネルギー 

 2007年度の馬場研究室は、6人の精鋭部隊でスタートを切った。ところが間もなく、そのうちの1人が職場の勤務の都合でMIPを退学し、もう1人は商標関係のテーマで取り組むために西村研究室に移籍となり、4人という少数精鋭でスタートを切ることになった。  

 佐藤貴臣君は、早くからワーキング・ペーパーのテーマは模倣品・海賊版の現状と取り締まり状況に焦点をあてて論文をまとめたいという希望を出していたが、就職先が長野県警に決まったためにいっそう、やりがいのあるテーマとなった。

 就職活動では、思いもよらない機関の受験に挑戦するなど、貴臣君は可能性を求めて行動する点では評価できるものであった。論文作成では、調査分析にやや時間を取りすぎ、後半の検証と見解のまとめでは十分な活動ができなかったことは残念であった。

 ただ、貴臣君には思わぬ才覚があることを発見して嬉しくなった。彼が書いた文章はなかなかこなれた分かりやすい文体であり、もしかすると新聞記者にむいているのかもしれないと思わせるほどであった。

 論文では、2007年、 世の中を騒がせた一連の偽装表示問題を法的な根拠を示しながら当局の摘発のあり方を検証したのは評価できる内容となった。自治体によって取締りの法整備が ばらばらである点を指摘しており、これまでの模倣品・海賊版をまとめた論文には見られない視点を持ち込んで独自性を打ち出した点は、大変良かった。

  小國聡美さんは、学部の専攻は化学であるために、化学や環境問題に興味を抱いていた。その中から酸化チタン光触媒の研究動向と標準化に焦点を合わせたのはタイムリーな問題意識であった。 酸化チタン光触媒の研究では、藤嶋昭教授、橋本和仁教授が双璧であるが、その1人の橋本教授の研究室を訪ねて、研究テーマについて教示を受けたことは大変良かった。

 ただ、酸化チタン光触媒の研究動向と知的財産権に関する調査分析では、詳細な内容で先行しているレポートがすでにあることに途中で気がつき、聡美さんのテーマの焦点は標準化へと絞り込んでいった。 標準化には、光触媒の品質を担保する意味と、国際的に取り決めて品質を確保する国際標準化と2つの意味があり、そのどちらに関しても日本の研究現場と産業界の意識が希薄である点を指摘する論文となった。

 論文をまとめる時期に身内の方が病気で倒れてその看病に追われるなど、学業と仕事と看病という3重苦を克服してようやくまとめたものである。このため本人にとっては不十分な出来だったようだが、このテーマは今後さらに深化させ卒業後も取り組んでほしい。

  有馬徹さんは、自動車メーカーのサプライヤーに勤務し、国際的に活動する職場にいることをフルに活用して、知財をキーワードにしながら国際産業文化論を展開するユニークな論文にまとめた。自分の考えと主張を奔放に書き進めた論述であり非常に面白かった。

 特にサプライヤーから見た日本と外国の商習慣の比較論述は、徹さんの体験と見解に基づいた内容であり説得力があった。一国の産業競争力はモノ作りから金融にシフトされたという見方も、この論文の流れから読者を十分に納得させていた。中国で産業活動を論じるくだりでは、アメリカ式とヨーロッパ式を論じながら、日本のそれはアメリカ式ではないかというコメントは、そうかもしれないと思わせる内容であり、ここにも独自の視点を披瀝していた。特に面白かったのは、サミュエル・ハンチントンが主張しているアメリカの「目論見」を整理して記述し、その後で日本の「目論見」を整理して提示したもので、これは秀逸であった。

 企業戦士として活動する傍ら、常に内外の社会、と文化を見ながら深く思索した活動から出たオリジナル論評であり、この論文テーマは徹さんのライフワークになるだろう。

  押久保政彦さんは、弁理士の資格を持つだけに論述した内容は厚みがあり読み応えがあった。第1章、2章、3章と組み立てた章立てとその内容は、非常に整理されており、しかも制度上の問題、法的解釈、司法判断、国際的な動きなど時代背景を入れながら重厚に解説したのは大変結構だった。

 特に2章 で語っている小売等役務商標制度の導入までの経過を読むと、改正前の制度上の問題がよく分かり、「役務」についての法的解釈の経緯もよく整理されて論述さ れていた。「シャディ事件」、「ESPRIT」事件という2つの判例を紹介しながら、改正までの経緯をまとめることで、時代とともに変革する知的財産権の 現場を語っていた。

 後半は、小売等役務商標出願動向の調査を紹介しているが、主な業界別の動向は労力をかけた分析調査であり、業種ごとに小売等役務商標に対する取り組みに温度差があることを明快に見せてくれた。

 最後のまとめでは、この商標がどのように活用されるか課題をいくつかあげ、商品商標と小売等役務商標との関係、審査実務、総合的な小売サービスというカテゴリーで検討すべしと課題を提起しており、このテーマの研究はまだこれからの領域であることを示唆していた。 押久保さんは、馬場研の級長として様々な雑用を差配し、研究室をまとめた点で多大の貢献をした。ここに心から感謝の念を示したい。

 2007年馬場研諸君へはなむけの言葉 

 馬場研は、修論作成のために一時的に集まった仲間ではなく、諸君がこれから社会活動をする上でも折りに触れて情報を交換し、時には助け合い、友情を確かめ合う和として未来永劫続けて欲しい。

 2006年の馬場研は7人の精鋭が集まってともに語り、研鑽し論文をまとめた。級長を務めたのは弁理士の丹波真也さんであった。その伝統を2007年も引き継ぎ、共有する時間の中で共に研鑽する機会を何度も持った。時代は休むことなく刻みながら、新しい研究開発を促し、新しい文化を作り文明を残していく。それが地球上に存在する生命体の宿命である。

 世界の中の日本という位置付けを考えながら、諸君はこの先50年間も社会活動を続けなければならない。その時もっとも要求されることは時代認識である。いま我々はどのような時代に生きているのか。どのような技術開発がホットなテーマになり、そしてこの先20年、30年後にはどのような社会が現出し、そのときどのような技術が普及しているのか。

 そのための政策決定から研究開発のあり方が、国と企業の国際競争力であり、その中核に位置するのが知的財産権である。そのような世界観をしっかりと描き、これからの日常活動に取り組んでほしい。変革には果敢に対応し、新しいものには臆せず立ち向かうのが馬場研の伝統である。

 その伝統を守る社会活動を続けてほしい。これが馬場研で学んだ同志4人に送る私のメッセージである。 

                          2008年3月19日 馬場 錬成

 

修了式の日、袴姿の小國聡美さんと記念写真

2007年プロジェクト研究

2007年の馬場研究室の研究生と研究テーマは次の通り。 

 

押久保政彦                           出願動向から考察する小売等役務商標制度の現状に関する研究 

有馬 徹                            グローバル経済化における日本の未来と日本の責務          ―日本が果たすべきリーダーシップ―

小国聡美                           光触媒に関する特許動向と市場動向及び標準化に関する研究 

佐藤貴臣                                                        日本国内における知的財産侵害事犯の現状と対策

 

               
                               
               
             

                           

                   
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2008年3月のアーカイブ

                               
                 

2008年03月 アーカイブ

2008年03月30日

3月30日 門前仲町の桜が満開

 

 

 

 

  門仲の桜が満開である。黒船橋のかかる隅田川の支流の小さな川である大横川で、手漕ぎの和船に乗って川面から桜を見物した。

 両岸から川面に張り出した桜並木は圧倒的であり、その下を静かに進む和船からの桜見物は格別である。地元にいて初めて乗った観桜だが、これはお勧めであり来年は和船からの観桜会を開催したい。

 舟からの観桜のあと、門前仲町にある京都の漬物や「近為」でブランチをとったが、近くのアクセサリー店の前に写真のようなワンちゃんが愛嬌をふりまいていて人気者になっていた。 

 

 

 

 

 

3月28日 日本弁理士会外部意見聴取会

  19年度の第3回外部意見聴取会が開催され、日本弁理士会臨時総会の報告や継続研修に関するガイドブック、倫理問題のテキストなどについて検討、論議を行った。 

  継続研修については、日本弁理士会も着々と準備を進めているが、その中の1部になるe-ラーニングコンテンツ一覧が配布された。すでに87本のe-ラーニングが作成されており、弁理士研修のための科目や話題が多数用意されている。

  この中には企業の知財関係者など一般の人にもためになる科目や内容があるので、将来にわたっては一般公開も考慮してほしいとの意見も出された。 また弁理士業務標準案も提出され、報酬問題についても論議された。

3月26日 岐阜大学の経営協議会

  第23回国立大学法人岐阜大学経営協議会が開催され、多くの議事が論議された。筆者は、4年間にわたり経営協議会の委員を委嘱されてきたが、この委員会を最後に退任した。

 黒木登志夫学長もこの3月末で学長を退任し、新しく森秀樹副学長が学長に就任する。岐阜大学は地方大学の中でも非常に活性化された大学であり、この4年間に多くの改革案を消化し、古びた地方の国立大学から脱皮したものである。受験生からも評価されてきており、志願者数のアップにもつながっている。

 岐阜シンポジウムの評価も高く、参加者が全国から集まっている。最後の協議会で黒木学長は、教員免許状の更新についての事業は、誰が責任を持って実施するのか曖昧になっている現状を報告した。文部科学省の政策で進めているのだが、教員の身分は地方自治体に所属している。

 しかし自治体には、免許更新に伴って行うべき研修会などの予算はほとんどないため、教育学部を持っている大学に頼る事態になっている。このままでは、実効性のある更新事業は無理ではないかと黒木学長は憂いていたが、今後に大きな問題を抱えているようだ。

3月25日 早大大学院科学技術ジャーナリスト養成講座の追い出しコンパ

  早稲田大学大学院政治学研究科にある科学技術ジャーナリスト養成講座の第1回修了者をお祝いする追い出しコンパが新宿で開催され、教師、在学生が多数参加して楽しいパーティとなった。 

 これは文部科学省振興調整費の予算で、早稲田大、北大、東大の3大学で試行されている5年間の養成講座だが、早大の講座には現役、社会人など2人近くが参加して2年間のジャーナリスト講座を受講し、修士の学位を取得した。

 修了者の中には、2つ目の修士学位を取得したという高校の教師もおり、社会人になっても勉学に励む機運が高まっていることを感じさせた。

3月25日 学校給食の衛生管理に関する調査協力者会議

  中国の冷凍餃子事件を巡る食の安全問題が大きな関心ごとになっており、特に成長期せにある児童・生徒に食事を提供する学校給食の安全について論議した。

 この日は、学校給食衛生管理の基準の改定に向けての検討事項を論議したもので、食品納入業者の選定や食品の検収・保管などについて現行のままでいいかどうか検討を行った。

 今後も安全な学校給食を確保するための衛生管理について、検討を深めることになる。

 

3月25日 大学知的財産本部審査・評価小委員会

 今回は、「国際的な産学官連携の推進体制整備」の進捗状況について、3つの大学についてヒアリングを行った。

 知財本部の活動がどのように展開されそして将来展望はどうなっているのか。これは非公開となっているので具体的な内容は報告できないが、各大学ともに非常に熱心に取り組んでいる様子が分かった。 

 大学の知財活動は、第2期目に入りこれから正念場を迎える。イノベーションを起こすような優れた創出が本当に大学から出てくるのか。国際的な活動をどう展開するのか。旧帝大のような規模も人的資源も豊かな大学と、地方の国立大学と私立大学がどのような戦略で行くべきか。

 高度・専門的な技術が要求される時代になったとき、企業と大学研究室がどう棲み分けるのか。大学の自治・独立性と学問の自由という理念と折り合いながら、大学人は研究に取り組むことになるだろう。

 

3月24日 就職活動の模擬面接

 就職活動は4月いっぱいが勝負。その中でも面接試験が一番の要になる。というわけで馬場研の院生と筆者が客員教授をしている早稲田大学の院生を対象に、模擬面接を行った。

 模擬面接官を引き受けてくれたのは、人材紹介業を長年やってきた人と大企業の部長経験者の2人である。事前に面接の準備項目を配布し、一問一答の準備をしていたせいもあって、ほぼ順調な模擬面接だった。

 しかし細部にわたっては模擬面接官からアドバイスがあり、非常に有意義だったようだ。 本来なら就職試験を目指す多くの人にやりたいところだが、模擬面接官の時間の都合で馬場研関係者だけにとどめている。

3月22日 MIP修了記念パーティ

 

 MIPの修了者が主催する記念パーティが、ホテルエドモンドで開催された。教師と院生が一堂に会したパーティは最初で最後になる。2年間の思い出を語り合い、教師たちは、修了者たちの門出を祝った。

 アトラクションに福引があり、筆者のナンバーの下2桁は「86」。これは中国の国のコードである。国際電話を中国にする場合、頭には必ず86がつくので、中国と付き合いのある筆者には、馴染みのコードである。

 これはひょっとすると・・・と思っていたらやはり1等賞を射止めた。いただいたものは、任天堂の「Wii」というゲーム装置。嬉しかったが、しかしこれを駆使して楽しむ時間はなさそうなので、当日の準備でご苦労した幹事の1人にプレゼントして大喜びされた。

 

3月19日 学位記・修了証書授与式

 

 今年度の修了式が3月19日に、九段の日本武道館で開催された。今年の東京理科大学知財専門職大学院(MIP)の修了者は86人である。

 博士、修士、学士の各学位を授与する式典は、毎年同じ手順で粛々と進行される儀式であり、それ自体は退屈なものであるが、しかし見る者はやはりなにがしかの感動が伝わってきて飽きない式典でもある。

 特に社会人で終了したMIPの人たちは感慨もひとしおではなかったかと思う。 

 

2008年03月19日

山形県のサイエンス・ナビゲーター交流合同会議で講演

「子供の科学する心醸成に係る連携会議およびサイエンス・ナビゲーター交流会合同会議」

  山形県は、科学技術振興の一環として県民の科学リテラシー向上に対する施策を積極的に推進している。

 この日は、県の研修センターに、サイエンス・ナビゲーター、教諭、総合学習センターの館長、教育庁の職員など約30人が出席し、筆者の講演と今後の事業計画について論議を行った。

 筆者は「知識社会の到来と国民の科学リテラシー」と題し、まず時代認識について説き、1990年代の後半から世界的に起きているIT産業革命について講演した。

 また後半には科学リテラシーについて考え、OECDが2001年に行った科学リテラ シー調査のテストを参加者に出題して回答してもらった。11問の質問にマルまたはバツで回答するもので、日本人の平均正解率は11問中6問である。この日 の回答では、全問正解者が1人、10問正解者が5,5人おり、日本人平均よりもぐんと高い結果をだした。

 

 

 

 

山形県科学技術会議が開かれる

 次期重点推進方策を検討

 山形県科学技術会議が3月17日に開催され、次期重点推進方策についてその方向性を論議した。

 山形県は、国が策定している第3期科学技術基本計画を受け、県の試験・研究機関を見直し、時代に合った体制を構築してきた。これまでも競争力が期待される分野での研究開発の推進、研究開発プロジェクト、新産業の創出に向けた支援の強化などについて推進している。

 次期重点推進方策の方向性としては、知的財産の戦略的な創出・活用の促進、人材育成と人的ネットワークの形成などを挙げており、この日の会議でも熱心に論議された。

 また、会議には、試験研究機関などで出された最近の主な研究成果が発 表された。その中で、県衛生研究所が行ったエンテロウイルス71型の変異と抗原性に関する研究は、いくつかの変異株を分析しても抗原性に差異がないことを 確認し、今後のワクチン開発へ貢献する成果となった。

 また、コシヒカリよりも食味ですぐれた水稲「山形97号」の成果が発 表された。倒伏があまりなく育成が容易であり食味の検査でもコシヒカリを上回る結果が出ており、山形発でおいしいご飯が食卓にのぼる日が待たれる。来年に は育成者権を確立し、平成22年から市場へ出す予定だという。

 

2008年03月12日

自民党・知財戦略調査会が開かれる

 コンテンツ振興策とオープン・イノベーション対応で策定

 自民党政務調査会の知的財産戦略調査会が3月12日に開催され、先に2つの専門調査会でとりまとめた報告書について論議した。

 「デジタル時代におけるコンテンツ振興のための総合的な方策について」と「オープン・イノベーションに対応した知財戦略の在り方について」の2つの報告書である。いずれも知的財産戦略推進事務局にある専門調査会で取りまとめたものである。

 コンテンツ振興については、①コンテンツを取り巻く環境の急激な変化に素早く対応す る、②コンテンツ産業が持つ強みを最大限に発揮する、③グローバルビジネスを展開するーの3本柱を課題としてしており、その基本理念に「コンテンツ・フロ ンティア(市場・創造)の開拓」を掲げている。

 一方、オープン・イノベーションの方は、企業などの研究開発力をアップするために、外部から研究成果を導入して事業化することを推進するもので、戦略的な知的財産の活用に結び付けようとする施策の推進である。

 この実現にはいくつかの基盤整備があげられている。学術・技術情報の利用環境や情報技術の利用環境を整備することによって、大学から良質の知財の提供を受けられるようにすること、知財を事業化する総合プロデュース機能を整備することなどである。

 自民党は、こうした施策について積極的に取り組む方針を表明しており、この日の調査会でも議員の間から課題を乗り越えていく意見が出され、政府側の各省の知財担当者からこれを実現しいく方針が示された。

 

学校給食における衛生管理

 学校給食の安全性で論議

 中国から輸入された冷凍餃子をめぐって輸入食品の安全性が論議されているが、学校給食現場でも衛生管理とは別に大きな課題となってきた。

  文部科学省の「学校給食における衛生管理の改善・充実に関する調査研究協力者会議」は、厚生労働省、農水省と連携しながら、学校の給食に安全な輸入食材が届くような仕組みを考えることを論議した。

  餃子事件で問題となったのは中国の天洋食品が製造した製品だが、文科省の調べによると、同社の冷凍食品を給食に使っていた学校給食現場は、全国で578校にのぼることがわかった。

 健康被害が出ていなかったのは幸いだったが、今後、同じような問題が出ないように水際で防止する仕組みを考えると同時に、学校給食現場で購入する食材について、安全性の点検をどのようにすることが効率的か論議を続けることになった。

 

               
                               
               
             

                           

                   
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2008年01月03日

2007年を総括する

 これまでの人生でもっとも多忙だった1年 

 2007年は、私の人生に中でもっとも多忙を極めた年であった。67歳を迎えたいま、このような多忙を体験するとは夢にも思わなかった。主な仕事を列記すると次のようになる。 

 第1は、本業である東京理科大学知財専門職大学院の専任教員としての仕事である。これは例年通り知財戦略論、科学技術政策論、知財プロジェクト研究という3つの授業を担当したものであり、全力を挙げてこの仕事には取り組んだ。 

 第2は、科学技術振興機構(JST)中国総合研究センターのセンター長としての仕事である。1週間のうち2日半の勤務時間であったが、その時間を作るのが難しくなったために1日半に短縮してもらった。

 しかし、小泉政権退陣とともに日中の学術交流が盛んになり、中国の科学技術関係者ら中国側の要人との折衝や接遇などが増えてきたこともあり、日常の判断・決済もこなしながら十分に仕事ができたとは思えなかった。 

 第 3は、早稲田大学大学院政治学研究科に設置されている科学技術ジャーナリスト養成講座の客員教授としての仕事である。これは後期だけの授業であるが、時間 的制約の中で科学技術ジャーナリストを目指す院生諸君の講義と指導という役割をこなすことはこれまた大きな負担となっていた。 

 第4は、2009年4月から東京理科大学に設置される新しい大学院の設立推進委員長としての仕事であった。これは現在の理学部大学院理学研究科の中にある理数教育専攻を発展的に拡充改組し、科学文化の概念を取り込んだ新しい大学院の設置である。 

 こ れについては、膨大な時間と折衝の苦労を体験したが、結果的には文部科学省に対する届出手続きに落ち着いて私としては中途半端な終結となった。大学に根強 くある(と思われる)守旧思想を垣間見ることができ、貴重な体験であった。これは今後10年、20年先の後輩たちに伝えるために、いずれその全貌は書き残 して死にたいと思っている。一般社会常識では理解することができないことが、大学の中ではまかり通っているとの思いを強くした。  

 振って沸いたハプニングで多忙に輪をかける 

 第 5は、ハプニングとして発生したある事件である。この事件は決着していないのでこれ以上触れることはできないが、私はその当事者の支援を引き受けた形とな り多くの事柄に関与した。今後も解決するまでは関与することになるが、結果としては「問題は何もなかった」という結論になると信じている。 

 この事件でも膨大な時間と労力を費やした。特に夏の暑い盛りには、この事件の収拾策に奔走することが多かった。1999年から続いてきた毎年1冊以上の本の出版という執筆活動は、今年は多忙にさえぎられてついに途絶えることになった。私の本務はジャーナリストとしての社会活動である。

 執筆活動はその柱である。東京理科大学知財専門職大学院の専任教員という仕事は、ジャーナリスト活動の延長線上にあると理解している。また院生諸君にもそのように伝えている。研究大学院とは違った教員活動を要求されている専門職大学院だからできることである。

 いずれにしても、このような多忙な状況は全部の仕事を完璧に遂行することを困難にしていることから、中国総合研究センター長を2007年12月末日をもって退任することにした。また、早稲田大学の客員教授も、2008年度から読売新聞東京本社編集局科学部長の小出重孝氏に譲ることにした。

 この2つの大任を辞退することによって、本来の仕事に打ち込むことにし、時間的な余裕を持つことによって再びジャーナリストとしての仕事に取り組むことにした。2007年は、私にとって1つの転機を迫った年であり、新しい視点を持たせた年でもあった。多くの協力をいただいた関係者には心から感謝している。 

               
                               
               
             

                           

                   
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2007年11月のアーカイブ

                               
                 

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2007年11月04日

学校給食甲子園は千葉県代表が優勝

 

選手宣誓をした代表が2時間後に優勝旗をもぎ取る

昨年に続いて奇跡を起こした千葉県勢

 第2回全国学校給食甲子園大会が11月4日、東京・駒込の女子栄養大学で開かれ、千葉県代表の匝瑳市野栄学校給食センター(秋山真理子栄養士、小川徳子調理員)が優勝した。

 秋山さんは大会の冒頭、選手を代表して選手宣誓を行ったあとの2時間後には大優勝旗と優勝カップをもぎ取るという離れ業をやってのけ大会を一気に盛り上げた。 

 準優勝は滋賀県代表・守山市立守山小学校(廣田美佐子栄養士、井上宏子調理員)で、学校から校長、教頭らが応援に駆けつけており、発表の会場で感動を分かち合った。

 特別賞として女子栄養大学から授与されたのは江戸川区立下鎌田小学校(千葉幸子栄養士、長谷川雅亮調理員)で、地場産物のない東京にあって、唯一、地元産の小松菜を使った様々な料理が評価された。

 また、北海道代表の江別市立学校給食センター対雁調理場(菊地恵美子栄養士、諏佐久美子調理員)は、特別賞として特定非営利活動法人21世紀構想研究会から授与された。北海道産の小麦、大豆、トマトなど大地に根差した料理が評価された。  

 

               
                               
               
             

                           

                   
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2007年09月30日

ますますお元気な松下昭先生

 
スイカは特許侵害だとソニーとJR東日本を訴えた松下博士
 歴史的な特許侵害訴訟として話題になっている松下昭博士と本日、インタビューを行った。先生は東京理科大学知財専門職大学院でも毎年、教えている先生であり、独自のアイデアで世に出したワイヤメモリーは、電子情報の歴史を書き換えたほどの画期的な発明だった。
そのご、このこの特許発明は産業現場で役立つ製品化にの成功したが、すぐに半導体チップに世代が交代して、貢献する時間は非常に短かった。しかし産業史燦然と輝く大発明である。
この発明の後に出てきたのが通称「松下特許」と言われる非接触で情報と電力をやり取りする基本特許である。JRで使用されているスイカは、まさにこの技術を利用したものであり、松下特許に抵触するというのが博士の主張である。東京地裁での判断が待たれる。

2007年09月02日

馬場研メンバーから坊っちゃん賞の「副賞」が贈与される

坊っちゃん賞の「副賞」が贈与される

馬場研メンバーが贈ってくれた素晴しいプレゼント

  

上の写真は「副賞」を手にして喜ぶ筆者

下の左は坊っちゃん賞、右は贈与された「副賞」

      

 2007年1月6日、私は思いもよらない「坊っちゃん賞」をいただいた。この賞は、東京理科大学に貢献したOB,OGに与えられる賞であり、突然の授与にびっくり仰天だった。

 というのも当日、受賞式が挙行されることも知らないで、会場のホテルへと向かった。その日は朝からあいにくの冷雨であり、私は出席するのをためらっていた。そこで同窓生から誘いの声がかかり、渋々、会場へ向かった。

 受付すると大きな花の胸章がつけられ、会場の最前列の端に案内された。いったいこれは何だろうと案内の女性に聞いてみると「先生は、坊っちゃん賞受賞しました。本日はその授賞式です」と言う。すでに式典は進んでおり、ほどなくステージに上がるようにアナウンスされた。

 青天の霹靂とはこのこと である。他人の話としては面白いが自身がその主人公になっていることに2度びっくりだ。受賞のスピーチは、その霹靂の有様を正直に話したから大うけだっ た。理窓会は私の研究室に受賞の連絡を何度も試みたらしいが、いつでも留守であり、そのうち受賞式当日になったということらしい。研究室の滞留時間が短い ことも、この一件でばれてしまった。

 その授賞式から8ヶ月後、馬場研の暑気払い飲み会が神楽坂で開催された。その会場で、ばかでかい袋に入ったプレゼントがこれまた突然授与された。聞けば坊っちゃん賞をお祝いするプレゼントだという。いわばこれは「副賞」だろう。

 いや、まったくもって、 何もかもこの大学の「行事」は何となくずれているところに特色がある。そんなことはどうでもいいのであって、賞と名のつくものは、久しぶりにもらった。現 役時代は、読売新聞社から社長賞2回を含む9つの賞をもぎ取った。これはいわば取材活動の汗の結晶であるが、今回の坊っちゃん賞も、その素晴らしい「副賞」もその結晶に劣らず重みのある賞となった。

 ここに馬場研の皆さんに、心から御礼を申しあげます。

 有り難うございました。

 

立石哲也先生らが「生体医工学の軌跡」を刊行

 

医工学の進展を報告したためになる本
 工 学分野の研究者が医学畑で活躍する現場を紹介した本である。編著者の立石哲也先生とはときどきお会いして、医工学分野の研究進展をお聞きする機会がある。 この本では、ピンポイント診断や治療のためのナノデバイスの研究、人工関節の素材の開発、金属材料からバイオマテリアルまでのフレークスルーの話などを分 かりやすく解説している。

 

 

東大の中尾政之教授が「失敗は予測できる」を刊行

 

失敗は本当に回避できるのか

 失敗学の創始者である畑村洋太郎先生の後継者である中尾先生が、失敗学の実践編として書いた本である。200例からなる実例を検証し、失敗の裏側に潜む真の原因をあぶりだして、失敗から成功への道筋を探ったユニークな本である。

 

2007年09月01日

台湾の知財活動を取材

     台湾で弁理士制度がスタート

 

 これまで弁理士制度がなかった台湾で、2007年6月17日に弁理士法が成立し12月16日に施行されることになった。この機会に台北市で活動する台湾の代表的な弁理士・弁護士のお2人を訪問し、台湾の知財の現状をお聞きした。

 

 

劉勝芳先生(連邦国際専利商標事務所・国外部副理)に聞く

 

 劉先生によると、台湾では弁理士制度がなかったが、弁理士法の成立とともに弁理士試験を実施することになり、このほどその受験資格について検討したばかりだったという。

 台湾特許庁と専利法は1949年1月に施行されていたが、弁理士資格については法的な根拠はなかったという。来年からは弁理士試験を実施して合格者を決めるという。また台湾特許庁の審査官を4年以上勤めた人は、弁理士資格を取得できる。

 

 最近の台湾の知財活動は、2006年の特許出願数は、日本からの出願が、約1万1000件、台湾から日本への出願が1800件余、実用新案は約1500件余だったという。

 台湾からアメリカへの出願は約7万件、中国へは約3万8000件としている。台湾ではいま、知的財産権財庁を設立する準備を進めており、2008年4月からスタートする予定だという。

 知財の侵害訴訟はそんなに多くないという。訴訟になっても、和解が多くなっている。 模倣品の侵害訴訟は少なくなってきており、侵害訴訟の多くは著作権の問題である。

 最近、台湾の工場が中国に移転しており、いま中国で働いている台湾人は約100万人という。人口約2200万人のうちの100万人だから相当の数である。特許出願費用は、中国のほうが出願費用、代理費用が高くなっているという。  

 

 李文傑先生(理律法律事務所(LEE&LI)弁護士)に聞く 

 

 李先生は知財弁護士として活躍しており、仕事は侵害事件が多いという。台湾弁理士法(専利代理人法)が公布されたので12月16日の施行からは、出願関係は代理人の資格がないとできなくなった。

 近年、台湾の多くの工場が中国に移転しており、台湾の工業力が弱体化するのではないかという心配はあるという。中国は台湾に比べて人件費が安く、多くの工場が移転していった。

 

 しかし、R&Bは、台湾で行うことが多いとも言う。いま担当している侵害訴訟の90パーセント以上は、日本企業である。つまりクライアントは日本企業だ。多くの訴訟は著作権侵害によるコンテンツ関係が多い。CD、DVDの侵害が多いという。

 台湾では半導体、液晶技術は自力で開発してきたものがあり、こうした 技術を知財で守ることも重要だと語っている。

               
                               
               
             

                           

                   
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2007年4月のアーカイブ

                               
                 

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2007年04月24日

4月19日(木) KASTで知財戦略の講演

 

財団法人神奈川科学技術アカデミー(KAST)主催

「実務者のための『強くて良い特許網の構築』コース」

~訴訟に勝てる実践的特許戦略~ 

 こ の教育講座は、知的財産を経営の重要な要とする技術志向企業に所属する経営者、研究・技術者、知財担当者、技術系本社スタッフ、研究・技術リーダーを対象 に、特許制度の今後の動向、プロパテント化の目指すものは何か、研究リーダーの役割は何か、出願明細書作成のポイント、最近の重要判例について、知的財産 分野の第一線で活躍中の講師陣による実践的なセミナーを開催するものだ。

 カリキュラム編成は、宇都宮大学の知的財産センター長の山村 正明教授が担当した。筆者は約30人の受講者に対し、90年代から始まった第3次産業革命ともの作りの現場の変革、知識社会の移行の中で始まった新しい技術革新をめぐる研究開発の国際的な競争の中での知財活動、中国の技術革新と知財活動などについてレクチャーを行った。

 

 

2007年04月21日

4月19日(水) 東北電力の顧問会議に出席

原子力の品質保証体制と課題について論議

 東北電力の「原子力の安全と信頼に関する顧問会議」が、19日、東北電力で開催され、東北電力の現場から出されている課題の対応策などをめぐって活発な論議が行われた。

 筆者は、品質保証体制を機能させるには企業トップがいかに係わるか、さらに技術革新に 合わせて、劣化するプラント、設備などをいかに近代化していくかが大きな課題になると主張した。劣化の科学という学問も走り出しており、成熟した社会に あって様々な設備・プラントが劣化をしており、その品質保証に大きなコストがかかる時代になってきた。

 このコストは、国家としても社会としても企業としても必要経費であり、劣化をいち早く 感知し、それを補正していくメンテナンスが重要であり、そのための技術革新も始まっている。すでにアメリカでは、GDPの3%以上が劣化の科学の研究投資 額になっているが、日本はまだ1%程度である。

 知識社会への変革にしたがって技術開発も新しい局面へと変貌してきていることを敏感に察知し、対応に遅れないようにしたい。

 

4月20日(金) 科学技術リテラシー企画推進会議

  

21世紀の科学技術リテラシー像

 

~豊かに生きるための智~プロジェクト
 

続きを読む

折り紙名人は国際知財活動をする弁理士

世界に発信する日本の「折り紙文化」 
 
日米で活躍する国際弁理士・矢口太郎さんにインタビュー
 
 
 
たった1枚の紙からご覧のように新幹線が折れてしまう。  
  
 
これも一枚の紙から折った車 
写真でご覧の作品は、弁理士の矢口太郎さんが作成した折り紙である。
これらはたった1枚の紙からおりあげたものだが、信じられない作品だ。
折り紙の展開図、つまり折り紙の柄は、すべて日本、米国、欧州の特許庁
に意匠登録されたか出願中のものばかりだという。一部は、米国著作権庁
に著作権登録されているという。
折り紙文化とその知的財産については、近く日経新聞ホームページのコラム
「ビズプラス」の「知財で勝つ」に執筆する予定です。ご期待ください。
矢口さんの活躍は「taro's origami studio」でご覧下さい。

2007年04月17日

4月17日(火) 銭其琛回顧録の出版記念パーティ

「銭其琛回顧録 中国外交20年の証言」

(銭其琛著、濱本良一訳、東洋書院)

  出版記念パーティが、17日午後6時30分から、ホテルニューオオタニで開催され、日中の要人が多数出席し盛大な日中交歓会となった。

 詳報は、本サイトの中国総合研究センターでご覧ください。 

2007年04月15日

4月14日(土)  東京理科大学大学院修士論文構想発表会

         東京理科大学大学院 理学研究科 理数教育専攻

修士論文構想発表会 

  修士論文をどのような構想で書き上げるのか。その内容をパワーポイントでまとめ、プリントしたレジメをもとに発表する構想発表会が開催され、見学に行った。

 

 学内の2つの会場に別れて開催されたが、初めて見学してびっくりした。どの院生もパワーポイントを工夫して作成しており、プレゼンテーションのやり方もよく訓練されており、感心した。

 私の研究室の修士論文(専門職大学院ではワーキングペーパーと呼んでいる)の取り組みでも大いに参考にしたい。

 

MIP2期生が「ベトナムの風」を出版

 MIP2期生の東村篤さんが本を自費出版しました。紹介の中身は、このHPの「東京理科大知財専門職大学院」のコーナーにあります。

 ご覧ください。

2007年04月11日

JETROが植物新品種の保護と活用でレポート作成

 JETROが植物新品種の保護と活用のレポートをまとめる

 日本貿易振興機構(JETRO)は、植物の新品種に関する知的財産権の現状と課題をまとめたレポート「植物新品種の育成者権の活用と保護の戦略」を作成し、JETROの農水産情報研究会に加入している約500社に配布した。写真は執筆者の農水産調査課の阿部道太さん。

 

  このレポートでは、育成者権とは何かから始まり、種苗法と品種登録の実際、育成者権の活用戦略と侵害対策などについて現状を取材した内容と解説、将来展望など多岐にわたってまとめている。

 このテーマについてこれまで参考資料や報告書がなかっただけに大変、参考になる内容だ。特に花の国際的な流通機構や侵害の実態などを取材した内容は、ビジネスの現場の空気も伝えていてためになる。

 お問い合わせは、JETRO農水産調査課まで。 

 電話03-3582-5186 Mail:[email protected]

  

 

2007年04月08日

中国総合研究センターのご紹介

 中国総合研究センターは、2006年4月から、独立行政法人科学技術振興機構(JST)に設置されました。

同センターは、中国の科学技術関係の諸団体や機関との相互理解と学術交流を目指す一方、中国の科学技術関係のさまざまな成果を日本に伝えたり、日本の科学技術関係のニュースを中国に伝える役割を担っています。


 

「銭其琛回顧録 中国外交20年の証言」

 本書は、1982年から2003年まで中国外交の中心にいた銭其琛 氏の回顧録であるが、すでに数カ国語に翻訳されている。今回、日本語訳として出版されたもので、翻訳を担当したのは読売新聞調査研究本部主任研究員の濱本 良一氏である。濱本氏は2回にわたって北京支局に駐在した国際記者であり、銭氏が外務大臣をしていた時代からお互いに知り合っていた。

  銭氏が外務大臣として活躍した時代、世界はIT産業革命に突入した時代であり、特に2000年をはさんで中国が急激に発展した時代でもある。銭氏が世界各 国を回って中国外交を展開したその詳細な記録がそのまま著書となったもので、外交史の観点からも貴重な文献になるだろう。

  昭和天皇が崩御して大喪の礼が行われたとき、銭氏は中国を代表して大喪の礼に参列したが、実はその直前に竹下首相の先の大戦に関する国会答弁をめぐって、 日中間には重大な外交障壁が持ち上がっていた。昭和天皇に戦争責任はないとする竹下首相の答弁に対し、中国政府が激しく反発したものであった。

  銭氏は、そのときの日中政府間の対応と中国政府の判断を解説しながら、弔問外交の舞台裏を生々しく再現している。またこの時に23年間にわたって中断して いた中国とインドネシアの関係を回復させたインドネシア大統領との会見も記している。弔問外交の成果として高く評価されたものだ。

  銭氏は日本語版の出版にあたって冒頭で特に序文を書いているが、その中で「中国のいにしえの聖賢たちは、仁と義をよりどころにすれば、道は人を遠ざけるこ とはないと説いている。誠意と真心で正しい方向に絶えず進めば、われわれは崇高な目標に近づくことができよう」と説き、日中友好の発展を希望している。

 銭氏は日本の政治家とも深い交流があり、この日のパーティには、海部俊樹、羽田孜の両元首相、河野洋平衆院議長、福田康夫、中山太郎、山崎拓氏ら政界の大物が顔をそろえるなど盛大なお祝い会だった。

 著者の銭氏も当初から出席の予定だったが、手術を受けた後であるため海外旅行を医師団に止められており、やむなく来日を断念し、日中友好発展を望むメッセージを寄せ、これを王毅中国大使が読み上げた。

 

「創英ヴォイス」「創EI VOICE」

 

 「ソウエイヴォイス」が50号一歩手前 ということは「49号」を発行 

  創英国際特許法律事務所(長谷川芳樹所長)の機関誌「ソウエイヴォイス」の49号が手元に届いた。知財情報だけでなく、ソウエイ集団の個性が様々な形で集約されている面白い雑誌である。その中でも冒頭に掲載している「視点」は長谷川所長が書いている主張・論評である。

 今回、長谷川所長は「職務発明の対価は本当に必要 か?」、「大学知財の先覚者たち」、「中小企業待遇の新しい仕組み」、「失われつつある実務習得の環境」の4題話を書いている。どれも主張点がはっきりし た意見公開であり、読み手にはなにがしかの感慨を抱かせるものだが、その中でも中小企業の優遇対策については特に共鳴した。

 長谷川所長は「出願公開制度の実質的廃止」を提示し ている。中小企業には、出願と同時に審査請求をすることを条件にして、出願公開を待たないで審査を終了するというものだ。これによって、特許権を得られな かった出願案件については、公開前に出願を取り下げられるので、世間に知られることがなくなる。中小企業にとっては、たとえ特許にならなくても、心血を注 いで開発した自社技術が公開されないことになるのは大きな意味がある。

 この制度が実施されても特許制度の基本を曲げるものではないと長谷川所長は言う。今の公開制度は、もともとは特許庁の審査が遅いことに起因しているものだからだ。

 「ソウエイヴォイス」には、内外の知的財産に関する実務上の解説や調査ものが掲載されているだけでなく、所員の日々の活動を語るコーナーや趣味道楽の話、クイズなどもあって楽しめる。50号記念特集、たぶん、そうなるであろう次号を期待している。

 

 

2007年04月07日

4月7日(土)

 07年度の馬場研がスタート

 今年の馬場研メンバーは5人の精鋭でスタートを切りました。メンバーは、有馬徹さん、押久保政彦さん、佐藤貴臣君、小國聡美さん、渡辺彩さんです。このうち有馬さん、押久保さん、小國さんは社会人です。

 級長は押久保さんに依頼しましたが、昨年の丹波さんに続いて押久保さんも弁理士です。ワーキングペーパーは、06年度に劣らず素晴らしいものが出てくると期待しています。

 

4月3日(火)

 

 「知財紛争 トラブル100選」(梅原潤一編著、三和書籍)

 弁理士の的場成夫先生か ら贈呈されたこの本は、実務に役立つ100の知財紛争を事実の概要、判例の要旨、解説という3つのカテゴリーで簡潔に提供している本である。知財の判例集 はいくつか出ているが、法的論拠に偏っているために初心者には難解なものであり、とっつきにくい。

 この本は、アルプス電気株式会社の技術法務部のスタッフのみなさんや特許事務所の弁理士たちが手掛けたものであり非常にわかりいい。判例は特許法、意匠法、商標法、著作権法、不正競争防止法の代表的な事例を取り上げており、ためになる。

 的場先生は、知財の知識普及にも熱心な先生で、ウエブサイトでも役立つ情報を発信しているので是非、こちらもお勧めしたい。

 的場先生のサイト

 

2007年04月03日

3月27日(火) 岐阜大学

 岐阜大学の経営協議会 

 岐阜大学(黒木登志夫学長)の経営協議会委員を委嘱されており、今年度の会議に出席した。国立大学が独立行政法人に移行するにしたがって、外部の有識者の意見を経営にも取り入れ、より機能的に大学を経営していくために設置された組織である。

 議事は19年度の計画と予算、組織規則の制定や学則 の改正などであり、大学経営の現状を知るためには非常にいい機会である。その内容についてはここでは触れることはできないが、一言で言うと岐阜大学は非常 に意欲的に改革に取り組み、着実に研究実績もあげるなど地方大学のモデルになっている。

 近隣には名古屋大学、名古屋工業大学などもあって、厳しい競争が強いられているが、身の丈をわきまえた大学経営は他の地方大学にとっても参考になるだろう。

 高い満足度を示した意識調査結果

 岐阜大学では教職員、学生、院生に対し、意識調査を 行い、経営協議会でその結果が報告された。その中で注目したのは学生の満足度調査である。たとえば「あなたは昨年度の設定した学修達成目標を達成できたで しょうか」という設問に対し、「達成できた」が31%、「ほぼ達成できた」が41%で、あわせると72%だった。

 「あなたは大学の卒業後の進路について考え、そのた めの行動をしていますか」との設問に対しては、「進むべき方向を決定し、そのために必要な行動をとっている」とした学生は42%、「進むべき方向は決定し てるが、そのための行動はしていない」とした学生が20%だった。進むべき方向を決定している学生は62%である。

 これを多いとみるか少ないと見るかは見解の分かれる ところだが、是非、他の大学の学生の意識調査と比べてみたい。そのほかの設問では、大学の施設、教育機材などの満足度を調べているが、普通以上とした学生 が70%近くであり、シラバスの整備状況についても普通以上とした学生が76%あった。

 私はこれまで岐阜大学とは何の縁もゆかりもなかった が、委員になって以来、岐阜大学の陰の支援者になってしまった。学術研究などの活動や、大学の知財本部の活動状況などについても、岐阜大学の状況を気にし てみており、活動が活性化するのを聞いたりみたりすると嬉しくなる。「頑張れ!岐阜大学」である。

 

               
                               
               
             

                           

                   
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2007年3月のアーカイブ

                               
                 

2007年03月 アーカイブ

2007年03月06日

馬場研掲示板開設

馬場研究室掲示板


 馬場研究室の掲示板がスタートしました

 馬場研究室に所属する院生だけが利用する掲示板を設定しました。

 1期生の姜真臻(キョウ・シンシン)君がセットしてくれたものです。

 利用方法

 ブログの馬場研究室開設から→馬場研究室掲示板に入ってください。

 入る時は共通のPWが必要です。

 次の画面で、各自の情報などを書き、「書き込む」をクリックしてください。プロフィールはブランクでもOKです。

 次の画面が出たら、下のほうに見える画像・動画を投稿せずに完了をクリックしてください。画面が出ると、自分の書いた文章が確認できます。

 馬場研の諸君の連絡、情報交換など皆さんで自由に使用してください。不特定多数の人が使用するような掲示板にすると、ルール違反のケースが出てくる可能性は高いので、MIP馬場研だけに限定しました。

 ただし、MIPなどの友人などで利用したいという人がいれば、歓迎しますので皆さんの責任内で加わるように裁量してください。

 以上です。

 馬場錬成

               
                               
               
             

                           

                   
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2007年2月のアーカイブ

                               
                 

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2007年02月25日

執筆活動

 このサイトは、日常的に執筆している活動を記録するコーナーである。

2007年02月24日

2000年以降に発表した論文などのリスト

「中国の知的財産権の現状と将来展望」   「改革者」 2007年7月号

「給食の地場産物、食文化を育む」 「時事評論」2007年6月号

「知財フロントランナー回想録 知財の取材現場で知った産業構造の激変」 「ライトナウ」2007年4月号

「地域団体商標 地域に夢与える制度に」 朝日新聞「beword」2006年4月29日 

「キヤノンのインクカートリッジ訴訟事件 消費者感情として疑問が残る逆転判決」 「エコノミスト」2006年3月14日号

「知的財産侵害 ますます巧妙、悪質化。ホンモノ駆逐する中国ニセモノ展示館の仰天コピー商品」SAPIO 2006年4月12日号 

「物理学校」余話―明治時代の理系白書 「科学ジャーナリスト会報」2006年5月

 「知財立国への制度改革とその成果」                                                                          オペレーションズ・リサーチ Vol.51 No.8 2006

「中国の科学技術と研究現場の現状 国家戦略で急進展、先進国を急追」 時事評論 2006年11月号

「大丈夫か旭化成のものづくり」 A-SPIRIT MARCH

「知識社会の到来に横たわる日本の課題」 Science & Technology Journal Apr.2005

「知財立国への途」 「経済人」2005May 

「知的財産推進 時代先取りする施策必要」 読売新聞「論点」2005年7月6日

「国立大学の法人化と学術研究の推進 学術研究か教育かー身の丈に合った大学経営が重要だ」

 日本学術振興会 「学術月報」 2004年4月号 Vol.57 No.4  

 

〔2000年以降の主な論文、評論など〕 

「臨界事故の背景に横たわる安全意識と経済性」

       「エネルギーレビュー」 2000年4月号(P18-21)

 

「IT産業革命と日本のもの作り」 

       財団法人日本立地センター「産業立地」 2001年10月号(P9-13)

 

「情報とモノが求めるスピード」

       「NOVA」特別号 Vol.14 2000年

 

「ものづくり再生への道」

         「経営者」 2001年1月号 

「IT産業革命と日本のもの作り」 

         社団法人日本ロボット工業会 「ロボット」 2002年1月号 (P17-22)

 

「急進展する技術革新と特許重視の研究活動への期待」 

       日本学術振興会 「学術月報」 2002年1月号 Vol.55 No.1 (P32-34)

 

「大丈夫か 日本のもの作りーIT産業革命が製造業を変える」

       「東経連」 2002年4月号 

「日本の研究現場で席巻する外国製装置類を奪い返そう」

       月刊「エネルギーフォーラム」 2002年12月号

  

「日本の知的財産戦略」

       関西社会経済研究所レポート 2002年12月号

 

「我が国の科学とノーベル賞-利根川進先生の業績」 

 日本学術振興会 「学術月報」 2002年3月号 Vol.55 No.3 (P34-35)

 

「どうなる日本のもの作り」

       「産業立地」VOL.41 No.4 2002年4月号

 

「ブロードバンド時代のIT・金融・グローバル競争戦略」

       中央大学経済研究所研究会報 2002年5月31日発行

 

「知的財産立国へ改革急げ」

       読売新聞社論点 2002年10月30日付け

 

「科学技術創造立国へ求められるもの」

       「公明新聞」文化欄 2002年11月15日付け

 

「人間探検[35] 飯島澄男(NEC特別主席研究員、名城大教授)―ナノに潜む宝を発掘するノーベル賞候補者」

       「エコノミスト」誌 2002年12月8日号

 

「ジャーナリストから見た日本の知的財産」

 日本学術振興会 「学術月報」 2003年1月号 Vol.56 No.1 (P63-65)

 

「知の時代を勝ち抜く中小企業」-「知的財産を生かすための企業戦略」

       あさひ銀総研レポート 2003年2月号(P6-11)

 

「日本人にノーベル賞のチャンスがめぐってきた」

―3年連続受賞の快挙はまぐれではないー 

「JISTEC-Report」 2003年Winter Vol.46(P3-7)

 

「拡大する中国のニセモノ製造―転換迫られる産業技術の競争力」

                     「素形材」 2003年5月号

 

「日本を再生する第四次産業」

        「公明新聞」文化欄 2003年6月13日付け

 

「中国社会に見た第三次産業革命」

        「サイエンス&テクノロジー ジャーナル」2003年10月号

 


 

2007年02月23日

「弁理士受験新報」コラム・羅針盤

 法学書院の発行する「弁理士受験新報」のコラム「羅針盤」を執筆しています。

 弁理士試験の合格を目指して受験勉強をしている多くの方々への励ましになりそうなことや、知財現場の課題について少しでも役立つような情報を取り上げています。

著書

[著書]

《児童書》

「帰ってこいよ東京っ子サケ」(偕成社、1988年)

「母さんのじん臓をあげる」(偕成社、1989年)

 

《外国で翻訳出版された著書》

「腸内細菌」(中国語翻訳、台湾・青春出版社、1997年)

「ノーベル賞100年」(韓国ハングル語翻訳、2003年)

 

《中国関係》

「中国ニセモノ商品」(中公新書ラクレ,2004年)

「変貌する中国の知財現場」(共著、日刊工業新聞社、2006年)

 

《科学啓蒙書》

「人間この不可思議なもの」(共著、読売新聞社、1971年) 

「北の新博物記」(共著、太陽出版、1975年)

「恐竜の証言」(グリーンアロー社、1977年)

「サケ多摩川に帰る」(農山漁村文化協会、1985年)

「人体スペシャル・レポート」(共著、講談社ブルーバックス、1987年)

「科学面白トビックス」(講談社ブルーバックス、) 

「腸内宇宙」(健康科学センター、1992年)

「C型肝炎と閾う」(講談社、1996年)

「発想のタネになる科学の本」(講談社ブルーバックス、1997年)

「ノーベル賞の100年」(中公新書、2002年)

「物理学校」(中公新書ラクレ、2006年)

 

《知財関係書》

「やさしい知的所有権のはなし」(法学書院、1998年)

「知的創造時代の知的財産」(共著、慶應義塾大学出版会、2000年)

「大丈夫か 日本の特許戦略」(プレジデント社、2001年)

「知財立国 日本再生の切り札100の提言」(共著、日刊工業新聞社、2002年)

「特許戦略ハンドブック」(共著、中央経済社、2003年)

「知的財産権入門」(法学書院、2004年)

「新・特許戦略ハンドブック」(共著、商事法務、2006年)

 

《産業技術・産業構造関係書》

「技術革新と労働運動」(正村公宏編著、現代総合研究集団、1983年) 

「大丈夫か 日本のもの作り」(プレジデント社、2000年)

「日本のモノづくり52の論点」(共著、日本プラントメンテナンス編、2002年)

「大丈夫か 日本の産業競争力」(プレジデント社、2003年)

 

《その他のジャンル》

「高校紛争の記録」(共著、学生社、1971年)

 

学校給食

 全国学校給食甲子園のホームページ 

 http://www.kyusyoku-kosien.net/

 21世紀構想研究会は、教育活動の一つとして、食育推進計画の啓発と学校給食の重要性を世の中に広げるため、2006年11月から「全国学校給食甲子園」を開催しています。

 高校野球の甲子園大会にあやかって、学校給食の献立の全国コンテストを展開するもので、第1回大会には全国の学校給食の1514調理場が参加して、東京で盛大に開催された。

 第2回大会も2007年11月3日、4日に東京で決勝大会が開催される。

 
 

東京理科大学知財専門職大学院・馬場研究室

 阿倍道太さんの結婚披露宴

 研究室の阿部さんが、2007年3月4日、結婚式を挙げ、引き続いて披露宴を開催しました。JR目黒駅近くの邸宅風の会場ですが、整備されたお庭も素晴らしく、新郎新婦の手作りによる楽しく和やかな、大変印象深い披露宴でした。 

 


 

 

 馬場研究室は、平成18年度に初めて研究大学院生7人を迎えて、知財プロジェクト研究を行った。

 7人の内訳は、3人が学部から進級してきた院生で、残り4人は社会人である。それぞれのテーマを掲げて1年間かけて修士論文に相当するワーキング・ペーパーを書き上げた。

 その院生とテーマを次に紹介したい。

 


 

平成18年度修士論文

 

2006 年(平成18年度)の馬場研究室の院生は、7人だった。社会人院生4人、学部院生3人であり、いずれも知財のプロを目指す優れた院生ばかりだった。その7 人の修士論文(専門職大学院ではプロジェクト研究ワーキング・ペーパーと呼んでいる)のテーマは次の通りである。 

 

阿部 道太

 「植物新品種の育成者権保護・活用の戦略に関する研究」 

 

姜 真臻 

「多国籍企業のR&D活動から見た中国の科学技術政策戦略

            -上海張江ハイテクパークのケースについてー」 

 

杉山 忠裕 

「中国における模倣品対策から見た中国での市場戦略に関する研究」

 

 丹波 真也

 「先使用権制度を活用した知財戦略の有効性に関する研究」 

 

土屋 輝之

 「サプライヤー特有の開発成果保護に関する問題点並びに連携

 リスク回避のためのADR活用の可能性に関する考察-自動車業界

 に見る連携のリスクを中心に-」 

 

柳 勝人

「オープン・イノベーションにおけるデスバレーの克服」

 

IP NEXT コラム

 1965年から読売新聞社で取材記者を続け、2000年11月からは、フリーのジャーナリストとして執筆活動を行ってきた。

 取材した成果は、出版物として出したり、インターネットのコラム、新聞、雑誌などでも多くのコラム、論評を発表している。

 またテレビ、ラジオへの出演も多く、テーマはノーベル賞、知的財産権、学校給食などである。


 「IP NEXT」コラムには、「知的財産創出の現場」のタイトルで、ベンチャー企業の創業者とのインタビュー取材を掲載している。

 取材をしていつも感じるのは、日本には世間ではほとんど知られていない人物でも、もの作りに優れた才能を発揮する人材があちこちに存在しているという事実である。日本人の優れた創意工夫は、このような人々によって支えられていることを知らされる。

 

 

2007年02月22日

食トピックス

全国の学校で広く読まれている「学校の食事」(学校食事研究会発行)のコラム「食トピックス」に連載を始めたのは、2001年4月号からです。

それ以来、毎月、さまざまな食べ物についてエッセー風のコラムを書いてきました。読者が学校給食関係者が多いので、なるべく給食に関係したことに触れたいと思っています。

私が理事長をしている21世紀構想研究会では、2006年から

「全国学校給食甲子園」(www.kyusyoku-kosien.net/

を開催し、全国の学校給食の献立を競う大会を開催しています。

これは政府が推進している食育政策とも連動した社会活動です。

「食トピックス」の固定読者も増えており、反響が来るのが楽しみです。

2007年02月21日

21世紀構想研究会についてご紹介

 21世紀構想研究会

 わが国が、知的基盤の強固な研究現場と産業振興の技術革新を実現し、真の科学技術創造立国を確立するため、適宜、研究テーマを掲げて討論する場として、1997年9月26日、21世紀構想研究会はスタートしました。

 研究会の会員は、主としてベンチャー企業、行政官庁、大学、マスコミの4極から参加し、毎回、活発な議論を展開して来ました。

 研究会で得られた成果を社会に訴えて啓発をはかりながら、国の政策にも結びつくように活動するという目的も、回を追うにしたがって明確となり、政府審議会のパブリックメントなどにも積極的に発言するようにしています。

 研究会は、2000年7 月に東京都から特定非営利活動法人として認められ、さらに生命科学委員会(東中川徹委員長)、産業技術・知的財産権委員会(生越由美委員長)、環境・エネ ルギー安全委員会(千葉英之委員長)が下部組織として設立され、適宜テーマを定めて活動を続けています。

 まだ世に知られていないベンチャー企業の優れた技術を、研究会を通して広く認識してもらったり、これまであまり接点がなかった中央行政官庁の官僚との交流を通じて、政策への提言をすることも活動の一つにしています。

 会員数は現在約100人 であり、アドバイザーとして、荒井寿光・内閣官房知的財産戦略推進事務局長、安西祐一郎・慶應義塾長、黒川清・日本学術会議会長、利根川進・MIT教授、 吉川弘之・産業技術総合研究所理事長の方々にお願いし、適宜、活動への助言をいただいています。

日経bizコラム

日経bizコラム

 日本経済新聞のインターネットコラムの「ビジネスコラム」(略称・ビズコラム)に、2002年9月13日から連載を開始しました。

 知財現場のさまざまなテーマを書いていますが、固定読者も多く反響もあります。読者の関心が深いのは中小・ベンチャー企業の知財活動ではないかと思います。

 これからも、興味あるテーマを追い求めていきますので、よろしくご支援をお願いします。

中国総合研究センターのご紹介

 中国総合研究センターは、2006年4月から、独立行政法人科学技術振興機構(JST)に設置されました。

同センターは、中国の科学技術関係の諸団体や機関との相互理解と学術交流を目指す一方、中国の科学技術関係のさまざまな成果を日本に伝えたり、日本の科学技術関係のニュースを中国に伝える役割を担っています。

東京理科大学知財専門職大学院の紹介

東京理科大学知財専門職大学院

東京理科大学知財専門職大学院は、2005年4月から、日本で最初の知的財産専門職大学院として設置されました。

この専門職大学院は、知的財産に関する実務的な知識を習得するために学ぶ大学院であり、院生の3分の2は社会人、3分の1が学部からの進級生となっています。

また、教師の多くは企業で長い間知的財産権を扱う部署にいた方や弁護士、弁理士などである。いずれも知的財産の専門知識を持ったその道のプロである。


 MIP院生の東村篤さんが「ベトナムの風」を出版

   

 東村篤さんは、岡三ベンチャーキャピタル株式会社の投資部長をなさっている現役バリバリの知財人材である。日本広報学会、日本知財学会、日本ベンチャー学会、日本モノづくり学会など多くの学会に所属して精力的に活動を展開している。

 今回は、今年の3月にベ トナムを訪問し、1週間にわたって見聞してきた内容を政治、経済、社会、歴史、民俗などの視点から多角的にまとめている力作である。ポスト中国としてにわ かに脚光を浴びてきているベトナムだが、日本企業が進出するには、多くの課題が横たわっているようだ。

 この本は生きた教材であり、東村さんの社会活動の立体的で広角的な視点が存分に発揮されている。


 

平成18年度修士論文

 

2006 年(平成18年度)の馬場研究室の院生は、7人だった。社会人院生4人、学部院生3人であり、いずれも知財のプロを目指す優れた院生ばかりだった。その7 人の修士論文(専門職大学院ではプロジェクト研究ワーキング・ペーパーと呼んでいる)のテーマは次の通りである。 

 

阿部 道太

 「植物新品種の育成者権保護・活用の戦略に関する研究」 

 

姜 真臻 

「多国籍企業のR&D活動から見た中国の科学技術政策戦略

            -上海張江ハイテクパークのケースについてー」 

 

杉山 忠裕 

「中国における模倣品対策から見た中国での市場戦略に関する研究」

 

 丹波 真也

 「先使用権制度を活用した知財戦略の有効性に関する研究」 

 

土屋 輝之

 「サプライヤー特有の開発成果保護に関する問題点並びに連携

 リスク回避のためのADR活用の可能性に関する考察-自動車業界

 に見る連携のリスクを中心に-」 

 

柳 勝人

「オープン・イノベーションにおけるデスバレーの克服」